牛乳大量廃棄の今、牛乳善悪論を考察する時
食料が足りなくなる、地球環境のためになると言って、昆虫食が推進されていますが、その裏で畜産業へ熾烈な攻撃がされています。
news23の報道にて、北海道では20万トンの生乳抑制が目標されていると報道されています。
こういった矛盾に満ちた報道をいくつか紹介し、今こそ、牛乳善悪論について考察していこうと思います。
廃業に追い込まれる酪農家
冒頭、もの凄い勢いで生乳が廃棄される動画を紹介しました。上記の報道のポイントを抜粋します。
news23さんの報道、大変すばらしいのですが、ポイントをまとめていて、だんだん混乱してきました。
よく考えて見ると「分けわからん、どういうこっちゃ」の連続です。行政の方針が、訳が分からないメチャクチャなものなので、報道内容も、訳が分からなくなるのもある意味、仕方がありません。
自由貿易推進、とくにTPP協定によって、日本の酪農家は、低価格の海外製品との、価格競争を強いられています。
コロナで消費が低迷したと言って簡単に生産抑制を指示して、供給を減らします。ウクライナ問題でエサ代が高騰し、追い打ちがかかります。そして行政介入で一律値上げ。訳が分かりません。本当にこの値上げは酪農家のためになっているのでしょうか。
ただでさえ、安い海外製品と価格競争している畜産業。値上げしたら、ますます安い海外製品が求められませんか? そもそも、消費が低迷している、需要が下がっているという体なのに、なぜ値上げをさせるのか。結果、生クリーム、バター、チーズ、ヨーグルト類も値上げ。ますます消費は落ち込み、消費者も経営者も、仕入れ先を(海外に)見直します。
また、北海道における20万トンの生産抑制は2022年度の目標であり、2023年度もさらなる抑制を目標としています。
さらに
私たちの税金、乳牛の殺処分の助成金になってます。
この状況でこそ、牛乳善悪論
ということで、酪農家のみなさんは、とんでもない熾烈な攻撃にさらされています。
と言うのが、政治・経済のお話。この状況でこそ、牛乳善悪論を考察しましょう。
牛乳が健康に良いか悪いか、断言は中々難しいのですが、色々な側面から考えて見ましょう。
私のフォロワーさんは半数以上、牛乳を避けていると思いますし。
最初に、食について、個人のスタンスを明示します。私の食生活は、ゆるい菜食主義で、乳製品、肉、卵はほとんど食べません。
哺乳類の自然現象としての授乳
牛乳以前に、乳について考えて見ましょう。私たちは人なので、人の乳です。
明快な自然現象として、人の乳は赤ちゃんしか飲みません。成長したら、赤ちゃん自身も飲まなくなりますし、母親の方も乳が出なくなります。
人に限らず、大型哺乳類の多くはそうではないでしょうか。
ですので仮説ですが「人の乳だろうと牛乳だろうと、赤ん坊でも無ければ飲む必要はない」のではないでしょうか。
この自然現象だけで「乳を飲み続けるのは、身体に良くない」と断定するのは行き過ぎです。
ですが「飲む必要はない」可能性は高いと思います。
これらは根拠のない考察ですが、上記の自然現象は事実です。自然の原理には重要なヒントがあるものです。
牛と日本人の歴史
一般社団法人 全国肉用牛振興基金協会から引用します。
牛肉は江戸時代になって、ひっそりと食べられた程度。
主に農耕用(労働力・堆肥)と運搬用。
貴族間で、牛乳を加工した酪(ヨーグルト)、酥、醍醐(バターのようなもの)の記載はあるのに、直接牛乳を飲む文化についての記載がありません。
どこかには牛乳を飲む地域もあったかもしれませんが、極めて少なかったのだと思います。
きれいごと
きれいごとではありますが、家畜を殺して、肉を食べることの是非を考えて見ましょう。
非常に難しい問題で、私はいつもフワッとした結論だけ心にとどめて、ふと何かのキッカケで考え直しています。
牛の殺処分に助成金をかけるのは、大変けしからんことではありますが、ふと思い直しました。
それはそれとして、殺される牛の身からしたら、些末ごとではないか、と。税金・助成金というのは人間の政治・経済の事情で、牛には何の関係もないでしょう。
助成金はともかく、最終的にはお肉にするため殺している訳です。
牛からしたら、人から「ありがとう、自然の恵みに感謝します、頂きます」と言われても、結局殺されてもぐもぐされるのであれば「何が違うんじゃい!」と怒りたいのではないでしょうか。
例えば、地球にエイリアンが大手を振ってやってきて「地球人ありがとう、地球の恵みに感謝します、頂きます」と言ってもぐもぐしてきたら「ふざんけんな!」で、反撃にでますよね。
肉と乳のために、休みなく妊娠をさせられる
マネー現代という講談社系メディアの記事を引用します。
豚のストールについて補足をします。
「母豚の一生-振り返ることもできない檻「妊娠ストール」に収容され続ける」という衝撃的なタイトルで、アニマルライツセンターさんが情報を出しています。
また、きれいごとを抜きにしても、このような手法は豚を病気や鬱、運動不足にさせると警鐘を鳴らしています。
マネー現代の記事に戻ります。
ところで酪農家の平均所得は?
問題の本質ではありませんが、文春オンラインから引用します。
アメリカ式大量生産
アメリカの『フード・インク』という、ドキュメンタリー映画を紹介します。
2009年のものですが、食品がどのように大量生産されているか。マネー現代さんの記事のような内容や、そのほかの闇が映像で見られます。
ゆるい採食
ということで、牛乳善悪論は、栄養や健康関係なしに、倫理的に私個人は良くないと思います。私は不謹慎な話が好きなタイプですが、流石に畜産業界の飼育システムには思う所がありました。
倫理は個々人の意思が尊重されるべきで、答えは千差万別です。自分の正義を盲信する人には、他人にそれを強要・強制する人がたくさんいます。
その人の倫理が正しいのは、その人の中だけです。
私にとっては絶対に正しいことも、他人にとっては絶対に正しくありません。似た意見の人がいても、完全一致はありえません。
他人に肉食を止めろと強要するなどもってのほかです。
私自身、完全なベジタリアンという訳でもなく、たまには食べています。
動物たちに慈愛の心を向けている訳でもなく、どうしても肉が食べたい訳でもないので、肉を食べる機会や回数を減らしてみたり、「今日はいっか」と別のメニューを選んでいる内に、ほとんど食べなくなりました。
オランダ農家政党躍進
それはそれとして、オランダにて農家を支持母体とした新政党が大躍進しました。2019年10月に結成されたばかりの『農家・市民運動(BBB)』がなんと、第一党になりました。新党が4年で第一党とは、驚天動地としか言いようがありません。
経緯としては、オランダ政府が、農家・酪農家へ日本政府のような、またはそれ以上の攻撃をしたのですが、それが民衆の怒りを買ったという流れです。とても良いことだと思います。
ゆるい採食なんてのは、あくまで個人の倫理・個人の食ですから、最初に話を戻しましょう。
政治家や資本家、大企業の都合で生産抑制され、大量廃棄される牛乳。これはこれで問題です。乳製品の値上がりも、多くの家庭や、飲食店にとって困ることでしょう。平均年収高そうですが、廃業する酪農家も困っているでしょう。
昆虫食にはほぼ触れていませんが「食糧危機が訪れるから昆虫食をしましょう」というお題目もかなり怪しいものです。
人々を困らせる政府にはオランダのようにノーを突きつけたいものです。
政治家や資本家、大企業の都合に振り回されるのは、家畜だけではありません。用心深く、嘘を見抜きましょう。
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