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てのひらの物語

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物語を綴るように、体験を通したエッセイ。
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#幻想的な風景

霧の朝に

霧の朝に

霧雨にしっとりと濡れながら

白く煙る景色の中に佇んでいると

夢の中に迷いこんでしまったような

ぼんやりとした心持ちになってくる

港の方では何度も霧笛が鳴っている

その音に誘われるかのように

靄に包まれ歩いてゆくと

このままどこか知らない世界へ

吸い込まれてしまうような気がする

こんな霧の朝に

自分と同じ姿をしたもう一人の自分

ドッペルゲンガーに

会ってしまうのかもしれない

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霧の中に見えてくるもの

霧の中に見えてくるもの

朝起きると、海の方から霧笛の音が聞こえる。
ああ、霧か…
そんな時はカーテンを開けなくとも、窓の外には煙るように白く濃い霧が、辺り一面たちこめている情景が目に浮かぶ。

私が住む場所は周りをぐるりと海に囲まれた島(と言っても街はすぐそこで、短い運河橋で繋がっているので島を意識することはあまりないが)なので、一年を通して霧がよく発生する。
霧の日は、海上を航行する船同士が衝突しないように、何度も霧笛

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