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【七転び八起き】

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起業からの七転び八起きの一転び目から八起き目までをまとめてみた。
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2023年12月の記事一覧

【七転び八起きの五転び目②】

【七転び八起きの五転び目②】

 買掛金や光熱費、カードローンの返済を支払うためにプロパフォーマーになるしかなかったというのも珍しい。
 どう考えても月に50万〜70万円の支払いを就職して払える気がしなかった。それが毎月というわけではなく、店を止めた直後の3ヶ月間ぐらいの事とはいえ、現実的に無理な数字。
 いきなり月給手取り70万で雇ってくれてまだ働いてないけど、とりあえず今月分の給料あげるよ!ってトコを探してはみたけど見つから

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【七転び八起きの五起き目①】

【七転び八起きの五起き目①】

 スノーボードW杯のフェアウェルパーティーでパフォーマンスしたり、サンドウィッチマンの番組で紹介されたり、ビアガーデンで投げ銭ライブしたり、NHKラジオの取材受けながらオータムフェストのステージでパフォーマンスしたり……路上で酔っ払いに絡まれたり……チカホでボートを漕ぐフリしてみたり……好き勝手に無邪気に駆け抜けた自称プロパフォーマーの無職30代男性。

 よく考えたらフリーペーパーの広告集めたり

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【七転び八起きの五起き目②】

【七転び八起きの五起き目②】

 流石にジャージではなかったと思うが、もしジャージだったとしたら全力で謝罪しよう。中富良野のとみたメロンハウスに初めて行ったとき、こんなところにこんな観光施設があったのかと正直驚かされた。
 中富良野には斜面にラベンダーが咲き狂ってるぐらいの印象しかなくて、子供の頃の思い出、家族で散歩した田舎のだだっ広い公園みたいなとこぐらいのイメージ。
 それがどうだ?目の前には洗練されたオシャレな空間。メロン

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【七転び八起きの五起き目③】

【七転び八起きの五起き目③】

 オープンから10日目ぐらいに1人じゃ無理だってことを悟った。6月からの中富良野は楽屋を出た舞台女優だ。ステージの上でスポットライトを浴びてラベンダーを纏い全身で観光地という役を演じ切る。それでもまだストーリーは起承転結の起のあたり。
 誰か助けてくれと知り合いに連絡しまくってなんとかギリギリの綱渡り。週末になると何台も何台も観光バスがどこからともなくやってくる、それがこの辺りではどうやらあたりま

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【七転び八起きの五起き目④】

【七転び八起きの五起き目④】

 7月の中富良野はここが人類の最終目的地なのか?ってほど人が集まってくる。ピーク時にはラベンダー畑駅っていう駅も期間限定で稼働し、そこにJRが停車するようになり、その駅からぞろぞろと観光客が援軍の如くこちらに向かってくるのが店の窓からも見える。ノロッコ号という早く走らない観光電車も人気だ。
 そのほとんどが外国からの観光客で、ピーク時の公用語は日本語ではなく英語か中国語なんじゃないかと錯覚するほど

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【七転び八起きの五起き目⑤】

【七転び八起きの五起き目⑤】

 売上的なピークを過ぎて、ただ、そこからは観光地としてのピークが始まる。海の日が終わり、その後は夏休みがスタートするから、当然、家族連れの観光客が増えるわけだ。
 夏休み前にピークが終わるってのは夏の観光地としては意外かもしれないけど、やはりそこはラベンダーの状態に左右されることなので仕方ない。パンフレットの表紙に載ってる分にはいつでも先狂ってるラベンダーだけど、実際のピークはとても短いんだ。

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【七転び八起きの番外編】

【七転び八起きの番外編】

 JAPAN PIZZA EXPOに初出場したときはラバー部門という部門で、練習用のゴム生地を使用してパフォーマンスする部門だった。
 2度目のチャレンジで初めて本物の生地でやる部門に挑戦して、結果は4位だったか5位だったか。その頃は大会用の生地のレシピもなにも知らなかったから、本番のみ本生地でパフォーマンスして、それ以外は全部ラバーで練習していた、アホである。

 3度目の出場時には白いマスクを

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【七転び八起きの六転び目①】

【七転び八起きの六転び目①】

 140日間ぐらいだったかな。1度の休みもなく毎日ピザを伸ばして焼いて駆け抜けた夏が終わった。
 実際、よく1度も風邪を引くこともなく、遅刻することもなく、熱中症になりかけながら、旭川から中富良野まで通い続けたもんだ。
 ふっと気が抜けたんだろうね、確か終わってすぐに風邪をひいて寝込んだ記憶がある。気がつけばそれは秋の風物詩。

 さて、ここからどう転ぶかなんだけど、夏に命懸けで働いて稼いだお金で

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【七転び八起きの六転び目②】

【七転び八起きの六転び目②】

 PIZZA STAND passatempoはゆるりと営業していたけど、もちろんローンを組んだから返済はしなきゃいけないし、潤滑な資金があるわけでもないから、水飛沫を上げないように水面下でバタつく感じでスタートした。
 知人友人家族親戚が順繰りと来てけれれば良いかなと、そんな悠長なノリ……この時にはすっかり忘れていたが、こういうのが1番良くないパターンだ。ハングリーさもアグレッシブさもない状況で

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【七転び八起きの六転び目③】

【七転び八起きの六転び目③】

 これほどまでに散々な結果のために多額の旅費をかけて、1年間練習してきたと思うと、過剰なほどの自信にヒビがはいることもあるだろう。メンタルが強いわけではない、傷が目立たない程度に傷だらけなだけ。

 タクちゃんがお店に加わることが決まり、その流れで初めてのイタリア大会に出場してみることも決めた。タクちゃんは毎年イタリア大会に出場していたので、逆に初めてのラスベガス大会に挑むことに。
 意気揚々とし

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【七転び八起きの六転び目④】

【七転び八起きの六転び目④】

 ラスベガスでは散々な結果を残したが、すぐにイタリア(パルマ大会)が控えていたから気持ちを切り替えた、切り替えるしかなかった。
 毎年ラスベガスは3月、パルマは4月に大会が開催されるのだが、ラスベガスで優勝したチャンピオンがイタリアでは予選を通過できないこともある……そのくらいレベルに差があるという話だった。
 まぁ、ラスベガスで最下位だった自分にとってみればハードルの高さはさして変わらないわけだ

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【七転び八起きの六起き目①】

【七転び八起きの六起き目①】

 ピザ世界選手権、世界2大大会同時最下位という記録は、この記録だけはもしかしたらこの先、誰にも破られないし、前人未到だったかもしれない。なにかないか、なにかくれないか、なにもいらないが。

 タクちゃんも中国のb-boyに敗れ、納得のいく結果にはならなかった。期待と希望に胸を膨らませて挑んだ結果がこれだ、幸先が良いか悪いかと言えばおそらく悪い方だろう。それでもどうだったかと聞かれれば楽しかったとし

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