畑中修介

音楽好き(特にインディーロック/エモ)

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スウェーデンの伝説的ロックバンド、Kentを知っていますか?

 2016年に惜しまれつつも解散した、スウェーデンの伝説的ロックバンド、Kentを知っていますか?  世界的な知名度こそ高くないですが、スウェーデン国内では「国民的バンド」と言っても差し支えないほどの人気を誇っていました。  今回は、そんなKentの音楽をまだ聴いたことがないという方へ、入門となるような記事を書いていきたいと思います。 1.Kentの魅力とは①独自路線を貫き通すカリスマ性  Kentの楽曲は全曲スウェーデン語で作詞されており、自国内での活動に特化していま

    • 2024.04.14 STARMARKET 30th Anniversary Tour@今池Huck Finn

       世界一好きなバンドのライブを観てきた。  前回の2019年の再結成ツアーが一生に一度の機会かと思っていたが、まさか再びスウェーデンから来てくれるとは。  更に、20年ぶりの新曲を引っ提げての来日という、ファン感涙の展開である。 ◾️セットリスト 01. Ten Seconds (2nd) 02. Carry On (2nd) 03. Count With Fractions (3rd) 04. You Can't Come (2nd) 05. Into Your Ar

      • Vampire Weekend 全アルバム聴いてみた

         5年ぶりとなる5th"Only God Was Above Us"をリリースしたばかりのヴァンパイア・ウィークエンド。  個人的に、彼らの音楽は2008年頃にデビュー作を少し齧った程度で、それ以降は聴いてこなかった。当時高校生だった私はメロコアやEMOなど分厚いギターサウンドばかり聴いていたため、"A-punk"のスカスカな音と、鼻歌系へなちょこメロディ(当時はそう感じた)に辟易とした記憶がある。  当初はインディーロック界隈におけるカルト的人気としか思っていなかったの

        • "SCIENCE FICTION" 収録曲から辿る宇多田ヒカル25年の軌跡

           デビュー25周年を記念したベスト盤『SCIENCE FICTION』のリリースと、『Laughter In The Dark Tour 2018』以来6年ぶりとなる全国ツアーの開催を発表した宇多田ヒカル。  ベスト盤に選出された26の楽曲に焦点を当てながら、25年間の活動を振り返っていく。 1st "First Love" (1999)Science Fiction収録曲:2曲  -Automatic  -First Love  『日本の音楽史上一番売れたアルバム』、

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          ハードコアパンクとEMOの邂逅 The Coastguards『I Refuse』(2014)

          The Coastguards(ザ・コーストガーズ)は、千葉県柏市を拠点に活動する、メロディック・ハードコアバンドである。  彼らが参照する音楽は、Dag NastyやLifetimeといった80's〜90'sのハードコア・パンクから、Further Seems ForeverやStarmarket、Jimmy Eat Worldといった初期EMOまでを網羅している。  それらの音楽を見事なまでに鮮やかにクロスオーバーさせてみせたのが、2014年リリース、彼らにとって唯一

          ハードコアパンクとEMOの邂逅 The Coastguards『I Refuse』(2014)

          カナダの大所帯バンドBroken Social Sceneの音楽を聴き直す

           ここ最近、3ヶ月前にリリースされたKevin Drewのソロアルバム『Aging』をよく聴いている。  Kevin Drewといえば、カナダの大所帯バンドBroken Social Scene(以下、"BSS")の発起人にして、音楽レーベルArts & Craftsの主宰者でもある、カナダ音楽シーンにおける重要人物である。 もう一人の発起人であるBrendan Canningと2人でBSSを立ち上げたのは1999年。同じくカナダ出身のアーケード・ファイアとともに、00年

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          Aiming For Enrike『Music For Working Out』(2020)

           Aiming For Enrikeというバンドを紹介する際によく用いられる、『ノルウェーの爆裂マスロックデュオ』というキャッチコピーがとても気に入っている。  『爆裂』というワードだけ聞けば何とも陳腐な響きだが、実際に彼らの音楽を聴いてみれば、成るほど確かに『爆裂』が相応しいように感じられるし、それ以外の言葉では彼らの音楽を形容することは不可能だとさえ思えてくる。  ギターとドラムのみの2人組というミニマルな編成ながら、圧倒的な演奏技術と、エフェクターを最大限に駆使した

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          2024.1.28 Elephant Gym@渋谷O-EAST

           台湾のインディーロックバンド、Elephant Gym(大象體操)のライブを観に行った。  マスロック/ポストロックを出自とするバンドだが、カテゴリにとらわれない自由な音楽性に以前から魅力を感じていたバンドだ。高度な演奏技術を持っていながら、それに頼り切りになることなく、あくまで引き出しの一つとして留めている姿勢には好感が持てる。  昨年12月にリリースしたばかりの4枚目のフルアルバム『WORLD』を引っ提げ、これから北米ツアーに向かうという彼らだが、今年で結成10周年

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          EMOの元祖、Sunny Day Real Estateを語る

           ちょうどこの記事を書いていたところに、このバンドに関するニュース記事が飛び込んできた。デビュー作の30周年記念USツアーを行うこと、そしてデビュー作のスタジオライブ盤を5/3にリリースすること、そこには新曲1曲が含まれていることが発表された。 ◇  Sunny Day Real Estateについて語るのは、EMOというムーヴメントの歴史を語るのと同じことだ。  何故なら、EMOはSunny Day Real Estateに始まり、Sunny Day Real Est

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          STARMARKET来日決定

           スウェーデンのEMOレジェンド、STARMARKETの5年ぶりの来日がアナウンスされました。  2019年に奇跡の再結成&来日を果たしましたが、今回は結成30周年を記念しての来日とのこと。  私のSTARMARKETに対する個人的な思いは過去に記事にしたので今回は詳しくは書きませんが、↓  初期EMOファンは勿論のこと、ポストハードコア好き、メロコア好き、ポップパンク好き、パワーポップ好き…幅広く刺さるバンドではないかと。  Hüsker Dü、Superchunk

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          旧譜レビュー(24年1月)

           次々と新たな音楽が現れては消費されていく時代になった。  簡単に音楽を手に入れることができるようになったからこそ、丁寧に音楽を聴いていきたい。  10年、20年と、長く愛聴し続けたいと思える音楽との出会いは貴重だ。  自分が10年以上愛聴し続けているアルバムを紹介していきたい。 The Pigeon Detectives『Wait For Me』(2007年) 00年代に現れた有象無象のガレージロックバンドの中で頭一つ抜けた実力を持っていながら、今ひとつ目立ち切れて

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          デンマークの個性派オルタナバンド、Mewのキャリアを振り返る

           今回は、デンマークの個性派ロックバンド、Mewの音楽について紹介していきたいと思います。  新譜をリリースするわけでも来日するわけでもなく、今このタイミングでMewを取り上げることに特段の意味はありません。強いて言えば、冬がよく似合うバンドということくらいか。  2017年を最後に新譜リリースは無く、ライブ活動も地元デンマークでの開催が中心ということもあり、近年はすっかり存在感が薄くなってしまいました。  Mewの音楽性を手っ取り早く知って頂くには、2003年リリース

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          2023年よく聴いた音楽【年間ベストアルバム】

           今回は年間ベストアルバムということで、2023年に私が特によく聴いた作品を20枚、紹介していきたいと思います。 20. The Hives 『The Death Of Randy Fitzsimmons』 ストロークスやホワイト・ストライプスらとともに、00年代初頭のガレージロック・リバイバル・ムーヴメントを牽引したスウェーデンの雄、実に11年ぶりとなる6th。冴え渡るソングライティングで高い評価を得た2004年の傑作3rd『Tyrannosaurus Hives』を上回

          2023年よく聴いた音楽【年間ベストアルバム】

          2023.12.1 ALVVAYS@神田スクエアホール

           昨日はAlvvaysのライブを観てきました。  前回の来日は2019年のフジロック。それ以降は、2022年に長い沈黙を破るまでの間、リリースやライブ活動はおろか、公式SNSへの投稿さえも全く無い状態でした。  後のインタビューで、ボーカリストのモリー・ランキンの自宅からデモ音源が盗難に遭っていたことや、その翌日に洪水でバンドの機材が壊滅状態になってしまったこと、そしてそんな状況とコロナ禍が重なったことなどを明かしてくれました。  一時のあまりの音沙汰の無さから、解散や

          2023.12.1 ALVVAYS@神田スクエアホール

          Foo Fighters 全アルバム聴いてみた

           今年6月にリリースされた11th『But Here We Are』が素晴らしい出来だったFoo Fighters。  フロントマンDave Grohlの実母と、そして長年バンドのドラマーを努めてきたTaylor Hawkins、2022年にこの世を去った2人へ捧げる作品として、失意の状況を乗り越えて制作されたアルバムです。  音楽だけを切り取って聴いても素晴らしい作品ですが、背景も踏まえて聴くことでより一層エモーショナルな響きを感じ取ることができます。  ただ、これま

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          8〜9月 新譜レビュー

           今回は、8〜9月にリリースされた新譜のレビューを書いていきたいと思います。  順番はリリース順です。 The Hives 『The Death Of Randy Fitzsimmons』 00年代初頭、ストロークスやホワイト・ストライプスらがガレージロック・リバイバル・ムーヴメントを牽引。そこに続く存在の一角として君臨したスウェーデンの雄、ザ・ハイヴス。2012年以来、実に11年ぶりとなる6thをついにリリースです。2004年の3rd『Tyrannosaurus Hiv

          8〜9月 新譜レビュー