インド物語–バラナシ13−

画像1 川からあがり社会人のsと写真を撮った。斜視を気にしているというsは、写真では絶対ウィンクするんだ、と言った。撮り終わって見るとsはわざとらしく両眼を見開いていた。そんな嘘いらないよ、と私達は笑った。写真には残らない美しい瞬間だった。シャワーを浴びて町に出た。しばらくして客引きの少年が話しかけてきた。代わりに街を案内してくれるという。モスクや街の歴史よりも私が驚いたのは彼が4カ国語話せることだった。小さい頃からこの家業だもの、当然だよ、と言って彼は俯いた。彼の向こうに佇む町がさっきより霞んで見える気がした。

サポートしていただいたお金で、書斎を手に入れます。それからネコを飼って、コタツを用意するつもりです。蜜柑も食べます。