インド物語-デリー③-
宿の近くには美味しいビリャニが食べられるレストランがあった。それは日本で食べるチャーハンの味に限りなく近くて、手を伸ばせばもう東京に触れられそうな気がした。
脂っこくて、でもパサパサとして、胃の良いところに当たって、きちんとお腹が膨らんでいく感じだった。デリーに滞在している間はだいたいそのレストランで食事したので、通り道に顔見知りができた。
彼らは入り組んだ路地裏に店を構える商店の主人たちで、いつも軒先に椅子を持ち出して、あーでもない、こーでもないと集まってなにかを言い合