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英語の話

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2021年11月の記事一覧

「歌で英語リスニングを鍛える」のは、できたら止めといたほうがいい

「歌で英語リスニングを鍛える」のは、できたら止めといたほうがいい

大学の実習で、英語のリスニングに役立つ勉強法について議論した。

そのなかで「洋楽を歌う」という意見がけっこう出てきた。のだが、私としては、歌はあまりリスニングの勉強に向いていないと思う。

というのは、歌の場面では通常の発音とかなり離れた英語が使われるからだ。これはなにも英語にかぎった話ではない。たとえば外国人の方が「日本語を覚えるためにKing Gnuを歌っているよ」と言ったら、どう感じますか

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VOCALOIDの曲を翻訳しました

VOCALOIDの曲を翻訳しました

『お願いアシュタール』という曲を英語に訳しました。

元はこんな曲です↓

そもそも原曲に外来語がたくさん出てくるのですが、これを英語にする場合には音符の数が変わってしまいます。そこが困難でした。たとえば「ride」が「ラ・イ・ド」の3音に分かれていると、英語にする時には1音か、頑張って伸ばしても2音にしかできません。

というわけでかなり意訳しています。

また前半からサビにかけて「誰が主語なの

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HIPHOP のHIPは「尻」ではない

HIPHOP のHIPは「尻」ではない

HIPHOPはもともと一種の形容詞のようなもので、1970~80年代の初期のHIPHOPは『エレクトロ・ロック』と呼ばれていた。

HIPの意味は「かっこいい」である。以前、べつの記事でcoolの「かっこいい」以外の意味について書いたが、HIPはcoolとはまた趣が異なる。

HIPは「ワカってる」ような意味の「かっこいい」だ。

もとはアフリカの言葉ウィキペディアではHIPは「飛んでいる」という

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人工知能はバカなことを言えますか

人工知能はバカなことを言えますか

最近は人工知能の翻訳がとても自然で、正確で、10年前とは比べ物にならないくらい品質が上がっている。

だが、正確になればなるほど弱点もまた大きくなる。人工知能が進化すればするほど、バカなことが言えなくなるのだ。

人間のバカなところを、私は愛している。

かかって来いや漫画『ONE PIECE』の英語版に、有名な翻訳がある。「かかって来いや」というセリフが「shall we dance?」と訳され

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