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表現/表現の自由/キャンセルカルチャー

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「表現」「表現の自由」「キャンセルカルチャー」に関するマガジンです。
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記事一覧

渡辺真由子氏の総説論文「性的有害情報の実証学的系譜」への批判

渡辺真由子氏の総説論文「性的有害情報の実証学的系譜」への批判

はじめにインターネット上において、性的表現について論じられる時、しばしば「性的表現の悪影響」が取り上げられ、一部のフェミニストやリベラル知識人たちから規制の強化が必要だと叫ばれる。

その時、頻繁に引用されるのが2012年に渡辺真由子氏が出版した総説論文『性的有害情報に関する実証的研究の系譜~従来メディアからネットまで~』である。例えば、直近でも次のようなツイートがあった。

Twitterで表現

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グラビアアイドルは誰にでもできる仕事じゃない

タイトル読んで、はぁ?当たり前じゃんって多くの人が感じたとは思いますが
これは何もルックスの話をしようっていうのとは違います。
顔が可愛ければとか、おっぱいが大きければできるとかそんなことでは全くありません。

結論から言うと、私にはできないお仕事でした。

何日か前に、若者の間で大人気のタレントさんが「グラビアをやった事本当に本当に後悔している」という旨のツイートをして、たくさんの人にリツイート

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「吉岡里帆はグラビアの仕事が嫌だった」というSNSでの拡散から切り取られた発言全文と、本人が本当の意図を語ったインタビュー

「吉岡里帆はグラビアの仕事が嫌だった」というSNSでの拡散から切り取られた発言全文と、本人が本当の意図を語ったインタビュー

緊急性の高いテーマなので、文章にはこだわらず、要点だけを書きます。
埼玉県施設での水着撮影会の野党からの抗議、そして中止と中止撤回というトラブルにからんで、SNSで以下のようなツイートが拡散しています。

商業誌の仕事と9万弱のフォロワーを持つプロのライターのアカウントですが、記事の一部をスクリーンショットで切り取り、最初のツイートを読んだフォロワーが実際のインタビュー記事にアクセスすることはかな

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「フェミニズムから離れていく若い女子」は何を考えているか?

「フェミニズムから離れていく若い女子」は何を考えているか?

こんにちは。来殿ベルです。

2019年、社会学・ジェンダー研究者で武蔵大学他非常勤講師の高橋幸氏が『「フェミニズム離れ」する若い女子が抱いている違和感の正体』と題した論考を現代ビジネスオンラインで発表でしました。

高橋氏は、2021年にもほぼ同趣旨の主張をシンポジウムで繰り返しています。(こちらのページから氏が作成・使用した資料がダウンロードできます。)

興味深いテーマですが、私自身、まさし

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【ぐお雑記】小山田圭吾を許せない表現規制反対派の皆様へ。

【ぐお雑記】小山田圭吾を許せない表現規制反対派の皆様へ。

今回ははじめに僕の体験談を聞いてください。
僕が中学生の頃にいじめられていたという話です。

20年以上前。当時は今よりもオタク差別が酷かった時期で、加えて僕は気弱で挙動不審気味だった事もあってチンピラ達にいじめられていました。

奴らは僕の行動をいちいち笑いました。

「なんだあの歩き方wwwww」
「なんだあの座り方wwwww」
「なんだあの読んでる本wwwww」

一挙一動全部笑われる為、僕

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表現の自由戦士の界隈に失望した

表現の自由戦士の界隈に失望した

女性BL作家が自著が不健全図書指定を受けたけど基準が明確ではなく自分の著作を18禁指定してゾーニングすること自体は否定してないけど、現状ではBL作品を18禁にすると男性向けのアダルトコーナーに置かねばならないので、
女性がメインの顧客であるから女性客がアダルトコーナーへ立ち入るのは買いにくいだろうし、グレーな基準で指摘される不健全図書指定をなんとか見直してもらいたい、ゾーニングするとしても場所を考

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表現規制反対におけるBL表現愛好家と男性向け表現愛好家の対立について(前編) -表現規制の歴史-

表現規制反対におけるBL表現愛好家と男性向け表現愛好家の対立について(前編) -表現規制の歴史-

こんにちは、あるいはこんばんは。わすれなぐさです。
前回のnoteはかなりビビットな内容でしたが、それなりに読んでいただけたようで安心しました。異論はいつでも受け付けております。誤りがございましたらご指摘いただければ幸いです。

さて、今回のテーマは表題の通り、「表現規制反対におけるBL表現愛好家と男性向け表現愛好家の対立について」です。分かりにくいので回りくどい書き方をやめます。現在進行形で表現

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BL作品と表現の自由活動について

どうも、最弱アンチジェンダークレームのNです。

最近、SNS上の表現の自由界隈において、BL作品のゾーニング等をめぐり、侃々諤々の論争が巻き起こっていますね。
私の意見としては、以下の通りです。

2010年5月の東京都の「非実在青少年」の青少年健全育成条例改正案に反対する集会で、BL作家さんが表現規制反対の声を上げられており、この時点ですでに表現規制がBL作品にも及ぶとの認識から、当事者として

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表現規制反対におけるBL表現愛好家と男性向け表現愛好家の対立について(後編)

表現規制反対におけるBL表現愛好家と男性向け表現愛好家の対立について(後編)

大変長くなりました前半にお付き合いいただきましてありがとうございます。ここからが本題となります。前回記事冒頭にて触れた、「男性向け」愛好家(以下「男性向け勢」)と「BL」愛好家(以下「BL勢」)の対立についてです。

※ 更新履歴は記事末尾へ移動しました。

1. 注意事項

インターネット上、かつ匿名でのやりとりのため、気分が悪くなるような強い表現が多数出てきます。覚悟の上お読みください。また、

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海外諸国の非実在ポルノ規制と性犯罪率

海外諸国の非実在ポルノ規制と性犯罪率

背景 非実在の表現に対する規制が懸念されています。表現規制派は、非実在児童ポルノによって、「未成年に対して性的な犯罪をしてもよい」という社会通念の形成を懸念しているようです。実際に先進国における非実在児童ポルノの規制と性犯罪率の関係を調べてみました。なお、国別の児童の性的虐待のデータの取得が難しかったため、性犯罪率で代用しています。

検証方法 「ポルノと性犯罪の関係」については、すでにいくつも論

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AV新法は自民党公明党が中心ですよ…

ワイ個人はAVなんぞ金払って見るつもり1ミリも無いしクソどうでもいいんですけど、

ツイッターでAV女優の人たちが表現の自由戦士の支持を得てAV新法改正のムーブが起きてフェミとの戦いの軸になってますよね(なってました)。

これ、そもそもは出発点は18歳成人で未成年取り消し権が使えないことに起因するのを理解してなくてフェミがー!フェミがー!って言ってるのもアホっつうか、18歳の意思能力をどう取るか

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表現の自由界隈の内ゲバ(その2)

表現の自由界隈の内ゲバ(その2)

前回はここ

下着ユニバからBL 規制問題へUSJの下着ユニバ事案に続き、決定的に内ゲバで界隈が二分したのが4月にも勃発していたBL規制問題の再燃でした。

今回は火元がどこなのか分からなかったのですが、どうやらUSJ下着ユニバ事案で表現の自由界隈ではUSJパーク内の事はUSJの判断に任せるということでコンセンサスが出来ていたところを

一部のアカウントがAV女優の露出度が高い服を着たいという"お

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