畑中修介

音楽好き(特にインディーロック/エモ)

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記事一覧

【来日決定】American Footballの音楽を聴き直す

 EMO界のリビング・レジェンド、American Footballの来日が決定した。  歴史的名盤であるデビュー作(LP1)の25周年記念ツアーの一貫とのこと。  コロナ影響によって単…

畑中修介
1日前
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【解散発表】Mew名曲Best10

 デンマークが誇るオルタナティブ・ロックバンドMewが、結成30周年となる2025年、解散することを発表した。  『明日ニュースがあります』なんてアナウンスされた時点で…

畑中修介
8日前
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2024.8.4 宇多田ヒカル Science Fiction Tour@代々木国立競技場第一体育館

 先日、デビュー25周年を記念したベスト盤、"Science Fiction"を引っ提げてのツアーの全日程が終了した。  私は、2018年に行われた前回のツアー"Laughter In The Dark"…

畑中修介
2週間前
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【厳選】EMOバンド名鑑

 EMOの歴史において個人的に最も重要だと思うバンドを30組厳選し、簡単なプロフィールとともに、各バンドにおいて最もエモいと思う1曲を貼っていく。 ◇ No.01 Sunny Da…

畑中修介
3週間前
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グラスゴーのベテラン、TRAVISの音楽を聴き直す

 先日10枚目となる新作『L.A.Times』をリリースしたばかりのTRAVIS。  個人的に、このバンドへの思い入れは強い。  高1の頃にベスト盤をレンタルして聴いてみたが全く…

畑中修介
2か月前
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Winnie "Nostalgic Evolution" (2014)

 00年代の国内インディーシーン、とりわけ90'sのEMOから影響を受けているバンド達が好きだった。  EMO+ブリットポップなOCEANLANEを筆頭に、 MineralやGloria Recordを…

畑中修介
2か月前
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Sondre Lerche "Two Way Monologue" (2004)

 Sondre Lerche (ソンドレ・ラルケ)は、地元ノルウェーにおいて絶大な人気を誇るシンガーソングライターである。  2022年には、ノルウェーのグラミー賞である"Spelleman…

畑中修介
2か月前
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2024上半期 新譜レビュー

 今年も早いもので半分が経過した。  良かったものから期待外れだったものまで、気になったものをランダムにレビューしていく。 ◾️ヘッドライナー級の大物  ビッグ…

畑中修介
2か月前
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スウェーデンの伝説的ロックバンドKentの歴史を知るための名曲20選

 かつてスウェーデンで国民的人気を誇り、2016年に惜しまれつつも解散した伝説的ロックバンド、Kentをご存知だろうか。今回は、私が敬愛してやまないKentの数々の名曲の中…

畑中修介
3か月前
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Kings Of Leon全アルバム聴いてみた

 The Nationalなどもそうだが、キングス・オブ・レオンもまた、海外での人気と日本での知名度が最も大きく乖離しているバンドの代表格だろう。  かく言う私も、その乖離…

畑中修介
4か月前
19

2024.04.14 STARMARKET 30th Anniversary Tour@今池Huck Finn

 世界一好きなバンドのライブを観てきた。  前回の2019年の再結成ツアーが一生に一度の機会かと思っていたが、まさか再びスウェーデンから来てくれるとは。  更に、20…

畑中修介
5か月前
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Vampire Weekend 全アルバム聴いてみた

 5年ぶりとなる5th"Only God Was Above Us"をリリースしたばかりのヴァンパイア・ウィークエンド。  個人的に、彼らの音楽は2008年頃にデビュー作を少し齧った程度で、…

畑中修介
5か月前
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"SCIENCE FICTION" 収録曲から辿る宇多田ヒカル25年の軌跡

 デビュー25周年を記念したベスト盤『SCIENCE FICTION』のリリースと、『Laughter In The Dark Tour 2018』以来6年ぶりとなる全国ツアーの開催を発表した宇多田ヒカル。 …

畑中修介
6か月前
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ハードコアパンクとEMOの邂逅 The Coastguards『I Refuse』(2014)

The Coastguards(ザ・コーストガーズ)は、千葉県柏市を拠点に活動する、メロディック・ハードコアバンドである。  彼らが参照する音楽は、Dag NastyやLifetimeといった80…

畑中修介
6か月前
18

カナダの大所帯バンドBroken Social Sceneの音楽を聴き直す

 ここ最近、3ヶ月前にリリースされたKevin Drewのソロアルバム『Aging』をよく聴いている。  Kevin Drewといえば、カナダの大所帯バンドBroken Social Scene(以下、"BSS…

畑中修介
7か月前
6

Aiming For Enrike『Music For Working Out』(2020)

 Aiming For Enrikeというバンドを紹介する際によく用いられる、『ノルウェーの爆裂マスロックデュオ』というキャッチコピーがとても気に入っている。  『爆裂』という…

畑中修介
7か月前
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【来日決定】American Footballの音楽を聴き直す

【来日決定】American Footballの音楽を聴き直す

 EMO界のリビング・レジェンド、American Footballの来日が決定した。

 歴史的名盤であるデビュー作(LP1)の25周年記念ツアーの一貫とのこと。

 コロナ影響によって単独公演がキャンセルとなった経緯もあり、フジロック'19以来、6年ぶりの来日ということになる。



◾️プロフィール
活動期間:1997年〜2000年、2014年〜現在
活動拠点:アメリカ🇺🇸イリノイ州

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【解散発表】Mew名曲Best10

【解散発表】Mew名曲Best10

 デンマークが誇るオルタナティブ・ロックバンドMewが、結成30周年となる2025年、解散することを発表した。

 『明日ニュースがあります』なんてアナウンスされた時点では、『何だろう新作かな』『ロッキンオンソニックで来日あるかな』なんて考えながら楽しみにしていたのだが、蓋を開けてみたらまさかの解散発表に落胆。

 現時点でアナウンスされているのは、5月にデンマークで行われるライブのみ。果たしてワ

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2024.8.4 宇多田ヒカル Science Fiction Tour@代々木国立競技場第一体育館

2024.8.4 宇多田ヒカル Science Fiction Tour@代々木国立競技場第一体育館

 先日、デビュー25周年を記念したベスト盤、"Science Fiction"を引っ提げてのツアーの全日程が終了した。

 私は、2018年に行われた前回のツアー"Laughter In The Dark"に続いて2度目の参加となった。

 前回は幕張メッセでの参加だったが、最も後方のエリアで、実物の宇多田は豆粒のような小ささでしか視認できず、ほとんどステージ脇のモニターに映し出される姿ばかりを見

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【厳選】EMOバンド名鑑

【厳選】EMOバンド名鑑

 EMOの歴史において個人的に最も重要だと思うバンドを30組厳選し、簡単なプロフィールとともに、各バンドにおいて最もエモいと思う1曲を貼っていく。



No.01 Sunny Day Real Estate

結成年:1992年
代表作:『Diary』(1994)
    『The Rising Tide』(2000)

Sub Popレーベルからリリースしたデビュー作『Diary』によって

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グラスゴーのベテラン、TRAVISの音楽を聴き直す

グラスゴーのベテラン、TRAVISの音楽を聴き直す

 先日10枚目となる新作『L.A.Times』をリリースしたばかりのTRAVIS。

 個人的に、このバンドへの思い入れは強い。

 高1の頃にベスト盤をレンタルして聴いてみたが全く良さが分からず、その後暫くはポップパンクなど分かり易い刺激をくれるファストな音楽ばかり聴いていたのだが、1年ほど経過し何気なく聴き直してみると、雷に打たれたように良さが分かり、急いで5th『The Boy With N

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Winnie "Nostalgic Evolution" (2014)

Winnie "Nostalgic Evolution" (2014)

 00年代の国内インディーシーン、とりわけ90'sのEMOから影響を受けているバンド達が好きだった。

 EMO+ブリットポップなOCEANLANEを筆頭に、 MineralやGloria Recordを彷彿とさせる柏のBuddhistson、 ゲットアップキッズの熱烈フォロワーである青森のLocal Sound Style、 Pizza of Deathでは異色のパワーポップサウンドを鳴らしてい

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Sondre Lerche "Two Way Monologue" (2004)

Sondre Lerche "Two Way Monologue" (2004)

 Sondre Lerche (ソンドレ・ラルケ)は、地元ノルウェーにおいて絶大な人気を誇るシンガーソングライターである。

 2022年には、ノルウェーのグラミー賞である"Spellemannprisen"において、Alternative Pop/Rock Albumの最優秀賞を受賞している。

 レコーディング当時19歳の若さでリリースしたデビュー作、"Faces Down"でノルウェーグラ

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2024上半期 新譜レビュー

2024上半期 新譜レビュー

 今年も早いもので半分が経過した。

 良かったものから期待外れだったものまで、気になったものをランダムにレビューしていく。

◾️ヘッドライナー級の大物

 ビッグネームでまず名前を挙げたいのはThe Smileの2nd『Wall of Eyes』。'22年の前作『A Light For Attracting Attention』は、思い切りギターロックサウンドを掻き鳴らしているように見えて、

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スウェーデンの伝説的ロックバンドKentの歴史を知るための名曲20選

スウェーデンの伝説的ロックバンドKentの歴史を知るための名曲20選

 かつてスウェーデンで国民的人気を誇り、2016年に惜しまれつつも解散した伝説的ロックバンド、Kentをご存知だろうか。今回は、私が敬愛してやまないKentの数々の名曲の中から、特に優れていると思う20曲について語っていきたい。

 20曲を選出するにあたって、私の主観だけではなく、ある程度客観的な視点も入れたいと思い、明確な選出条件を設けることにした。

 下記3点のうち、いずれかに該当している

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Kings Of Leon全アルバム聴いてみた

Kings Of Leon全アルバム聴いてみた

 The Nationalなどもそうだが、キングス・オブ・レオンもまた、海外での人気と日本での知名度が最も大きく乖離しているバンドの代表格だろう。

 かく言う私も、その乖離を作り出すのにしっかりと貢献しており、アルバム単位はおろか、曲単位でさえ彼らの音楽を聴いたことが全くなかった。

 先日リリースされたばかりの新作『Can We Please Have Fun』を機に、全作をレビューしてみよう

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2024.04.14 STARMARKET 30th Anniversary Tour@今池Huck Finn

2024.04.14 STARMARKET 30th Anniversary Tour@今池Huck Finn

 世界一好きなバンドのライブを観てきた。

 前回の2019年の再結成ツアーが一生に一度の機会かと思っていたが、まさか再びスウェーデンから来てくれるとは。

 更に、20年ぶりの新曲を引っ提げての来日という、ファン感涙の展開である。

◾️セットリスト
01. Ten Seconds (2nd)
02. Carry On (2nd)
03. Count With Fractions (3rd)
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Vampire Weekend 全アルバム聴いてみた

Vampire Weekend 全アルバム聴いてみた

 5年ぶりとなる5th"Only God Was Above Us"をリリースしたばかりのヴァンパイア・ウィークエンド。

 個人的に、彼らの音楽は2008年頃にデビュー作を少し齧った程度で、それ以降は聴いてこなかった。当時高校生だった私はメロコアやEMOなど分厚いギターサウンドばかり聴いていたため、"A-punk"のスカスカな音と、鼻歌系へなちょこメロディ(当時はそう感じた)に辟易とした記憶があ

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"SCIENCE FICTION" 収録曲から辿る宇多田ヒカル25年の軌跡

"SCIENCE FICTION" 収録曲から辿る宇多田ヒカル25年の軌跡

 デビュー25周年を記念したベスト盤『SCIENCE FICTION』のリリースと、『Laughter In The Dark Tour 2018』以来6年ぶりとなる全国ツアーの開催を発表した宇多田ヒカル。

 ベスト盤に選出された26の楽曲に焦点を当てながら、25年間の活動を振り返っていく。

1st "First Love" (1999)Science Fiction収録曲:2曲
 -Auto

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ハードコアパンクとEMOの邂逅 The Coastguards『I Refuse』(2014)

ハードコアパンクとEMOの邂逅 The Coastguards『I Refuse』(2014)

The Coastguards(ザ・コーストガーズ)は、千葉県柏市を拠点に活動する、メロディック・ハードコアバンドである。

 彼らが参照する音楽は、Dag NastyやLifetimeといった80's〜90'sのハードコア・パンクから、Further Seems ForeverやStarmarket、Jimmy Eat Worldといった初期EMOまでを網羅している。

 それらの音楽を見事なま

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カナダの大所帯バンドBroken Social Sceneの音楽を聴き直す

カナダの大所帯バンドBroken Social Sceneの音楽を聴き直す

 ここ最近、3ヶ月前にリリースされたKevin Drewのソロアルバム『Aging』をよく聴いている。

 Kevin Drewといえば、カナダの大所帯バンドBroken Social Scene(以下、"BSS")の発起人にして、音楽レーベルArts & Craftsの主宰者でもある、カナダ音楽シーンにおける重要人物である。

もう一人の発起人であるBrendan Canningと2人でBSSを

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Aiming For Enrike『Music For Working Out』(2020)

Aiming For Enrike『Music For Working Out』(2020)

 Aiming For Enrikeというバンドを紹介する際によく用いられる、『ノルウェーの爆裂マスロックデュオ』というキャッチコピーがとても気に入っている。

 『爆裂』というワードだけ聞けば何とも陳腐な響きだが、実際に彼らの音楽を聴いてみれば、成るほど確かに『爆裂』が相応しいように感じられるし、それ以外の言葉では彼らの音楽を形容することは不可能だとさえ思えてくる。

 ギターとドラムのみの2人

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