「話さない」ではなく「話せない」?
ミーティングで部下や若手が話さない、という事に対して気がかりや問題意識を抱えているという人は多くいらっしゃいます。
一般に、「話さない」状態とは消極的な姿勢であると見なされがちであり、話さない部下や若手は責任感が乏しく、成果へのコミットメントがない、もしくはやる気がないから発言しないのだと見なされがちです。
また、部下や若手の側からしてみても、自分自身のスキル不足を実感しているために、会議などの公の場で質問や発言しづらいと思ってもおかしくはありません。
わざわざ余計なことを言って周りに迷惑をかけたくない、恥をかいてしまうようなことは避けたいと思ってしまう、すなわち、
「話したくても話せない」
ことの方が多いのではないでしょうか。
これはありがちな心情ではあるものの、結局のところ、部下の意識や能力不足の問題のように見えてしまいます。
しかし、この「話したくても話せない」問題はそれだけにとどまりません。これは部下の側だけに原因があるのではなく、上司の側も問題の原因になってしまっているのです。
それはどういうことでしょうか?
簡潔に言えば、部下の側としては、うかつなことを口走ってしまった結果、藪から蛇が出るように面倒が増えてしまうのではないかという気がかりが生じているということです。
実際のところ、上司は部下からの情報を頼りに様々な意思決定をします。
それは、実際に報連相されたことだけに留まらず、部下のちょっとした仕草や言い回しをきっかけにいろんな思考が巡って意思決定をする、ということは多々あるでしょう。
部下から得られた情報を元に、上司が何かの意思決定をするということは、決して誤りではありません。
しかし、重要なポイントは、そうした上司の次なる動きを部下の側は警戒する可能性があるということです。
上司から助けを得られることで有益なこともありますが、必ずしもそうとは限りません。
時には的を外した指示を部下に対してしてしまうこともあるでしょう。
そういった事態を経験すればするほど、部下は上司に余計なことをさせないために、うまくのらりくらりと躱そうとしてしまうこともあるでしょう。
これが「話したくても話せない」の原因の一つなのです。
つまり、上司に余計なことをさせないために、うまく防御線を張ろうとしてしまうということです。
そのように考えてみると、もしかしたら部下は
『話さない』のではなく、『話せる余地がそもそもない』
と感じてしまっている可能性があります。
そのように考えてみると、「話さない人」に無理やり話させようと、あの手この手を使おうとすること自体が逆効果になってるのかもしれません。
もし、それが逆効果なのだとしたら、「話さない人」にはどのように関わればよいのでしょうか?
「あなたは現時点では、無理をしてまで話す必要はない。
そして、あなたは自分で自分の道を切り開けるだけの力があり、やがて自ら話すことができるように、私は上司として関わってみよう」
こうした関わりは決して平たんな道ではありませんが、このように話さない部下に対する自分の立場やスタンスを変えてみるだけで、きっと新しい展開が始まることでしょう。
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