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2024.1.28 Elephant Gym@渋谷O-EAST

 台湾のインディーロックバンド、Elephant Gym(大象體操)のライブを観に行った。

Spotify O-EAST

 マスロック/ポストロックを出自とするバンドだが、カテゴリにとらわれない自由な音楽性に以前から魅力を感じていたバンドだ。高度な演奏技術を持っていながら、それに頼り切りになることなく、あくまで引き出しの一つとして留めている姿勢には好感が持てる。

 昨年12月にリリースしたばかりの4枚目のフルアルバム『WORLD』を引っ提げ、これから北米ツアーに向かうという彼らだが、今年で結成10周年だそうだ。

Elephant Gym

 初めて日本でライブを行ったのが今回のO-EASTの向かいにあるO-NESTで、キャパは250人。それから10年経ち、今や1,300人キャパをSOLD OUTさせられるまでに成長できたことが感慨深いと話す3人。Sunset Rollercoaster(落日飛車)と並んで、台湾を代表するバンドと呼んで差し支えないだろう。

 メンバー全員が日本語で長めのMCをするのが毎回恒例になっており、台本を読みながらではあるがかなり上手い。彼らの人柄が垣間見える何とも微笑ましい内容で、会場全体に和やかな空気が流れる。この多幸感溢れる雰囲気もまた、彼らのライブの魅力の一つと言っていい。

 肝心のライブの内容はというと、元々ゲストとして発表されていた、小西遼率いる象眠舎をホーンセクションとして迎え入れたほか、シークレットゲストとしてTENDREこと河原太朗もボーカルとして2曲参加するなど、10周年に相応しい豪華な内容。

小西遼率いる象眠舎との共演

 新作には『Ocean in the Night』『Light』『Galaxy』の既発3曲がオーケストラ仕様で再録されており、今回の象眠舎との共演でそれらを再現した形だが、やはり生で聴くホーンセクションには、音源とはまた違った迫力がある。『Wings』も音源では穏やかなイメージしか無かったが、生の迫力に思わず圧倒されたし、『Witches』は高速ベースラインと目まぐるしい楽曲展開だけでも十分凄みがあるが、そこにフルートが加わることでより鮮烈な印象を受けた。

 TENDREをボーカルに迎えた新曲の『Feather』も、グルーヴ感たっぷりだが浮遊感もあり、独特なバランス感を持った個性的な楽曲だと感じた。

 今後もジャンルの垣根を超えた様々なアーティストとの共演を続け、更に音楽性を拡大していき、マスロック・ポストロックというキーワードを敬遠している人達も是非取り込んでいってもらいたい。

<セットリスト>
01. Games
02. Frog
03. Shadow
04. Go Through The Night
05. Feather (with TENDRE)
06. Quilt (with TENDRE)
07. Mirror
08. Midway
09. Name
10. Underwater
11. Deities' Party
12. Moonset
13. Anima (with 象眠舎)
14. Light (with 象眠舎)
15. Wings (with 象眠舎)
16. Witches (with 象眠舎)
17. Half
18. Spring Rain
19. Finger
20. Ocean in the Night (with 象眠舎)
21. Galaxy (with 象眠舎)

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