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「沖縄慰霊の日」。再び戦場にされる沖縄。

今日6月23日は、「沖縄慰霊の日」です。
1945年の太平洋戦争末期、沖縄戦での組織的な戦闘が終わったとされる日です。
1945年3月26日に始まった沖縄戦では約3ヶ月間、沖縄本島を中心に地上戦が行われ、12万以上の県民が亡くなりました。

沖縄本島南端の沖縄県平和記念公園(糸満市)の「平和の礎」には、日米、軍民合わせて犠牲者約24万人の名前が刻まれています。

今月1日からは犠牲者全員の名前が読み上げられています。



先の大戦で唯一地上戦を経験した沖縄。
狭い島で逃げ場がなく県民が戦争に巻き込まれ軍隊も住民を守ることなく多くの犠牲を出した沖縄が、再び米中対立の最前線にされています。



5月17日、エマニュエル駐日米大使が、在沖米軍トップの4軍調整官とともに、沖縄県与那国島と石垣島を米軍機で訪問しました。
台湾から約110キロにある日本最西端の与那国島を米大使が公式訪問するのは初めてで、民間の与那国空港を米軍が使うのも、沖縄の日本復帰以降、国や県が把握する限り初めてです。台湾有事を念頭に、中国をにらんだ自衛隊の「南西シフト」の最前線で米軍の足場を確保するためのものとみられています。


大使は与那国町長とともに島の西端から東シナ海を眺め、陸上自衛隊与那国駐屯地を訪れ、地元漁協も訪問して漁師らと交流しました。

与那国駐屯地は、防衛省により、中国を念頭に、南西地域の防衛上極めて重要な拠点の一つと位置づけられています。
2022年11月には島で初めての日米合同訓練が行われました。
その際、米兵は自衛隊の輸送機で島に入りましたが、今回の大使の視察は米軍機でした。

 
米国はこれまでも日本の民間空港・港湾を米軍が使用できるように求めてきました。

背景にあるのは、台湾有事にそなえた米軍の作戦構想「遠征前進基地作戦(EABO)」です。

既存の固定基地に依存せず、中国の攻撃圏内に分散して部隊を移動させながら攻撃や補給の「前線基地」を作る戦略です。
EABOには民間の空港・港湾の利用が不可欠なので、米大使視察という名目で米軍機を利用し、米軍の利用を既成事実化する狙いと思われます。

県内では16年以降、与那国島、宮古島、石垣島に陸自駐屯地が相次いで開設され、各地で日米訓練が行われています。
昨年9月と今年3月には米海軍のイージス艦が県の自粛要請を無視する形で石垣島に入港しました。
今回も県は米軍機の使用を避けるよう求めましたが再び無視されました。
いつも沖縄県の意向は無視されます。


全国の米軍専用施設の7割が集中する沖縄。



沖縄県の基地負担は軽減されるどころか自衛隊のミサイル基地や弾薬庫まで増えて、日米の軍事一体化は進むばかりです。
米軍のEABO作戦では、民間の空港も港湾も基地にされ事実上の全島基地化です。
戦闘地域と非戦闘地域の区別はなくなるでしょう。それはつまりかつての沖縄戦の再来です。


県民の平和への願いに反して、どんどん戦争へのレールが敷かれていくようです。
未来へ受け継ぐ平和のバトンはどこへ行ってしまったのでしょうか?


戦争反対 日本に基地はいらないぞ!!




執筆者、ゆこりん

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