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五カ国目 ブルネイ・ダルサラーム国

※2024年1月13日〜2024年1月14日滞在時の現地情報
※本紀行は私自身の主観に基づいており、正確性は保証できかねます


2024年1月13日(12日目)

ブルネイ・ダルサラームとは

ブルネイという国について聞いたことがあるだろうか。東南アジアに位置し、国境をマレーシアと接し、インドネシアにも近い国だ。

多くの人が知らないかもしれないが、実は東京から6時間でアクセスできる最高のリゾート地なのだ。私の投稿を通じて少しでもブルネイの実情を感じていただければと思う。

私は深夜12時にホテルに到着し、翌朝3時に目覚めてジャカルタを6時に出発した。ブルネイ唯一の航空会社であるブルネイロイヤルの便で2時間半かけて、バンダルスリブガワンというブルネイの首都に到着。

ブルネイ・ロイヤル航空、名前に相応しい上品で洗練された雰囲気だった

アラビア風の文字が並ぶ空港を歩きながら、今回お世話になる友人に紹介していただいたブルネイ現地の方を待っていた。

空港の隣には大きなモスクがあり、ブルネイでは国民の8割がムスリムで、イスラム教が国教となっている。ただし、厳格な雰囲気はなく、他の宗教も仏教徒やキリスト教徒などが共存しているようだ。

彼と合流すると、早速地元で有名で美味しいチキンライスの店に連れて行っていただいた。彼の友人も同席し、初対面の4人のブルネイ人と一緒に食事することになり、正直なところ、少し緊張した(笑)。

その4人は全員が教師であり、教育者はブルネイにおいて非常に尊敬され、人気が高く、高給かつ社会的な地位も高いらしい。今回の旅でインドネシアでも教育について考えさせられたが、ブルネイでは公教育が非常に発展しており、英語教育や留学プログラムなども進んでいるようだ。

仲良し4人の先生方に囲まれる私、ブルネイも色んなルーツの方がいる

豊かで安全で幸せな国ブルネイ

ブルネイは面積が三重県ほどであり、人口は三重県の4分の1ほどの約44万人。日本から見ればかなり小さい国である。

だが、石油や天然ガスなどの天然資源に恵まれており、経済的には非常に裕福な国である。国全体の経済規模を人口で割った一人当たりGDPは3万4400ドル(509万円)であり、これは日本の3万3900ドル(501万円)を僅かに上回っている。これは驚きだろう。

これまで訪れた東南アジアとは異なり、首都でものんびりとした静けさが漂っており、モスクなどの厳かな雰囲気の建物が街中に広がっている。日本製の普通乗用車が主流で、道路を走る車はバイクや公共交通機関のバスはほとんど見受けられなかった。

彼がまず案内してくれたのは、「ロイヤル・レガリア博物館」と呼ばれるブルネイ王室の博物館だった。ブルネイは立憲君主制とも絶対君主制ともいえる国で、ハサナル・ボルキア国王が国家元首として君臨している。国王は現在56年間も在位しており、国民からは大いにリスペクトされている。

日本社会とは大きく異なる社会構造だが、王様がなぜ尊敬されているかというと、その富で国民の教育費や医療費、生活費の一部を支えているからだと言える。病院で治療を受ける場合でも、王様がその費用を負担し、領収書に署名をするだけで手続きが済むというのが一つの理由である。

王様が国民のために働き、富を使っているおかげで、ブルネイの国民は豊かで安全で幸せな生活を享受している。父にこの話をしたところ、それはまるでブータンが世界一幸せな国と称される理由を思い起こさせると言っていました。

博物館にあった宮殿の模型、ブルネイの国王は世界で最も裕福な王様の一人だ

世界最高峰7つ星ホテル「The Empire Brunei」

世界には7つ星ホテルと呼ばれるホテルが2つだけ存在する。1つはUAEのドバイにあるブルジュ・アル・アラブ、もう1つはブルネイにありジ・エンパイア・ブルネイである。

ここでアフタヌーンティーとサンセットを楽しむことが、ブルネイ女子旅の定番だということで、連れて行ってもらうことにした。実はこの場所に来る途中で、台湾から来た観光客も同行し、結局は4人のパーティとなった。今日は初対面のオンパレードだ。

ジ・エンパイア・ブルネイは非常に格式高く、最も相応しい表現は「豪華」だろう。残念ながらスコールに降られてしまい、サンセットを見ることはかなわなかったが、美味しいスイーツを堪能し、ホテル内も見学して、本当に満足できる時間を過ごした。

館内で品のある日本人の老夫婦を見かけ、いつかここで素敵なひと時を過ごせたらと妄想が広がる。とりあえず今は、iPhoneで写真を撮ってニヤニヤするぐらいしかできないが。

余談だが、私がこのホテルに訪れた日に、同じ場所をインドネシアのジョコ大統領が訪れたという。私もインドネシアから来ていたので、なんとも奇跡的な瞬間だった。大統領にはお会いすることはできなかったが、何か大きなご縁を感じた瞬間だった。

館内に佇む美しい柱に魅了され、その優雅で壮麗な姿に見とれていた瞬間

最後の最後まで充実、ブルネイ料理を堪能

他にもブルネイ・ダルサラーム大学(UDB)やモスクを訪れ、最後にブルネイの国民的な料理である「Ambuyat(アンブヤ)」を味わうことに。

タピオカのようなモチモチした食感を箸でクルクルと巻き、それをソースやドリアンにつけて食べるという、非常に独特な食べ方ですが、これがまた絶品。ソースには酸味や辛さがあり、好みは分かれるが、その食感を含めて非常に美味しかった。

ブルネイの国民食「アンブヤ」左のモチモチをクルクルしてソースにつけて食べる

台湾から来たお二人も非常に満足しており、一期一会とはこういう瞬間のことなのだろうと感じていた。ただ、初対面の私になぜこれほどおもてなしをしてくださるのか、彼に尋ねてみた。

彼は「学生の時に出会った日本人が私に贈ってくれた本に心を打たれてね。そしてその方は『謙虚に。人に奉仕して良い人になりなさい』と教えてくれたんです。それが私の人生を変えてくれた。」と言った。

そして、「どうか、ブルネイに対して偏った見方をしないでほしい。イスラム教ではないし、マレー系でもない人々がたくさんいます。お酒も飲めるし、観光スポットもたくさんあります。多様性に富んだ国だから。」と続けた。これは本当に私が誤解していたことだ。

ブルネイは小国と書いたが、44万人もいれば44万通りの人生と生活様式がある。一括りにしてしまうとその国の本当の姿を見逃してしまうことになり、現地に足を運んで地元の人々と交流しなければ、真実は分からないのだ。

ある詩人が「旅をすることは、他国に対する間違った認識に気づくことである」と言った。私もそれを痛感した。

ブルネイのことも台湾のことも教えてもらった、ちなみに彼は英語・マレー語に加えて中国語・日本語も話す

2024年1月14日(13日目)

疲労困憊、そして日本へ

彼に空港まで送っていただき、最後の最後まで付き添ってくださった。本当にどうして感謝を表すべきなのだろか。いつかこの恩を本人にも返したいし、自らおもてなしをする立場になった時、多くのことを活かせると思った。

空港に到着すると急激に眠気と疲れが襲ってきた。今朝3時からずっと観光中で、そろそろ限界だ。飛行機は24:50発で、成田までの所要時間は5時間40分。何とか飛行機の中で深い眠りにつき、成田から自宅までの帰路で体力を回復させたい。

しかし思えば、もうこれでしばらく外国とはお別れだ。13日間で5カ国を巡り、正直言って無茶すぎた。通常の人が一生かけて訪れるであろう場所を、私は13日間で周ったのだ。さすがに無謀な冒険だった。だが、あと数時間も経てば日常が戻ってくる。なんなら翌々日は仕事だ。

もう一度おさらい、神奈川→大阪→上海→シンガポール→マレーシア→インドネシア→ブルネイ→東京、これをたった13日間で周った

ブルネイ発のロイヤルブルネイ航空の成田便は、控えめに言って最高だった。これまでさまざまな航空会社を利用してきたが、エコノミークラスでもCAさんの気配りが行き届いており、何より機内食のチキンライスがとても美味しかった。

窓際の席を予約していたが、隣の2席が空いていたので、肘掛けをしまってベッドのように横になることができた。これはビジネスクラスでもできないだろう。

日本に着く直前、着陸の準備が始まる旨のアナウンスがあり、目を覚ました。窓の外を見ると、高度1万メートルの朝焼けが美しく広がっていたのだ。それはまるで13日間の旅を賞賛してくれているかのようにも見え、日本が暖かく出迎えてくれているかのようにも感じられた。

この旅はもうすぐ終わる。
でもここから決意を新たにした1日1日が始まる。
2024年も良い年になりそうだ。

成田空港に着く直前、朝6時頃の朝焼け、12日ぶりに日本に帰ってきた

次はこちら、ぜひ最後までご一読いただきたい

前回の冒険はこちら


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