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【連載詩集】No.21 いつしか、人に期待しなくなった。

 いつしか、人に期待しなくなった。


 何かを相手にやってほしい、とか

 こんなふうになってほしい、とか

 こういう想いを共有したい、とか

 こんな人生を生きて欲しい、とか

 こうやって愛して欲しい、だとか

 こんな感じで仲良くしたい、とか

 そういうことを、思わなくなった。


「人に期待してよかった」

 だなんて、思えたことって、

 人生で一度も、ないかもしれない。


 ほとんどの場合、

 期待は失望に変わり、

 打ちひしがれて終わることになる。


 期待される関係になっても同じだ。

 ほとんどの場合、

 期待された後には失望され、

 関係はめちゃくちゃになって終わる。


 仕事も、男女関係も、友人もそうだ。

 どんな人間関係にも、

 自分勝手な期待が入り込んだ瞬間に、

 ろくでもない崩壊が待ち受けている。



 だから、僕は人に期待なんてしない。


 他の人間が、思い通りに動くなんて、

 そもそも、絶対にありえないことだ。


 もしも、自分の思い通りに人が動く、

 なんて信じている人間がいるならば、

 それは何かの間違いなのかもしれない。



 何かを変えたいときは自分を変える。


 この世の中で唯一、支配できるのは、

 自らの意志と行動、この二つだけだ。


 誰かに何かして貰おうなんて思わない。

 ふて腐れる暇があるなら、勉強をする。

 生き様を変え、自らの背中で語るのだ。



 歩け、止まるな、振り返るな、行け。

 僕は、きみのことなんか知らないし、

 きみも、僕のことなんか、知らない。



 そうやって死に物狂いで生き抜いて、

 あるタイミングで、ふとしたときに、

 同じ場所で、また、

 きみと巡り会うことができたなら、

「久しぶり」とお互いに笑顔になって、

 一晩、酒をたらふく、呑み明かそう。


 そして、朝起きたら、

 挨拶もせずに別れ、

 それぞれの目的地へと向かって、

 ひたすらに、歩いていく。


 人との接し方は、それくらいで良い。

 ベタベタと、人に期待なんかしない。

 もちろん、どうしようがきみの勝手。

 


 歩け、止まるな、振り返るな、行け。

 僕は、きみのことなんか知らないし、

 きみも、僕のことなんか、知らない。

 


 じゃあ、また、どこかで。

 くれぐれも、達者で。






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