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即興詩(散文詩)

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シンガーソングライターが即興で書く詩。 時々これは詩なのか?と思いますが、詩です。 無料で読めます。一日一作が目標。 全作ここに入っております。 月毎のマガジンに整理中。そちらも… もっと読む
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#散文詩

2021/10/10 即興詩 「学ばない男 - irreversible regret - 」

2021/10/10 即興詩 「学ばない男 - irreversible regret - 」

まさかでした
こんなに早くあなたに会えなくなるなんて
思ってもみませんでした

思えば そういえば元気にされているかなと
脳裏をよぎったとき
それはきっと
神様が会いなさいと教えてくれていたのでしょう

僕はいつも
なんだかんだと理由をつけて
先送りにしておりました
むろん 会いたくなかったわけではございません
会いに行くには お金が淋しいとか
会いに行くのに 口実がないとか
その時の僕には それ

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2021/09/27 即興詩「同じ過ち」

2021/09/27 即興詩「同じ過ち」

緊迫した空気に耐えられなくて
そのまま私はまっすぐ部屋を出た
身体が苦しいと叫んでいるそれは
実は初めてのことではなかった

どうしてこうなってしまうんだろう
わたしだけ
わたしだけ
情けないなあ
何度もこんな風に
馬鹿だなあ

どの環境でも同じわけではない
ただ わたしが恐れているのは
同じ失敗をすること
またやってしまうと思うから
またやってしまう

同じ失敗を繰り返すのは馬鹿だと
まるでお経

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2021/09/26 即興詩「見えないフリとどうしようもない僕」

2021/09/26 即興詩「見えないフリとどうしようもない僕」

君が好きだというから
僕は手を繋いだ
君が嫌いだと言えば
僕は手を離すだろう

そうやって
主導権を誰かに委ねて仕舞えば
僕は一生
致命傷を負わなくて済む

わかってるんだ
格好がつかない生き方だということを
けれど
僕の与えられた自由の中で生きることに
誰がケチをつけられるんだ?

え?
お前自身はどう感じているんだって?
そりゃあんた

いい加減、やめたいよ

だけれど
僕の気持ちを整理

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2021/09/25 即興詩「きたえるということ」

2021/09/25 即興詩「きたえるということ」

きたえる
きたえつづける
いつしか僕らはそれを
青春を彩るものとして脳裏に映し出していた
そんなことはない
きたえつづけるのだ
明日の今を 輝かせるために

こころをきたえる
匂いを感じた時に
いいイメージを持つために

からだをきたえる
こうしたい ああしたいを
形にし続けるために

こころざしをきたえる
初志貫徹は結果であり
志は心の変化とともに 変わるもの

こんじょうをきたえる
根性なしと

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2021/09/21 即興詩「come on, come over」

2021/09/21 即興詩「come on, come over」

きっかけは
向こうからはやってこない
常にわたしが
仕掛けるもの

とはいえ
頭でっかちに
意図的に
起こるものでもない

状態の話をしている
私が今
何を感じていて
何を望んでいて
何を志すのか

1秒ごとに
極々僅かに
変化していくそれを
適切なタイミングで察知していく

疲れたら 眠れよ
疲れるまで 動けよ
動かされるのではなく
動いている自覚を持てよ

動いて 感じて
動いて 感じて
それ

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2021/09/18 即興詩「ゾンビ」

2021/09/18 即興詩「ゾンビ」

見て見ぬ振りは出来ないから
ちゃんと 立ち止まろう
あるがままに生きるために
今日一日 死に切ろう

昨日までの日々が
ゾンビみたいに
今日に生き返ってくるとしたら
いつまでも 死ぬことはできない

ちゃんと生ききって
それから死のうと
それくらいしか できない

2021/09/17 即興詩「勇気」

2021/09/17 即興詩「勇気」

受け止め続ける勇気を
私にください

惨めな私を
悲しい私を
悔しい私を
情けない私を
至らない私を
暴れそうな私を
傷つきやすい私を

受け止め続ける勇気を
私にください

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一歩一歩進むためには、一つ一つ受け止めるしかないのだと思います。

2021/09/14 即興詩「穴」

2021/09/14 即興詩「穴」

明かりが灯っていれば
気づいたであろう穴は
私の足に手をかけ
ゆっくりと引きずりこんでいった

すでに朦朧としていた意識は
なにが生じているかを読み取ることもなく
ただただ
奈落の底へ向かうことだけを
無意識に伝えていた

目を覚ますまで
僕は夢を見ていた
打つ手がない 絶望した夢
つい数時間前まで
希望や妄想にふけっていたくせに
その穴にやられてからは
失意の底にいた

穴よ 
穴よ 
穴よ

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2021/09/12 即興詩「非マニュアル化」

2021/09/12 即興詩「非マニュアル化」

誰かが言葉を添えなくとも
そこに価値はあるし
受け取る側に
委ねてほしい

信じることは
期待することじゃない
何があろうとも
そのまま包み込む
己の覚悟

油断してると
己の煩悩に食い散らされる
頭の中にある 引き出しよりも
目の前のそれに 向き合うこと
私とあなた
私と書物
私と事件
全て 二つの間にしか
答えは存在しない

素晴らしいマニュアルがあるなら
それは手順ではなく
心構えを示すもの

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2021/09/08 即興詩「『流れるまま』の意味」

2021/09/08 即興詩「『流れるまま』の意味」

泣くんじゃない
その一言が
流れ出る感情をせき止めた

せき止められた水は
いずれタンクを破裂させる
行き場のない思いは
自分の体に亀裂を作る

身体と心は同義だ
バラバラに動くことはない
押し殺すことになれてしまったら
現代人みたいになってしまうんだ

生き生きと はつらつと
生きようとしていることが
今 そのように生きられないという事実を
物語る

そうじゃない
生き生き はつらつは
結果であ

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2021/09/07 即興詩「憧れた心の写真」

2021/09/07 即興詩「憧れた心の写真」

坂を登った先に
白い灯台が見えるらしい
その向こう側には
海が見えるそう

僕はまだそこへ足を運んだことがない
その海を見てしまったら
きっと美しいし
それ以上のものに
出会わないんじゃないかって

そうやって過ごす今も
いつかは過去になり
そんな風に考えていることを
僕は僕から上から目線で笑われるのだろう

それでもいい
今は
頭の中で広がる想像を
じっくりと 味わいたいのだ

------

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2021/09/05 即興詩「ひこうき雲」

2021/09/05 即興詩「ひこうき雲」

ひこうき雲は
空を股にかけ
私の思いを
どこかにつなぐ

繋がれた先に
わたしがいることを
今は まだ知らない

その向こうにある漠然としたなにかに期待しながら
その何かを作るのは自分だということを
今は まだ知らない

誰に期待するより
自分に期待するとき
私のひこうき雲が残っていくことを
今は まだ知らない

———

ひこうき雲というと、もう心は完全に荒井由実さんに満たされてしまうくらい、曲

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2021/09/04 即興詩「追憶のオーバーラップ」

2021/09/04 即興詩「追憶のオーバーラップ」

あんなに鳴いていた蝉の声が
いつしか鈴虫の鳴き声にすりかわり
線香の香りがどんどん薄れ
知らない間に 扇風機が仕舞われている

久しぶりに
熱いコーヒーを入れた
飲み終わる頃には
次なる暖を探すことと思う

そうやって流れていく季節に
だんだん何も感じなくなっていく
夏の終りに感じていた寂しさが
まるで事務処理のように
シュレッダーにかけるものになる

カレンダーに目をやると
時折 ふと思い出す

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2021/09/03 即興詩「すきな言葉」

2021/09/03 即興詩「すきな言葉」

大きな大きな
まあるい円に
たくさんの言葉を書こう
なんでもいいよ
すきな言葉を書こう

その中に書かれた言葉が
君を作る言葉
わたしと君は
同じ言葉を書いていたとしても
まるっきり同じわけではない
そうだよ
同じようで ちがう人間なんだ

もしそこに
きたない言葉があっても
落ちこまなくていい
言葉は
えらぶことが出来る
のぞまない言葉を
使わないことが大切

同じように
だれかとお話しするとき

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