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平和以外はなんでもある国、コンゴ民主共和国。映画『ムクウェゲ 「女性にとって世界最悪の場所」で闘う医師』を観てきた。🕊

先週の土曜日にこちらの映画を観てきました。
現在全国で公開中です。


監督の舞台挨拶にも参加してきました!

ムクウェゲ氏とは、2018年にノーベル平和賞を受賞した医師です。

コンゴ民主共和国(以下、コンゴと言う)の東部にあるバンジ病院のいう病院を1999年から開設しています。
産婦人科から始めたのですが、今ではレイプによって傷ついた女性たちの心身の治療、そしてエンパワーメントや生活支援などを中心に行なっています。


この映画は、立山芽衣子さんという日本人の方が監督しました。
陸路は襲われるかもしれないから、湖を船で渡って行くくらい、コンゴ東部は危険な地域。


携帯電話を筆頭とした電子機器に使われる鉱物資源が取れ、その採掘権をめぐり争いが絶えません。
映画の中の説明では、1994年に隣国のルワンダ🇷🇼で虐殺が起き、その終息時に過激派がコンゴに流れ、それ以降戦闘が激化したとのこと。(まさかここでルワンダが出てくるとは…)


コンゴはゴムが取れたり、本当に資源が豊富。だけどそれがいつも引き金となり、人々は争います。
武装集団は、レイプを戦争の戦略として使うのです。
女性をレイプし尊厳を失わせ、それは周りの人達の尊厳も傷つけることになります。
そうしてその地域に住めなくさせたり、自分たちの命令に従わせたりします。

暴力として使うため、男性もレイプ被害に遭っています。(いじめの一環として性暴力をするのは、日本でもあります。)

監督は、日本の私たちにも自分ごととして考えてほしいとのこと。

正直場所も行き方もあやふやで、コンゴの人にもなかなか会えません。
それでも、そこで争いの種となっている鉱物資源のもとで、今もnoteを書いたり、その記事を見たりしています。

また、ムクウェゲ氏は、家父長制の価値観がレイプの根っこにあると訴えているようです。
日本も家父長制の価値観は根強いです。
コロナ禍では、DVが増えたとのこと。性暴力は日本でもたくさん起きてます。
先述したいじめのように、手段として性暴力を用いることもあります。

ちなみに、先日アメリカに住んでる知人から、日本への旅行でアメリカ人から心配されていることがひとつあると聞きました。
それは、痴漢です。
スリでも強盗でもなく、痴漢。

確かにって思ったし、同時にものすごく恥ずかしい気持ちになりました……


この映画は、レイプ加害者にもインタビューをしていました。
出てきた加害者は、住んでた地域が襲われ、武装集団に誘拐され、レイプや殺人に加担していたとのこと。
その加害者は、武装集団から解放されても元々住んでいた地域には戻れず、ひっそりと暮らすしかないとのこと。

私はこの話を聞いて以前観た映画、「ビースト・オブ・ノー・ネーション」を思い出しました。

この映画のストーリーはフィクションのようですが、主人公の村が武装集団に襲われ、少年兵にされてレイプや戦闘をさせられる過程が生々しく伝わってきます。


こうした加害者は逮捕されることもあるみたいですが、賄賂やなんやらでろくに処罰もされないみたいです。

ムクウェゲ氏は、法の支配が必要と訴えていました。
きちんと法が執行され、また国際法により、武装集団は裁いてほしいとのこと。
平和を成り立たせるのは適正な「法」であると。


ノーベル平和賞受賞後も、コンゴの状況は変わらないとのこと。
コロナ禍になり、貧困が進み、武装集団に加わる人が増えたとも話していました。
私たちが今ウクライナに注目している間にも、女性たちはレイプされ、病院に運び込まれていると思うと、この映画はぜひ皆さんに観てほしいです!!


日本人が監督というのもあって、すごく見やすいドキュメンタリーだなと思いました。
残酷なシーンなどもありませんでした。
語りの常盤貴子さんも良かったです。

ムクウェゲ氏は、日本語で「利他」という言葉が好きなようです。
自分のことのように相手のことを想う、考えることが今私たちには求められているのかもしれません!


先日、TBSラジオで監督、映画について特集されていました。
ぜひこちらも聴くと理解が深まります!




執筆者、ハイサイ・オ・ジサン

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