永井健太

小学校教員

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最近の記事

4 課題の分離

岸見一郎さんの『嫌われる勇気』と『幸せになる勇気』を参考に、アドラー心理学を生かして教師としての在り方を見直そうとするためのnoteです。 前回は「対等な関係」という視点から教師の在り方を見直すための記事を書きました。 今回は「課題の分離」というアドラー心理学において大切な考え方をどのように教師としての在り方に適用するのかを書いてみようと思います。 課題の分離とは 本書の中に「馬を水辺に連れて行くことはできても水を飲ませることはできない」という言葉が紹介されています。

    • #12 主体的に学習に取り組む態度の評価

      小林先生のnoteを読み、自分も色々と考えました。小学校社会科からしか書くことはできませんが、今考えたことをまとめておこうと思います。 小学校社会科における主体的に学習に取り組む態度について国研の指導との評価一体化の資料を基に考えてみようと思います。単元の評価規準作成のポイントの中に、「学習過程に沿って、①社会的事象について、予想や学習計画を立て、学習を振り返ったり見直したりして、学習問題を追究・解決しようとしているか② よりよい社会を考え学習したことを社会生活に生かそうと

      • 3 対等な関係

        岸見一郎さんの『嫌われる勇気』と『幸せになる勇気』を参考に、アドラー心理学を生かして教師としての在り方を見直そうとするためのnoteです。 前回は目的論とライフスタイルという視点から教師の在り方をみる記事を書きました。 今回は僕が子どもたちと接する上で大切にしている”対等な関係”について書いてみようと思います。 劣等コンプレックスと優越コンプレックス 対等な関係について述べるにあたって、この劣等コンプレックスと優越コンプレックスについて簡単に触れておく必要があります。

        • 2 目的論とライフスタイル

          岸見一郎さんの『嫌われる勇気』と『幸せになる勇気』を参考に、アドラー心理学を生かして教師としての在り方を見直そうとするためのnoteです。 今回は、前回の記事 https://note.com/nagaken/n/n29c44788d30b で書いた「叱る」ことに依存していた自分について、目的論とライフスタイルというアドラーの考え方を基に解説してみようと思います。 「忙しくて◯◯できない」 目的論について分かりやすく説明するために、かつて私が陥ってしまった思考のサイクル

        4 課題の分離

          1 「叱る」を手放す

          岸見一郎さんの『嫌われる勇気』と『幸せになる勇気』を参考に、アドラー心理学を生かして教師としての在り方を見直そうとするためのnoteです。 自分の学級経営を振り返った時に、土台にあるのがアドラー心理学だと感じ、少しまとめてみようと思いました。アドラー心理学について書かれた本の中で一番わかりやすいと思うのは岸見一郎先生の書籍で、中でも「嫌われる勇気」と「幸せになる勇気」は何度も読み返す本です。この本を教科書にしながら数回に分けてまとめてみたいと思います。今回は自分がアドラー心

          1 「叱る」を手放す

          #11 サークルの在り方

          華金の夜20時にオンラインで開催したサークルには共同代表である友人と僕を含めた5人が集まった。久しぶりの5日勤務で疲れMAXの金曜日に5人も集まったことが何より嬉しい。お一人の方はわざわざ欠席の連絡をくださった。 さて、僕と友人以外には、毎回参加してくれる先生、今回初めて参加してくださった先生、そして飲み会後に参加してくれた先生の3人がいた。 ゆるゆるがモットーのサークルでも一応はテーマがあって、今回は来年度やりたいこと(やろうと思うこと)と設定していた。そして、それぞれ

          #11 サークルの在り方

          #10 場のデザイン

          これまでの自分の実践を振り返ったり、記録を読み返したりして気付いたのは、自分は場をデザインすることに関心があり、「どのような場をつくれば自分も他者も心地よくいることができるのか」や「その場にいる人たちが安心して関わりあうようにするにはどのようなことが必要なのか」ということを追究してきたということです。そこで、これまでの試行錯誤を物理的なデザインと心理的なデザインという2つの視点から整理してみます。(もしこの文章を読まれた方でこの内容に明るい方がいらっしゃったらぜひご連絡いただ

          #10 場のデザイン

          #9 習い事のサプリメント化

          子どもたちの習い事がただの趣味や学びの場を超え、「サプリメント化」していると感じることが多い。まるで栄養補給のために摂取するサプリメントのように、親が不足していると判断した内容を子どもたちに身につけさせる手段として、多様な習い事が用いられているように思う。 先日、スイミングで立ち話をしているお母さんの声が耳の中に入ってきた。「英語はしているから心配ないけれど、体操もさせといた方がいいかな。」とか「放っておいたら体動かさないから体操教室行かせてる。」みたいな内容が耳に引っかか

          #9 習い事のサプリメント化

          #8 札幌へ

          札幌新陽高等学校を視察させていただきました。朝打ち合わせの様子を見学した後、赤司展子校長先生のお話をお聞きし、さらに校内を案内していただくというとても贅沢な時間でした。 【朝打ち合わせ】 フリーアドレスの職員室では、打ち合わせ開始時刻前から先生方のコミュニケーションがとられていました。忙しい様子でしたが雰囲気はよく、笑顔の先生もいらっしゃいました。教頭先生の進行のもとスムーズに全体連絡が行われ、その後は学年や縦割り担当などに分かれて、連絡事項の共有が行われていました。わずか

          #8 札幌へ

          #7 一筆箋を渡す

          4月から一筆箋渡すという取り組みを続けることができている。その日の日直さんに渡すことにしてから、忘れることなく、偏りなく渡せている。子どもたちも一筆箋をもらうことを楽しみにしているようで、日直の子に「◯◯さん、連絡帳貸して。」と伝えると嬉しそうに持ってきてくれる。保護者の方からお返事をもらうこともあり、忙しい1日の中でほっこりする時間となっている。改めて、なぜこの一筆箋を続けるのかを考えてみた。子どもが喜ぶから。親子とのコミュニケーションツールとなるから。など、色々と考えられ

          #7 一筆箋を渡す

          #6 スポーツフェスティバルを終えて

          先週のスポーツフェスティバルを終え、その代休の翌日、子どもたちがどのような様子で教室に入ってくるのかと興味深くみていた。大きな行事の後はお互い燃え尽きてしまって、ダラっとした空気が流れてしまうということを経験したこともあるが、そのような感じはなく、むしろパワー全開で向かってきてくれた。負けてられないなとこちらもギアを入れ直した火曜日だった。 その日の学活で、スポーツフェスティバルの振り返りをテーマにサークルトークを行った。子どもたちからは「来年は優勝したい」とか「高学年にな

          #6 スポーツフェスティバルを終えて

          #5 応援団から考える求められる教師像

          応援団の指導を担当したのは10年ぶりだ。初任校で3年間連続で指導を担当してそれ以来だった。当時の指導は「憧れ(伝統)の継承」という言葉がしっくりくる。まず、運動会の花形である応援団には多くの児童が立候補し、高い倍率を通過して参加してくる。彼らの中には、数年間憧れを抱いていた先輩応援団のかっこいい姿がイメージとしてあり、それが共有されている。教師はそんな応援団をまとめ、ぐいぐい引っ張るリーダーとして存在していた。これまでの応援団の姿を今年も、いや上回ろうと厳しく指導にあたった。

          #5 応援団から考える求められる教師像

          #4 上司の振る舞い

          教室において、教師の言動が子どもたちに影響を与えるように、職員室においても上司の働く姿が、後輩教員にとってのモデルとなる。 さて先日、ある上司の姿を見てすごいと感じた。教員室では「しんどいな」という類のネガティブな発言をしている上司が子どもたちの前に立った瞬間にギアが入って別人のようにハツラツとたち振る舞っていた。授業なんかはエネルギーを1%も残さないくらいの勢いで話している。勝ち負けはないけれど、負けたと感じた。 なんだか、マラソン大会で「一緒にゆっくり走ろうな」と言っ

          #4 上司の振る舞い

          #3 自立した学習者

          自立した学習者を育てることを念頭において教育にあたってきた。自分の好きなことについて追究し続ける姿やその中で未知のことに出合った時に粘り強く解決を目指す姿をイメージしている。大人になっても仕事以外の時間に学んだり、自己研鑽に励んだりすることに繋がるだろう。学び続ける人としての素材を養うことができればいいと考えている。 このことにについて、僕が尊敬する方にお話したところ、その背景や思想が見えた方がいいと助言をいただいた。その言葉を受け取り、きれいでつるつるな「自立した学習者を

          #3 自立した学習者

          #2 ゆるゆるサークル

          友人とつくったゆるゆる教育サークルの活動が4年目に入って数ヶ月が経った。誰でも気軽に参加しインプット・アウトプットできる場をつくるというスタンスを変えることなく、月1のペースでゆるゆると走らせてきた。コロナによってオンラインでの実施が増えたが、それでも参加してくださる方々にとって心地よい場になれば良いと思い、友人と共に(友人のリードで)頑張っている。 さて、今朝もオンラインでサークルを実施し、「この夏にやったこと、学んだこと」というテーマで、参加者全員にアウトプットしてもら

          #2 ゆるゆるサークル

          #1 転職

          転職して4ヶ月。新しい学校で何とか1学期を乗り切ることができた。色々な方が「1学期どうだった?」と声をかけてくださり、僕はその優しさに応えたかったのだけれど、この問いかけに対して何と答えればよいのかが分からないというか、しっくりくる言葉を見つけることができずに結局、「楽しくやらせてもらってます」みたいなことしか言えずにいた。 先日、大阪市に勤めておられる(おられた)先生方との飲み会があり、話を聞きながら自分の学びの足跡を振り返っていた。そこで思い出されたシーンはどれも小教研