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#詩

人工太陽

 新しい太陽が昇ったらしい

 ニュースでその話を聞いたとき

 お母さんが喜んだ お父さんも喜んだ つられて私も喜んだ

 新しいタイプの太陽だ これまでなかった太陽だ

 すごいぞすごい みんな大喜び

 そんな中 ある人が言った

 この太陽もいつか沈むんだ

 古い太陽が今まさに沈んでいるところだ

 人はみんな彼を非難した

 なんでそんなことを言うんだ

 人の権利を侵害するな

 お

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皆がオリンピックで盛り上がっていると

 私はどこかに取り残されたような気持ちになる。

 両親はこのところずっとテレビの前で騒いでいる。父も母も、珍しく仲良しだ。
 あの選手がどうとかあの審判がどうとか、そんなくだらないことで一喜一憂している。日本の選手を応援しているけど、なんで会ったこともない人を、ただ自国の選手だからという理由で贔屓できるのか私にはよく分からなかった。どこの国の選手だろうと、その真剣な気持ちは変わらないだろうに。

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心の底からやりたいこと

「あなたは何がしたいの?」
「楽しくて、幸せなこと」
「具体的には?」
「ううん」
「分からないの?」
「分からなくはない。楽しいは、楽しい。幸せは、幸せだから」
「何をやったら楽しくなるの?」
「好きな人と、一緒にいたら、楽しい」
「好きな人って、誰?」
「今はいない」
「昔はいたの?」
「昔はみんなが好きだった」
「どうして好きじゃなくなったの?」
「みんなが私を好きじゃなくなったから」
「ど

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絶望の歌

何をやってもうまくいかない

何をやっても楽しくない

やるべきこともなければやりたいこともない

何をやってもうまくいかない

何をやっても楽しくない

やるべきこともなければやりたいこともない

なんでこんな言葉を見せつけるのかって?

理由なんてないさ

ただ私は私の苦しみを終わらせたいから

文字に乗せて誤魔化しているのさ

結局言葉は身代わりなんだ

私の代わりに苦しんでくれる

私が苦

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夏が好きだ―!

 私はそもそも体育系の人間じゃないし、基本的には読書大好きインドア派で、人がたくさんいるところは嫌い。
 でも、太陽は好き。お外で暴れ回るのは大好き。ボール蹴って追いかけるのも好き。(私は小学生のころ男子に混ざってサッカーをするのが好きだった。我ながらけっこう上手だったと思う。一番うまい子からボール取ったりできたし)
 公園で遊んでる少年たちに声をかけて混ぜてもらいたいと最近真剣に思ってる。でも不

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存在の歌

 僕らは別々の道の上を歩く

 友よ 僕らの道は交わることさえなかった

 それでも僕は知っている

 君がそこにいるということを

 それでも君は知っている

 僕がそこにいるということを

 僕らはそれだけで十分なんだ

 たとえ君が僕を理解できなくても

 たとえ僕が君を理解できなくても

 たとえ君が僕を誤解してしまっても

 たとえ僕が君を誤解してしまっても

 僕らが同じ時代を生きてい

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悲観主義の歌

――明るい悲観主義を歌った人を私はまだ知らない

 世界は滅びに向かっている

 人々は自分と家族のことだけを考え

 社会に対する責任も

 人生に対する誠実さも失っている

 天命や神を信じている人はもはや馬鹿か狂人だけ

 そんな時代じゃ信心深い我々は

 息をするので精いっぱいだ

 さてそんな我々の萎えた両足を活気づけるのは

 不本意ながらも楽しい踊り

 軽やかな音楽と

 愉しいフ

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05/23

自分に向き合うことにも疲れちゃったなぁと

過去を振り返ってもなんだかよくわからないし

結局あるのは大きな画面のデスクトップパソコンと、手垢にまみれたキーボードとマウス ほんとこれ掃除しないといけない

キーの印字はすり減っている それに人生なんかを重ねちゃって、ちょっと寂しい気持ちになる

いっときのことなら難しくない 継続するのができないんだ
それは私が子供だからなのか、それともそういう性分

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泥棒

綺麗な言葉を探しては
メモ帳取り出し書きつける
何に使うつもりでもなく
頭の中にしまい込むだけ
忘れてしまっても構わない
どうせ盗んだものだから
おれはどうせ何もできない
そんなことを思いながら
どこで盗んだのかも分からない
おかしな言葉は吐き出して
有能だって悦に浸る

それがおれたち言葉泥棒
何も知らない何も言えない
それでもなんだか正しい気がして
!なんてつけてみる
伝わるかなって試してみち

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耐えるだけの人生か

好きな人とお茶を飲んで
再上映はお気に入りの映画
ユーチューブを見て笑うのも
全部全部
その場しのぎなのかな
全ては過ぎ去っていくから
私たちは忘れていく
去年の今頃どうしていたかな
来年の今頃何を考えているのかな
私たちのしていることに意味はあるのかな
きっとないんだろうな
それだけはきっと確かだから

私たちは幸福になりたい
でも幸福が何か分からないから
とりあえずお金を欲しがった

私たちは

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何も考えてない

私は何も考えてない
何も知らないし 何も興味ない
何も分からないし 全部がつまらない
明日のことなんて何もないし
何にも分からないし 分からないままでいいし
嫌いでもないし好きでもない
ただ穏やかに 時が流れていくだけ
目標もいらないし 楽しみもいらないし
ただ終わるその時を待っている
一生懸命になりたくないし
懸ける命も残ってないみたいだし
全部終わっちゃったのかな 私
それなら楽なのにな
あぁ

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「死にたい」を殺さないで

 私はこの世にうんざりする人が増えればいいと思う

 「今」を否定する人が増えればいいと思う

 そうすれば私たちは何かを変えることができる

 何かを変えようと立ち上がることができる

 ひとりじゃ何もできないから

 ひとりじゃ死ぬことくらいしかできないから

 一緒に死んでくれる人を探してる

 一緒に地獄に落ちてくれる人を探してる

 そうやってまた私は眠り

 朝起きて学校に行く

ただ純粋に自己であれ

 意識的に紡がれた言葉には、人の心に直接訴えかけるほどの力はない。
 論理や自我はしょせん、その人間の行動を補助するための機能、つまり自己のための道具に過ぎない。
 道具が主体となって創られたものに、何の価値があるだろうか? いつだって最高級品は、機械工業によって産み出されたものではなく、職人の繊細な手によって産み出された技術と偶然と意志の結晶。
 論理は外側を支える補助輪に過ぎない。軸になるのは

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思い出したこと

 演じきってみせるよ
 この嘘と
 祈りを胸に秘めて

 どうか世界の色に
 私の色が残りますように

 この悲しみが
 意味のあるものとなりますように

 伝わらない事にも慣れてしまって
 それでも声はまだ枯れてないんだ

 言いたいことはまだたくさんあって
 傷つけたいんじゃなくて
 ただ愛したいだけなんだ
 癒したいだけなんだ

 私は教えてあげたいの
 他でもない私自身に

 世界がまだま

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