C. Murasawa

長野市付近で中長距離走の実践と指導をしています。 X(旧ツイッター)は↓ https:…

C. Murasawa

長野市付近で中長距離走の実践と指導をしています。 X(旧ツイッター)は↓ https://twitter.com/CMura1986

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  • 1500m3’45”を目指してみた

    白川選手と1500m3'45"を目指した結果のまとめ

記事一覧

2024年日本選手権マスターズ1500m参戦!

2024年6月30日、新潟県ビックスワンで開催された日本選手権のサブイベントとして行われたマスターズ1500mに出場した。出場が決まってから数ヶ月間、自分にとってはこれ以上…

C. Murasawa
2週間前
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練習日誌なんてつけなくていい

 練習日誌をつけているランナーは割と多い印象ですが、その意義について、つまりなぜ練習日誌をつける必要があるのかについて(子供が胃腸炎になって看病中暇だったので)…

C. Murasawa
4か月前
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狙ったレースで最高のパフォーマンスを発揮するための「俺の調整理論」

 自分はこの2ヶ月ぐらいなかなか順調にトレーニングが積めてきていよいよ1週間後にターゲットにしている1500mレースが迫ってきています(目標はズバリM35の長野県記録3'58"…

C. Murasawa
10か月前
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Jogは1回で走るのと複数回に分割して走るのはどちらがよいか?

 ジョグなどの低強度運動の最も重要な目的は「1日あたりの運動に使えるエネルギーを増やすこと」にあると述べました(前記事)。この目的の達成を考える上では1日全体で必…

C. Murasawa
11か月前
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1日平均どのくらい走ればいいですか?

 月間1000km走った!など,月間走行距離もしくは1日平均の走行距離はちょくちょく話題になりますが陸上の走競技は「速く」走ることを競うものなので,走れば走るほど速く…

C. Murasawa
11か月前
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大人のセンゴ(1500m)チーム爆誕!!その名も・・・🦍🦍🦍

大人のセンゴ(1500m)チームを作ります!これまで自分自身が1500mに取り組んできたり、1500m3’45”切りを目指す選手のサポートをしてみたりとやってきた中で、「センゴ(15…

C. Murasawa
1年前
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【最終章】1500m3’45”切りを目指す有力若手選手にあやかって1500m 4'00"切りを目指す35歳男性のトレーニングメニュー(8月-9…

本noteは下2つの続編です。 9月24日に行われる全日本実業団を最後として、このシリーズは最終章を迎えます。ご愛読ありがとうございました。では、まずはここまでの振り返…

C. Murasawa
1年前
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腰高フォームは見た目が9割〜腰高フォームが良いのではない。良いフォームが腰高なのだ〜

 最初に誤解のないように言っておくと、ランニングフォームと言うのはパフォーマンスに関係する単独の要因ではない。これは仮にトップランナーの動作を真似できても突然速…

C. Murasawa
2年前
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続)1500m3’45”切りを目指す有力若手選手にあやかって1500m 4'00"切りを目指す35歳男性のトレーニングメニュー(6月-8月まで…

この記事は の続編です。 白川選手と3月ー6月までトレーニングを進めてきまして、結果としては 5月14日の中部実業団 それから6月4日の日体大記録会 ということで、目標…

C. Murasawa
2年前
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1500m3’45”切りを目指す有力若手選手にあやかって1500m 4'00"切りを目指す35歳男性のトレーニングメニュー(3月末ー6月まで)

3月の長野市駅伝部内の5000m TTにて14分台を出すことをターゲットにここまでトレーニングを行ってきました。 結果としては15分12秒ということで残念ながら14分台には届き…

C. Murasawa
2年前
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3月に5000m14分台で走る目標の35歳男性の2月のトレーニングメニュー

1月メニューの続きです。 また、実際に行った練習はこちらのスレッドです。 基本的に水曜日と土日だけ本格的に走っていて、あとは日常生活の隙を見つけて体を動かしてい…

C. Murasawa
2年前
6

3月に5000m14分台で走る目標の35歳男性の1月のトレーニングメニュー

11月末から1月3日までは心の休養期間ということで意気込むことなく練習量を増やすことを狙いとして過ごしてきました。結果として、12月の走行距離は437kmとなって、昨年で…

C. Murasawa
2年前
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ランニングエコノミーが改善するテクノロジーとは?

ランニングエコノミーが改善するシューズが流行っていますが、そのような外的要因でランニングエコノミーが改善する時に身体には何が起きているのかを順を追って考えてみま…

C. Murasawa
2年前
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長距離走トレーニングの目的がわからないあなたへ:(Murasawa, 2021)

トレーニングは目的を持って行うべきである,とよく言われます.そんな文脈の中で,長距離競技パフォーマンスの主要な決定因子は最大酸素摂取量(VO2max)とランニングエコノ…

C. Murasawa
2年前
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最大酸素摂取量(VO2MAX)の向上を目的としたトレーニング?

最大酸素摂取量と長距離走パフォーマンス最大酸素摂取量(VO2MAX)とは、体重あたり、時間あたりに摂取できる最大酸素摂取量(ml/kg/min)で、長距離アスリートのパフォー…

C. Murasawa
2年前
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トップランナーはふくらはぎを使って走ってるの?それとも?

ケニア人トップランナーって全体的に下腿が細くて長いですよね.ふくらはぎの筋肉も少ないように見えます.日本人のトップランナーも下腿が細い人が多い傾向があるような気…

C. Murasawa
2年前
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2024年日本選手権マスターズ1500m参戦!

2024年日本選手権マスターズ1500m参戦!

2024年6月30日、新潟県ビックスワンで開催された日本選手権のサブイベントとして行われたマスターズ1500mに出場した。出場が決まってから数ヶ月間、自分にとってはこれ以上ない舞台と思い、この日をターゲットにトレーニングしてきた。トレーニングは極めて順調にこなすことができで、ここ最近にないほど完璧な仕上がりでレースが楽しみで仕方なかった。

ただ、その対戦相手は・・・

ということで、持ちタイムも

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練習日誌なんてつけなくていい

練習日誌なんてつけなくていい

 練習日誌をつけているランナーは割と多い印象ですが、その意義について、つまりなぜ練習日誌をつける必要があるのかについて(子供が胃腸炎になって看病中暇だったので)考えてみました。ちなみに、私は競技的ランナーは練習日誌をつけた方がよいと考える派ですが、あくまでも「手段」の一つだと思っています。何の「手段」の一つかというと、「客観的事実に主観的感覚を一致させるための」手段です。つまり手段なので、主観と客

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狙ったレースで最高のパフォーマンスを発揮するための「俺の調整理論」

 自分はこの2ヶ月ぐらいなかなか順調にトレーニングが積めてきていよいよ1週間後にターゲットにしている1500mレースが迫ってきています(目標はズバリM35の長野県記録3'58"!)。そんな中、数日前に息子から風邪をいただいてしまい2日間のレストと予定していたテンポ走(8000~10000m)が出来ませんでした。このメニューを消化できないまま1週間前の調整メニューであった3000m+400mを「何と

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Jogは1回で走るのと複数回に分割して走るのはどちらがよいか?

Jogは1回で走るのと複数回に分割して走るのはどちらがよいか?

 ジョグなどの低強度運動の最も重要な目的は「1日あたりの運動に使えるエネルギーを増やすこと」にあると述べました(前記事)。この目的の達成を考える上では1日全体で必要な走行距離が確保できればよいことになりますので複数回に分けて走ることは疲労の蓄積を抑えながら運動量を確保する有効な手段でしょう。運動時間によって消費されるエネルギー基質が若干異なる(例えば、運動時間が長いと脂質の比率が高まる)といったこ

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1日平均どのくらい走ればいいですか?

1日平均どのくらい走ればいいですか?

 月間1000km走った!など,月間走行距離もしくは1日平均の走行距離はちょくちょく話題になりますが陸上の走競技は「速く」走ることを競うものなので,走れば走るほど速くなるわけではありません.そうは言っても一流の中長距離選手は少なくても月間400kmは走っていると思います.このあたりどのような考え方で月間走行距離の目安を考えていけばいいのか私なりの考えを書いてみようと思います.
 私は競技力を伸ばす

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大人のセンゴ(1500m)チーム爆誕!!その名も・・・🦍🦍🦍

大人のセンゴ(1500m)チーム爆誕!!その名も・・・🦍🦍🦍

大人のセンゴ(1500m)チームを作ります!これまで自分自身が1500mに取り組んできたり、1500m3’45”切りを目指す選手のサポートをしてみたりとやってきた中で、「センゴ(1500m)ってやってても見てても面白いよねぇー」、「あとセンゴやっておけば歳取ってもスピード衰えないし、ハーフマラソンぐらいまで対応できるよねぇー」、「結論、センゴって最高だよねー」って話を仲間内でちょくちょくしています

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【最終章】1500m3’45”切りを目指す有力若手選手にあやかって1500m 4'00"切りを目指す35歳男性のトレーニングメニュー(8月-9月まで)

本noteは下2つの続編です。

9月24日に行われる全日本実業団を最後として、このシリーズは最終章を迎えます。ご愛読ありがとうございました。では、まずはここまでの振り返りから。
6月から8月までの約2ヶ月は上のnoteのとおり、8月6日の田園クラブ主催の1500mをターゲットにトレーニングを行ってきました。結果としては以下の通り!自己ベスト更新でした🎊

ここまでのトレーニングは相変わらず順調

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腰高フォームは見た目が9割〜腰高フォームが良いのではない。良いフォームが腰高なのだ〜

 最初に誤解のないように言っておくと、ランニングフォームと言うのはパフォーマンスに関係する単独の要因ではない。これは仮にトップランナーの動作を真似できても突然速く走れるようにはならないということだ。トップランナーに特徴的なランニングフォームは、彼・彼女らの身体機能とセットで機能するものである。軽トラとF1カーでは要求される運転方法が異なるのと同じで、その人の心肺機能や身体組織の特徴によって理想とな

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続)1500m3’45”切りを目指す有力若手選手にあやかって1500m 4'00"切りを目指す35歳男性のトレーニングメニュー(6月-8月まで)

この記事は

の続編です。
白川選手と3月ー6月までトレーニングを進めてきまして、結果としては
5月14日の中部実業団

それから6月4日の日体大記録会

ということで、目標の3'45"には届きませんでした。自己ベストにも届かず、ひとえに私の指導力不足です、、、と素直に言いたいところですが、このレベルのタイムになってくるとレース展開次第のところもありまして、もう少しチャンスをいただきたい所ですねー

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1500m3’45”切りを目指す有力若手選手にあやかって1500m 4'00"切りを目指す35歳男性のトレーニングメニュー(3月末ー6月まで)

3月の長野市駅伝部内の5000m TTにて14分台を出すことをターゲットにここまでトレーニングを行ってきました。

結果としては15分12秒ということで残念ながら14分台には届きませんでした。ラスト400mで軽くふくらはぎを故障してしまったことは5秒程度影響しているとは思いますが、それでも14分台までは少し足りずでした。トレーニング自体はこれまでになく順調に行えており、14分台を出せる力は付いてい

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3月に5000m14分台で走る目標の35歳男性の2月のトレーニングメニュー

1月メニューの続きです。

また、実際に行った練習はこちらのスレッドです。

基本的に水曜日と土日だけ本格的に走っていて、あとは日常生活の隙を見つけて体を動かしているスタイル(必ずしも走ってない)です。特に水曜日は雪や凍結の影響で予定通りできない日が多かったのですが、水曜日のメインのトレーニング刺激はバウンディングなので、後はjogかスプリントをその日の体の調子で自由選択していました。基本的には、

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3月に5000m14分台で走る目標の35歳男性の1月のトレーニングメニュー

11月末から1月3日までは心の休養期間ということで意気込むことなく練習量を増やすことを狙いとして過ごしてきました。結果として、12月の走行距離は437kmとなって、昨年で最もボリュームの大きな月になりました。詳しくはコチラ。

というわけで心の休養期間も終わり、一定の練習量をこなしつつしっかりと充電もでき、最高の滑り出しになりました。また、12月25日から1月3日の10日間は年末年始休暇を利用して

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ランニングエコノミーが改善するテクノロジーとは?

ランニングエコノミーが改善するシューズが流行っていますが、そのような外的要因でランニングエコノミーが改善する時に身体には何が起きているのかを順を追って考えてみましょう。

筋肉のエネルギー消費を減らせばランニングエコノミーは改善はい、結論を言うとこういうことです。まず、ランニングエコノミーとはある速度で走っている時の1分あたりの酸素摂取量(または、平常時からの酸素摂取の増加量)を体重で割ったり(m

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長距離走トレーニングの目的がわからないあなたへ:(Murasawa, 2021)

トレーニングは目的を持って行うべきである,とよく言われます.そんな文脈の中で,長距離競技パフォーマンスの主要な決定因子は最大酸素摂取量(VO2max)とランニングエコノミー(RE)と乳酸性作業閾値(LT)である!などと言われれば,VO2max,RE,LTのの向上を「目的」としたトレーニングをしたくなりますよね?(私はなります)

しかし,一般のランナーでVO2max,RE,LTを測定したことがある

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最大酸素摂取量(VO2MAX)の向上を目的としたトレーニング?

最大酸素摂取量と長距離走パフォーマンス最大酸素摂取量(VO2MAX)とは、体重あたり、時間あたりに摂取できる最大酸素摂取量(ml/kg/min)で、長距離アスリートのパフォーマンス指標としてよく登場します。

男性30歳の平均値は、体重あたりで40ml/kg/min程度ですが、エリート長距離選手のVO2MAXは90ml/kg/minにも達するとのことです(参考)。様々な走力の人のVO2MAXを調べ

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トップランナーはふくらはぎを使って走ってるの?それとも?

ケニア人トップランナーって全体的に下腿が細くて長いですよね.ふくらはぎの筋肉も少ないように見えます.日本人のトップランナーも下腿が細い人が多い傾向があるような気がします.ご存知の通り,ふくらはぎの筋肉は下図のように足首を伸ばす(底屈)時に主に使われます(汚い足ですみません).

筋肉は基本的に負荷をたくさんかけると大きくなりますね.なるほど,じゃあ速いランナーはふくらはぎの筋肉はあまり使っていない

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