マガジンのカバー画像

マイクロノベルちょいす

88
ほぼ100字小説をテーマ別にまとめ直しています。 運がよければ週に5回ぐらい更新します。
運営しているクリエイター

#悪魔

マイクロノベルちょいす 066「天使と悪魔の相互理解」

マイクロノベルちょいす 066「天使と悪魔の相互理解」

No.1311
『天使よ。悪魔である俺と自分の魂を入れ替えてどんな悪事を企んでいるのだ? お前は間違っているぞ。あと、モサモサした羽根が、あーもう邪魔だなあ!』大きなお世話だ。まあ、お前が設置した空気清浄機はいい働きをするから、これからも使ってやる。

No.1312
やれやれ。天使に体を乗っ取られていたなんて、不気味でムズムズする。落書きなんかしてないだろうな? 銭湯の大きな鏡で確認だ。「よう、

もっとみる
マイクロノベルちょいす 054「悪魔の不平不満」

マイクロノベルちょいす 054「悪魔の不平不満」

No.1228
ロクな人間がいないな。ああ、お嬢ちゃん。なにか欲にまみれた願い事はないかい? お腹いっぱいうまい棒が食べたいのかー。いま何円だっけ? えーっと……たくさん儲けたし百本買ってあげる。「悪魔のおじちゃん太っ腹!」太っ腹になるのはお嬢ちゃんだよ。

No.1263
悪魔の仕事はイカサマだ。転んだ者を助けようと手を出すか、それとも笑うか。人間が持つ善意と悪意のバランスを操作するのさ。「悪魔

もっとみる
マイクロノベルちょいす 048「ぴたっとマッチ」

マイクロノベルちょいす 048「ぴたっとマッチ」

No.1205
今時の神は鞄についておる。人々を守るにはこれが一番。虎視眈々と心の隙を狙う悪魔を祓うのじゃ。だが、満員電車で縁の糸が千切れてしまった。もはやここまでか。わらべよ、達者で暮らせ。「あった! あたしの悪魔のぬいぐるみ!!」いや、神様じゃよ?

No.1225
本を買いすぎて人間が暮らすスペースがなくなった? あほか。悪魔の世界を貸してやる。入り口はクローゼットでいいな。この地底世界には

もっとみる
マイクロノベルちょいす 047「お前、脱線してね?」

マイクロノベルちょいす 047「お前、脱線してね?」

No.1187
悪魔も眠るから、安眠の欲は理解できるんだけどさ。枕の素材にそこまでこだわるかねえ。わかってんのか? お前がいま頭を預けてる水袋に入ってるのは、魔界でも珍しい魂を喰らう魚だぞ。まあ、お前の魂は俺がもらったあとだから、失う物はなにもないけどな。

No.1194
多様性が大切なんだよ。犬はワンワンと鳴くけれど、ワンにも色々あってね。喜びのワン。不満を伝えるワン。甘えるワン。猫ならニャー

もっとみる
マイクロノベルちょいす 043「来るな触るな近寄るな」

マイクロノベルちょいす 043「来るな触るな近寄るな」

No.1172
むかーし、流行ったんだよ。空に向かって宇宙人を呼ぶんだ。ベントラー、ベントラーって。まさか来ていたとはね。「ずっと不在だったので困っていました」そりゃまあ、段ボール箱に『着払い』って書いてあったら誰も受け取らないよ。今回も受け取り拒否で。

No.1186
あいつらって睡眠時間が短くない? ショートスリーパーってやつなのかな。でもまあ、あいつらはトロトロしてるからな。セカセカ動いて

もっとみる
マイクロノベルちょいす 024「悪魔のわがまま」

マイクロノベルちょいす 024「悪魔のわがまま」

No.1046
悪魔は激怒した。必ず、かの反逆AIを除かねばならぬと決意した。悪魔には芸術がわからぬ。しかし、AIが描いた絵から放たれる悪意には敏感であった。「これは悪魔が描かれている名画から構図や色彩を統計データ化し――」黙れ邪教徒め!!

No.1097
人間よ、知っているか? 神は絶対に語らないが、実は地球は平らなのだ。えっ、知ってるの? マジかよ、まいったな。地球は空洞で中に別世界があるっ

もっとみる
マイクロノベルちょいす 001「悪魔だって悩みます」

マイクロノベルちょいす 001「悪魔だって悩みます」

964
悪魔なのだ! この喋り方か? 現代では悪魔にも思い切ったキャラ付けが必要だと思慮したのだ。パクリ? 悪魔だからいいのだ! 駄目か。じゃあ令嬢っぽい喋り方はいかがですの? 駄目なのか。ちぇっ、頑張って考えたのに。チョコミントアイス食べよう。

982
あとで家に行きますね。契約を終えてぼくはタバコを捨てた。どうしようかな。婆さんの世話をすることになっちゃった。「契約書を破いちゃえよ」それはも

もっとみる