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笑い46

そんな哲学チックなことを考えるタイミングっていつも夜明けくらいなような気がする。

世界が無音に近い。
聞こえるのは風の音。
僕の生活は今は仕事に支配されているが、休みの日に支配されるのは自分の脳内にいる言葉たちだ。ああしろ、こうしろ、脅迫的に脳みそが身体を動かそうとする。

人間の構造というのは面白くて、左脳(言語野)によって制御されることが多く、脳内の言葉たちが「お前はダメだ」と指令を出せば、身体が動かなくなり、逆に「お前は天才だ」と指令を出せば、身体か頗る軽くなる。他人からの言葉も同じような効果があるため、付き合う人間は選ぶべきだ。

迷走めいた考えが尽きた頃、自宅でテレビをつける。
お笑い芸人が何やら問題を起こしたらしい。僕はテレビをよく見る人間で、所謂テレビっ子というやつで、そのお笑い芸人は幼少期から見ている人物で好き嫌いは十人十色あると思うけれども、僕は好きな部類に入る人間なものだから、ああ、こりゃあ参った。彼をまたテレビで見れるを待ち望むばかりだと思うが、これこそ左脳の洗脳戦略にハマってしまう馬鹿な人間の性なのか、ニュースで取り上げられたり、小さな問題でも大きく取り上げるメディア、過去の問題を掘り下げたところで過去は変わらないというのに、現在の今この瞬間の彼をどうか見てくれないだろうか、いや、僕は別に彼の友達でも家族でもないが、一人を複数の人間が攻撃をするような状況を見ると吐き気がする。

そんな吐き気のある生活や、悲しみを救ってくれるのはお笑いってものなのに、なああんにもわかってないぜ。


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