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1分で読めるショートショート・34 悲しいSNSのいいね数 

いいね!の数が、まるで命の回数のように思えてくる。

ある日、目が覚めると、スマホの通知が止まらない。画面には、いいね!の嵐。フォロワーも激増している。何事かと、自分のSNSアカウントを確認すると、そこには、昨日投稿した一枚の写真。それは、私が末期がんを患っていることを告白した、病室のベッドの上で撮った自撮り写真だった。

「いいね!の数だけ、私の命が伸びるなら……」

私は、藁にもすがる思いで、毎日、自分の病状を赤裸々に投稿し続けた。すると、フォロワーはさらに増え、励ましのコメントも殺到した。いいね!の数は、まるで私の余命のように思え、一喜一憂する日々。

しかし、ある朝、目が覚めても、スマホの通知は来なかった。いいね!も、フォロワーも、増えていない。私は、ベッドから起き上がり、窓の外を見た。そこには、いつもと同じ、変わらない日常の風景が広がっていた。

「ああ、そうか。もう、いいね!は、いらないんだ……」

やがて私は、静かに息を引き取った。

葬儀の日、私のSNSアカウントには、追悼のメッセージが溢れかえっていた。いいね!の数は、過去最高を記録していた。

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