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2024年1月の記事一覧

2023年に最もスタートアップに投資を行ったベンチャーキャピタルは

2023年に最もスタートアップに投資を行ったベンチャーキャピタルは

上記Crunchbaseの記事の題名の通り、2023年に最も投資件数を積み上げたのはアンドリーセン・ホロウィッツだった。ただし、これはシードラウンド以降の3百万米ドル以上の資金調達(つまり大まかにいうとシリーズA以降)におけるランキングである。2年前まではこのランキング上位を独占していたTiger GlobalやSequoia Capitalが消えてしまったことは特筆すべき事項だろう。

アンドリ

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欧米のIPO市場が引き続き低調な中、好調なインドのIPO市場

欧米のIPO市場が引き続き低調な中、好調なインドのIPO市場

https://pitchbook.com/news/articles/india-pe-vc-exits-defy-ipo-slowdown

米国や欧州のIPO市場が引き続き低空飛行する中、インドが躍進しているとの記事を読んだ。インドの2大証券取引所(ボンベイおよびムンバイ)では昨年205社が新規上場を果たしたのだ。

また、インドのIPO総額は2022年を大幅に上回り、PEとVCの支援を受け

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セコイア・キャピタルのファンドパフォーマンスについて

セコイア・キャピタルのファンドパフォーマンスについて

1972年に設立され、これまでApple、Cisco Systems、PayPayl、YouTube等のシリコンバレーの企業の黎明期に投資を行いその成長を支えてきた超名門ベンチャーキャピタルの一つ、Sequoia Capital(セコイア・キャピタル)。

そのファンドパフォーマンスについて詳細が明かされることは少ないが、この度その一端が明かされた記事を発見した。それが冒頭のBusiness In

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防衛関連スタートアップが盛り上がってきそうな予感

防衛関連スタートアップが盛り上がってきそうな予感

先週は奇しくも米国国防省と日本の防衛省で同じようなニュースが報道された。どちらも「防衛関連スタートアップに対するベンチャーマネーの投下が必要」という内容だった。

米国国防省(通称ペンタゴン)が認識している課題として記事で挙げられていたのが、米国の防衛産業は全くイノベーティブではなく最先端技術の導入が遅れていることである。そしてこの課題を解決するためにも、新たなベンチャーキャピタルによる同産業の発

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2023年、米国スタートアップで評価額が下がったセクター、上がったセクター

2023年、米国スタートアップで評価額が下がったセクター、上がったセクター

Pitchbookの記事で、2022年対比で調達額・調達件数・バリュエーション中央値がセクター毎にどの程度変化したか、を示すデータがあったので以下の通りまとめておきたい(対象国:米国)。

調査対象となっているセクター全てにおいて、調達額・調達件数は前年対比で下がっている一方、バリュエーション中央値が上昇したセクターが2つある。それはアグリテックとAI・機械学習のセクターである。

アグリテックは

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2024年、欧米のIPOマーケットは回復するかも知れない(少なくとも欧州は)という記事

2024年、欧米のIPOマーケットは回復するかも知れない(少なくとも欧州は)という記事

ブルームバーグによると、2023年の欧州市場におけるIPOを通じた資金調達額は2022年の220億ドルから140億ドルまで減少した。今年は利下げ期待が高まる中、株式市場は足元対比で好調となり、欧米のIPO市場は回復するとの可能性を膨らませる記事を読んだ。

欧州でIPOが展望される企業としてはDouglas(ドイツの香水小売業者)、Tendam(スペインのファッション小売業者)、Puig(ファッシ

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米国政府高官の天下り先となりつつあるベンチャーキャピタル

米国政府高官の天下り先となりつつあるベンチャーキャピタル

ペンタゴン(米国国防総省)の元長官、Mark T. Esper氏を始め、過去5年で約50名の政府高官がベンチャーキャピタリストに転身した、との興味深い記事を見つけた。

ガザ情勢、ウクライナ情勢、そして台湾情勢を始め地政学リスクが高まる現下、防衛テック(Defense Tech)が米国のベンチャーキャピタル投資においても急速に注目を浴びつつある。こうした中、防衛テックを投資テーマとするベンチャーキ

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