見出し画像

日本が奴隷貿易の加害者にされている件

戦国時代の日本は奴隷貿易をやっていて、織田信長には黒人の侍が仕えていた、日本こそが奴隷制の加害者だった、みたいな真偽不確かな話が出回っている。確かに当時の日本は南蛮貿易をやっていて、ポルトガルやスペインの商人が奴隷にしていた黒人を日本に連れてくる、ということはあった。大航海時代でもあった当時、ポルトガルとスペインは勝手に世界を分割統治する、みたいな事を大真面目にやっていた。そして宣教師が連れていた黒人を信長が気に入り、譲り受けて家来としていたというのは、信長公記などの史料も残っていることから概ね事実と見ていい。

ただ、弥助(やすけ)と名付けられたこの黒人は名字を持っていなかった事から侍であったかどうかは全く不明で、そのように裏付ける史料もない。本能寺の変までは信長に仕えていたものの、それより先は行方が全くわからない。何より日本が奴隷貿易をしていたなどという史料も存在しないし、それは海外の史料にだって恐らく無い。

ではなぜその話がここまで拡散されてしまってるかと言えば、弥助研究の第一人者とされるトーマス・ロックリーという人物の「創作」が発端らしい。近年のポリコレに端を発するキャンセルカルチャー、それが暴徒化するにまで至ったBLM運動では奴隷を所有していた歴代の米大統領の像が引き倒されるなど、「歴史の見直し」が大きく叫ばれた。黒人を奴隷としていたアングロサクソンの側としてはこの「悪」を誰かに帰責することで自らの「悪」を相対化させたい、「自分たちは黒人を奴隷にしたけど日本もやってたよ!」と言いたいわけだ。

ロックリーが弥助を黒人奴隷被害者の象徴として祭り上げ、「日本こそが率先して奴隷貿易をしていた奴隷制の加害者」をプロパガンダしまくったことで弥助のアニメも制作され、ついには映画化まで企画され、より世界に拡散されようとしている。尚、ロックリーは竹中平蔵ともなかよしだそうで、それだけで日本を貶めることに何の躊躇もない人物だろうことが伺える。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?