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液晶のシャープとまで言われながら、液晶事業から撤退。シャープにとって液晶事業は、金のなる木ではなくて花形事業だったんですね。マーケティング戦略の履き違えですね!

こんにちは、DJムッチーです。
嫁入り道具の三種の神器として新居にやって来て茶の間を占拠した、ブラウン管の重たいテレビを視ていた昭和生まれの世代には、液晶テレビの登場は清々しい驚愕でした。
シャープの町田社長が、テレビはブラウン管を辞めて全部液晶にすると宣言したのは1998年の事です。当時のテレビ画面は、ブラウン管ながら随分平べったくなっていたものの、かなりの大きさと重さでした。
ブラウン管が液晶になると、薄くなって壁に掛けられるようになるという新聞記事を読んで、家の間取りが変わるなとぼんやり考えたりしていました。

2001年1月アクオス1号機販売開始、2003年12月地デジ放送開始

2001年にアクオス1号機を販売開始してからは、シャープの快進撃が始まります。2003年12月の地デジ放送開始に合わせて、家電イノベーター達はアクオスを買い求め、家に設置して、高画質、省スペースに驚きます。
この頃から、しばらく1インチ1万円という液晶テレビの値段相場が出来上がります。
ここで注視すべきは、シャープの企業ステータスは「フォロワー」。
フォロワーが顧客へ提供する第一のpreferenceは価格です。
フォロワー企業は、ナンバーワン企業製品とはほぼ同機能の製品を低価格で届けるというマーケティング戦略が真骨頂です。そして顧客はイノベーターではなく、遅れて買い求めるラガー。
にもかかわらずアクオスはナンバーワン企業に勝ってしまったばかりに、戦略に迷いが生まれたのでしょう、液晶事業のみやったことのないニッチ戦略をとるような不思議な行動に出てしまいます。ニッチ戦略なら顧客はイノベーターです。
2004年に亀山モデルが発売し、2008年に北京オリンピック需要にのって、最高益を叩き出します。
ニッチ戦略企業なら、食べつくした市場からは撤退するか、新商品開発に出るのが常套手段ですが、2009年に大阪府堺市に巨大な液晶工場を竣工させてしまいます。これは良い商品を安く市場に届けるフォロアー企業の戦略そのものです。
フォロワー企業としては、液晶事業は「金のなる木」にすべきだと考えたのでしょうが、ニッチ企業の戦略をとった液晶事業では「花形」になっていたのです。ゆえに、問題児として対策を打つことができず、一気に負け犬に転落しまうのも無理はありません。

これに円高が追い打ちをかけて、テレビ液晶事業は大変な打撃を受けます。
その後、台湾企業ホンハイへの身売りをして生き残りを図ったのですが、結局、液晶事業が足を引っ張て、2024年決算は1500億円の赤字となり、液晶事業からの撤退が決まりました。その他白物家電事業など、企業ステータスを守った事業は黒字なのにです。
マーケティング戦略を間違えると、取り返しがつかないという良い例です。

亀山モデルのCM

韓国もテレビ用液晶パネルは作っていない

世界のテレビ用大型液晶パネルは、70%が中国製、20%が台湾製です。日本と覇を争った韓国も少量の生産はしているものの、ほとんど液晶パネルを作っていない状況です。
東芝、日立、ソニーのジョイントで上場を果たした、ジャパンデジタルディスプレーも、上場当初から初値が売り出し値800円を上回ることがなく、2024年現在の株価は18円という惨憺たる状況です。
機を見て敏に動くのが経営と言いますが、この様な状況で今年まで液晶パネル事業にこだわったシャープの経営センスに疑いを持ってしまいます。

マーケティングの戦略を誤ると、大変な失敗が待っています。
ところが、有料企業でさえマーケッターの求人は、WEB技術者ばかりを求めています。
WEBマーケティングしかしらない、マーケッターが企業のマーケティングを考える時が来るとしたら、空恐ろしい企業再編の時代の前触れとみるべきでしょうね。
企業は、マーケティングを十分に学び、経験した人材を求めるべきです。
企業ステータス理論も知らない人が、リスティング、SEO、分析をいじっても大した結果は産みませんから・・・

今日はいつに無く、真面目に書いてしまいました。
青年期に重なることが多かったので・・つい
それでは、今日はこの辺で失礼します。
話のネタに困ったら使ってくださいね。

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じゃあまたこの次
DJムッチーでした。

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