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選挙結果振り返り(2024 10.6投票)


 昨日の選挙、概ね「凪」な結果でした。
 ただし、一か所だけ除いて。

 それは、岡崎です。
 この結果は間近に迫った衆院選に対して何を意味しているのか、是非ご覧ください。

 



◎北海道・森町長選挙

 2期目を目指す現職に元職が挑む一騎打ちは、現職が2選を果たしました。

 現職が自民系の支持を受けているのに対し元職は神奈川県大和市で会社社長をしているというコトで現職の信任投票の様相が見えましたが、結果、3倍近い差をつけて現職の勝利。 投票率も前回から9.45ポイント下がりましたがそれでも62.90%あるので、現職は概ね支持されたと見て良いでしょう。

 しかし、元職の公約「最低賃金を東京より高くします」って、どーやってやるつもりだったのだろう・・・


◎宮城県・多賀城市長選挙

 2期目を目指す現職に元市議が挑む一騎打ちは現職が2選を果たしました。

 現職は自民系の44歳。 対する新人は共産の推薦を受ける70歳。 とコチラも結果は見えていた選挙ですが、対立候補が出てくれたおかげで現職の信任度合が票という数字となって表れるので、ヨシとすべきでしょう。

 結果、約80%の得票率で現職の圧勝。 若さと1期目の実績(子ども医療費助成制度の所得撤廃、高齢者の市民バス無料、等)が評価され、多くの支持を集めました。


◎福島県・飯館村長選挙

 2期目を目指す現職に造園業の新人が挑む一騎打ちは現職が2選を果たしました。

 東日本大震災から13年半経ちましたが、原発事故の影響で町の全域に出されていた避難指示が大部分で解除されたのが昨年5月。 南部の地区では未だ解除されていませんが、やっとこれから復興が始まるという状況です。 町の広報紙には未だに各地区の放射線測定値や飲料水や農作物の放射性セシウム測定値が載っています。

 現職の選挙事務所には自民&立憲の国会議員から贈られた為書きが並んでいました。 一方の新人はニュース映像を見ると「丸首白Tシャツ」で写真に写っています。
 候補の写真(特に新人候補)は選管で立候補届出をしたアトに報道陣に囲まれて撮影されるコトが多く、この人もそれだとしたら、そんな服装で町長選の届出を出しに行ったというコトになるワケで、、、 まぁ、そういう結果になるかと思われます。

(「今週の選挙 10.6投票」より)

 と、先週書いた、まさにその通りの結果となり、新人は得票率10%未満で供託金没収となりました。 先述「対立候補が出るコトで現職の信任度合が分かる」と書きましたが、それが誰でも良いワケではなく、ある程度ヤル気が見える人じゃないとその役目も果たせないのです。
 それが “丸首白Tシャツ” じゃあね・・・ 勿論立候補は自由では有るのですが・・・


◎東京都・昭島市長選挙

 3期目を目指す現職に弁護士の新人が挑む一騎打ちは現職が3選を果たしました。

 大型物流センター建設に反対する団体と共産が新人を支持し争点として掲げていましたが、自公都ファが推薦する現職はこの件にほとんど触れていなかったため、来年2月着工予定という計画は揺るぎなく市民も支持しているように見えていたのですが、結果こそ現職が勝ったものの新人が約43%の得票を獲得しており、この計画が市民の間で賛否が分かれているコトが見えてきました。
 先述の3選挙と同じく現職の圧勝になると思っていたので、この結果は驚きです。 現職はもう一度市民の声を聞く必要が有るのではないでしょうか。


◎新潟県・長岡市長選挙

 3期目を目指す現職に国税庁の元課長補佐が挑む一騎打ちは現職が3選を果たしました。

 近くにある柏崎刈羽原発については両候補とも「市民の不安が解消されない限り再稼働すべきではない」としており、73歳の現職 vs 55歳の新人という「世代交代」以外は特に争点が無い選挙でした。 
 新人は財務省や国税庁で務めたあと税理士として働いており “経済のプロ” をアピールしていましたが、組織力で劣っていたコトと今まで政治活動をしてこなかった人が突然現れて「 “経済のプロ” が長岡を変える!」と言われても「上から目線」に見える、という声をチラホラ見ました。 もう少し上手い戦略が有ったような気もします。

 さて、地元(与野党)国会議員等の応援を受けて得票率約58%で勝利した現職。 73歳という年齢がネックになったか、やや新人に迫られましたが順当な勝利といって良いでしょう。
 気になるのは、現職の市政報告会(という名の決起集会)に、長岡市を含む衆院新潟4区の国会議員が来ていましたが、自民の鷲尾英一郎氏と立憲の ツイ廃 米山隆一氏は参加していましたが、自民の泉田裕彦氏の姿が確認できなかったコト。 区割り変更で新潟は選挙区がひとつ減り選挙区替えを強いられる候補がいる中、4区に自民が現職議員が2人いて未だに自民はどちらを公認するか決めていない中で、大票田の長岡市でその対応はどうかと・・・ もしかしたら比例に回るのでしょうか。


◎石川県・羽咋市長選挙

 2期目を目指す現職に元市議が挑む一騎打ちは現職が2選を果たしました。

 新人は夫が県議で市議を1期途中で辞しての立候補。 県内最年少市長&羽咋市初の女性市長を目指しましたが、やはり馳浩知事や自民国会議員の為書きがズラリと並ぶ現職には厳しかったか得票率4割に届かず敗れました。

 元日の能登地震では液状化現象で約3,700棟の被害が出た羽咋市。 復興が急務な中で、市民はより変化を求めず確実さを求めたのでしょう。


◎愛知県・岡崎市長選挙

 2期目を目指す現職に、前回敗れた元職と、元市職員、音楽スクール社長の新人2人が挑む選挙は元職が4年前の雪辱を果たし市長に返り咲きました。

(2020年に現職が出した公報)
(クリックやタップで拡大してご覧ください)

 「コンベンションホール80億円をやめて5万円を配る」という公約を大々的に掲げたものの、あっという間に無理筋な話だとバレ、当選後わずか1か月で頓挫した件から4年。 その審判が下され、現職は市民から「否」を突きつけられた形です。
 当選した元職は自民系で親もかつて市長で、しかも “とんでもない選挙違反” をやらかして辞職した人の世襲なので、ただでさえ「自民には入れない」を最近のモットーとしている私から見れば認められない人物ですが、それ以上に「ウソつき」は許せないので、然るべき結果でしょう。

 そんな中で “第3の候補” として出てきた元市職員がいて、現在は「官と民の連携をお手伝いするコンサル会社」のCOOをしているという経歴と36歳という若さで、現職と元職が潰し合いに明け暮れてる隙間からスルっと当選しちゃうかもと見ていましたが、運動の規模が手作り選挙の域を超えておらず、他自治体の若手首長(美濃加茂市長とか)からの応援も少なかったため、ムーブメントを起こすコトは出来なかったようです。

 あと、もう一人「音楽スクール社長」なんて人も出ていましたが、街頭演説ならぬ「街頭DJ」をするコトが最大の目的の人なので、供託金没収になりましたが本人は満足なのでしょう。 100万円払ってDJ活動した感想を聞いてみたいものです。


◎愛知県・岡崎市議会議員選挙(定数37/54)

 現職31人、元職1人、新人22人が立候補し、党派別では公明が4人、維新が3人、共産が2人、立憲・参政・「諸派」が1人ずつ立てた、女性候補11人の選挙は、現職5人、新人12人が落選し、女性候補は5人当選しました。

 まず最初にお伝えすべきは、またしても 「〇〇新党」シリーズのウソ臭い党名で立候補した “ステルスN国” が落選したコト。 選挙運動も活発ではなかったようですが、市民の賢明な判断に敬意を表します。 有難う御座います&おめでとうございます。

 前置きはこの辺にして、なんと維新3候補が全員落選しました!!

(統一地方選後の東海ブロック戦績)
(クリックやタップで拡大してご覧ください)

 改選前には誰も維新議員がいない中、岡崎市議会は会派結成に3人以上必要だというコトで一気に3候補立てたのですが、市内に支持基盤も無い上に候補全員50overのオッサンで維新らしさも皆無。 そんな相手に票が集まるワケも無く、全員討死に。 3候補の票を足して2で割っても当選ラインに届かず、1候補通すのが精いっぱいな現状だというコトが明らかになりました。
 維新は2021年頃まではこういうコトをたまに起こす、地方選挙下手くそ政党だったのですが、藤田幹事長になってから適正な候補者数の見極めが出来るようになり、それが昨年の統一地方選~同年8月(大阪万博のズンドコがバレるまで)の躍進に繋がっていたのですが、 党が兵庫県知事問題も加わりそんなトコまで見ていられなくなったのか、またおかしなコトになっています。 こーいう結果が表に出ると現状の党勢と繋げられて恥かくダケなのにね・・・

 一方、参政党は当選を果たしました。

(2024年の参政党戦績)
(クリックやタップで拡大してご覧ください)

 先週の三田市議選もそうでしたが、神谷独裁者代表が2回応援に入っています。 ゴレンジャー体制だったら他の4人に振るコトも出来たろうに自らワントップの道を選んだせいでアチコチ奔走している神谷独裁者代表。 先週はダメでしたが今週は上手く行きました。
 党中央は衆院選に向け候補者の大シャッフルを敢行するなど相変わらずガッタガタですが、地方では確実に議席を伸ばしています。 参政党を語る際はこの点を見逃してはいけません。

 それにしても女性候補が半数以上の6人落選したのは残念ですが、その中でコロナ禍の中でアメリカに1か月行き議会をサボったコトで辞職勧告決議を喰らった女性現職を42位で落選させており、ステルスN国の件や市長選の結果を見ると市民はちゃんと市政を見て然るべき判断を下したのでしょう。


◎香川県・観音寺市議会議員補欠選挙(定数4/7人)

 県議選に出馬した議員が3人、お亡くなりになられた議員が1人出て、それを補う選挙で、元職2人、新人5人が立候補した、女性候補1人の選挙は元職1人、新人3人が当選しました。

 抜けた議員は自民が3人で国民民主が1人。当選した顔ぶれを見ると自民系が3人に39歳の税理士で、概ね順当な結果だと言えるのではないでしょうか。
 女性候補は僅かに届かず次点となりましたが、来年の本選に(もし出るなら)次に繋がる結果だと言えるでしょう。


◎大分県・九重町長選挙

 3期目を目指す現職に元町議の新人が挑む8年ぶりの選挙は現職が3選を果たしました。

 現職は町議3期を経て町長に就任した人で、大規模な防災政策の実現を掲げ、元町議は2007年から町議を2期務めて2015年には出馬せず退任した人で、九重町の名所、九重 “夢” 大吊橋を活かした観光施策(バンジージャンプ設置、ライトアップ、滝への散策路整備など)を訴えていました。
 結果は現職が約6割の票を得て勝利。 町民はより堅実な方を選択したようです。 ただ4割が新人に流れたコトも事実で、現職にはこの点も加味して4年間の町政を担っていただきたいものです。



以上です
当選された皆様の御活躍をお祈り申し上げます


「選挙結果振り返り」テーマ曲
ギターパンダ / 選挙に行ったけど



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