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📕39 人はみな大河の一滴に過ぎない。

大河の一滴

著者
五木寛之
1932年福岡県生まれ。代表作に『戒厳令の夜』『風の王国』。第一エッセイ集『風に吹かれて』など。


読了日
10/21

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📕内容📕

なんとか前向きに生きたいと思う。しかし、プラス思考はそう続かない。頑張ることにはもう疲れてしまった―。そういう人々へむけて、著者は静かに語ろうとする。「いまこそ、人生は苦しみと絶望の連続だと、あきらめることからはじめよう」「傷みや苦痛を敵視して闘うのはよそう。ブッダも親鸞も、究極のマイナス思考から出発したのだ」と。この一冊をひもとくことで、すべての読者の心に真の勇気と生きる希望がわいてくる感動の大ロングセラー、ついに文庫で登場。


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🍀言葉🍀

人生は苦しみと絶望の連続である。

なにも期待しないという覚悟で生きる。

記録は消えても記憶は残る。

人はみな大河の一滴。

「天上天下唯我独尊」。全宇宙でただひとり、誰とも同じではない唯一無二の自己であるからこそ、この自分の存在は尊いのだ。

人間の一生というものはそれぞれが、かけがえのない一生なのであって、それに松とか竹とか梅とかランクを付けるのは間違っているのではないか。

何もやらなくてもよい、失敗した人生であってもよい、それはそれで、人間として生まれてきて、そして人間として死んでいく。人間は生まれてきて、生き続けてきて、生きている存在。そこにまず人間の1番大きな価値がある。

人間というのは、たった1人で生きているのではなく、多数の人間との一体感を求めて生きているのだ。

みんながスポーツの行方に対して一喜一憂しながら、つまり他人が、二人とか三人ではなく、百人、千人、万人という人たちが全部、なにか同じ心にとけあって、今ここに存在している。熱い興奮がそこにあって、それを求めて人々はスポーツに熱中するのではないか。

光があれば影があり、プラスがあればマイナスがある。生があれば必ず死がある。

言葉で相手を生かすも殺すも、使い手しだい。

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⭐️1%のかけら⭐️

冒頭、著者は「人間は誰でも本当は死と隣り合わせで生きている。(中略)私たちはいつもすれすれのところで際どく生きているのだ。」と語っている。

「人はみな大河の一滴」
それは、小さな一滴の水の粒にすきないが、大きな水の流れをかたちづくる一滴であり、永遠の時間に向かって動いていくリズムの一部。


「人生は苦しみと絶望の連続である」。

現実の人生は決して楽しいだけのものではない。
と覚悟を決めることで、「こころ萎え」た日々から立ち直す術を教授している一冊である。

死は万人にセットされている。

この世に生まれてきたからには必ず訪れるものであり、人は生まれたその日から、死という場所へ歩きつづけるのが私たちの人生である。


そんな中、今という時代を、瞬間をどう生きるのか。

自分の命の尊さ、重さ、貴重な生命という実感し、命を大事に扱うことが大切。

それと同時に、1日1日に生きがいを、手応えを感じ、ギラギラした輝いた日々を過ごすような人生を送るべきである。

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