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漠然とした不安に向き合う力に求められる視点とは?

かつて芥川龍之介は、「将来に唯ぼんやりとした不安がある」という言葉を残して自ら命を絶ったことは有名です。
私は確か中学生くらいの時にこの言葉を知りましたが、その頃からずっと頭の片隅にあります。そして私自身、この「ぼんやりとした不安」と付き合いながら人生の大半を過ごしてきたように思います。
30代くらいまでは、私のような人間は極めてマイノリティなのだろうと思っていましたが、現代においてはむしろマジョリティというか、世界で起きていることに真正面から向き合っている人であればあるほど、この感覚は強いのではないかと思ってしまいます。
「ぼんやりとした不安」とまではいかないものの「もやもやした感覚」が心のどこかにあるという方は多いのではないでしょうか。
それはひとえに「見通しがつきづらくなってきている」ことにあるのかもしれません。

もし、そうなのだとしたら、これからの時代においてはその「もやもやとうまく付き合っていくこと」が問われているのではないでしょうか。
私たちがこれから先、将来の見通しをつけづらい時代をずっと生きていくことを強いられるのだとしたら、レシピはもちろんのこと、「確かな手ごたえ」、「成功パターン」、「勝ち筋」といったものを頼りに前進していくことは一層難しくなるでしょう。
そんな状態で仕事・キャリア・人間関係等、様々な場面で人生の危機ともいえるような事態に何度も何度も遭遇するとしたら、そんな中でも心折れることなく正気で居続けろ、という方が無理な注文かもしれません。

では、私たちにはどんな変化が問われることになるのでしょうか。
どうすれば、確信が無くても前進し続けられるしなやかさを身に着けることができるのでしょうか。

そのヒントになるのが、「Yes,Andアプローチ」だと私は考えています。
これは元々、コミュニケーションスタンスとして語られるものですが、レジリエンスのリテラシーにもなりえます。
なぜなら、「勝ち筋」が見えない時点で暗中模索を強いられることになり、「やっぱりダメだ」、「やるだけ無駄だ」と自分自身にも周りにもつい「No」を言いたくなる気持ちに苛まれやすくなるからです。
だからといって、「前向きに考えよう」、「ポジティブ思考で頑張ろう!」と言えるほど、現状は生易しい状況でもありませんし、無理にポジティブ思考に切り替えようとしたことで、かえって大切なものを見落としてしまう可能性すらあります。
そこで重要になるのが、"Yes,And"です。
Yesとは、現状に備わっている価値を認めることであり、Andはその価値を土台に、未来へ活力と創造力を解放しようとする姿勢です。
これは一見抽象的に見えるかもしれませんが、将来の見通しをつけづらい中でも「それでも、もう一歩」と足を進めていく上で非常に重要なことです。なぜなら、勝ち筋が見えない状況の中で問われることになるのは、「瓢箪から駒」が出るまで、とにかく瓢箪を振り続けることだからです。
しかしいつ駒が出てくるかの予測が難しいのは言うまでもなく、また、なんでもかんでも闇雲に手を打てるほどの余裕や十分なリソースがあるとも限りません。
私たちに問われることになるのは、モチベーションの維持と、意味のある挑戦をし続けられるかどうかです。
自分が既に手にしている価値を認める(Yes)ことで自分が活かせるリソースを再認識し、それを未来に向かって活かす(And)ように行動を起こす。
言い換えれば、主体性と創造性を解放するのが「Yes,Andアプローチ」です。 このリテラシーに馴染みがある人は少ないかと思いますが、私たちの未来に可能性をもたらしてくれるものであると思います。


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