はんはん

春眠あけで寝ぼけてます♪

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記事一覧

ふにゃふにゃバネと号泣

 畳の上で号泣する彼女を見て感動した。そして、うらやましいなと思った。僕の失ったものを持っているから。  くやしさをバネに成長する。その機会を得るためには、結果…

はんはん
12日前
19

【小説】ブラックベリー症候群(978字)

「やっぱり、お子様ランチにしたらよかったのに」  僕が言うと、中学一年生になったばかりの娘が、ふてくされた顔でそっぽを向いた。  月に一回のレストランディナーで…

はんはん
2週間前
29

【小説】勝利の女神(408字)

 「女神アルデラートよ! 我に勝利を!」  「女神ラトルデ! 勝利の栄光をわが身に与えたまえ!」  二人の騎士が剣を抜き、女神に加護を祈る。  ともに卓越した技…

はんはん
3週間前
16

【小説】汗ばむ理由(483字)

 大量の汗が全身からふきだす。  理由は夏の暑さのせいじゃない。  梅雨のじめじめとした湿気もひどいがそれでもない。  今まさに、上司から告白を受けたのだ。  三…

はんはん
4週間前
23

マシュマロとめまい

 僕は、めまい持ちである。才能はまったく持ち合わせていないのに、持病なんかは各種取り揃えている。神様の悪意を感じる。  良性発作性頭位めまい症というやつで、目が…

はんはん
1か月前
26

コメントで癒される(しかも無関係の)

 知性は記事にあらわれるが、性格と為人はコメントにあわられる気がする。  人さまの記事を見てると、このおもしろい内容にはどんなコメントがつくんだろうと気になる。…

はんはん
1か月前
30

犠牲にまみれて見えなくなっちゃう

 何かを得るためには犠牲が必要だ。  生きている年月分、犠牲は増え続ける。  そして得たもの…エタモノ…あれ?    なんだっけ?  山とつまれた犠牲をひっくりかえ…

はんはん
1か月前
33

noteには、いつも誰かいる

 深夜バイトなんかしていると、昼夜逆転の生活になってしまう。夜中と明け方に徘徊する孤独なマイライフ。  しかしnoteには、いつも誰かがいる。  記事を書けば、夜…

はんはん
1か月前
41

羊文学と京極夏彦

 深夜のバイトを終えて、家に帰るとまずは半身浴。いったんおちつくと、動けなくなっちゃうからね。  朝の6時に湯船につかりながら、耳から羊文学。目には京極夏彦。濃…

はんはん
1か月前
36

【小説】あなどれない遺伝子と、君にだけ聞かせるヘビーローテーション(951字)

 ららら~♪  鼻歌まじりに洗濯物を干す。  無意識に歌ってしまうのは、母からの遺伝だろう。  騒がしい母と、静かに微笑む父。  まったく違う性格なのに、相性はバ…

はんはん
1か月前
17

キレイなカタチ

 キレイな物語を書こうとして手がとまる。  頭の中ではピカピカした風景が浮かび上がるのに、キーボードの手はとまったままだ。  もっともらしい理由を付けて、パソコン…

はんはん
2か月前
21

雨男を患う

 雨男なのだ。僕は。困るのだ。  僕自身は、それほど苦にならない。ボリューム大き目で鼻声歌えるし、濡れるのも平気だ。大ぶりの傘でも髪の毛が濡れるぐらい、僕は傘の…

はんはん
2か月前
24

湯船に本を落とした時のリアクションってどれが正解?

 半身浴中に、いっしゅん寝ちゃった。  いつもなら「やば! 寝ちゃったよー。あぶなかったー」ですむ。  今回はドボンという音と、ソフトタッチに足に当たる本の感触で…

はんはん
2か月前
35

はんはんからのお願い ※【小説】について

 実は小説書いたりする。と言うよりそっちがメインだ。今、思い出したよ。  小説書くときはタイトルに【小説】って入れます。なので、人の書いた小説に興味ない方はスル…

はんはん
2か月前
28

創作論オーバードーズ

 創作論を読むのが楽しい。読みまくってる。それだけで気がすんで寝る。まるで睡眠薬だ。  『長編が書けない』なんてかわいらしい悩みを胸に創作論をのぞきまくるのだが…

はんはん
2か月前
59

風情を箱がコロス

 数年前、風鈴を買った。古道具屋で安いの一つ。  風鈴が好きでもなんでもなく『風情を楽しむ大人な自分って素敵』ってやつ。いつものやつね。僕は形から入るタイプだ。 …

はんはん
2か月前
42

ふにゃふにゃバネと号泣

 畳の上で号泣する彼女を見て感動した。そして、うらやましいなと思った。僕の失ったものを持っているから。
 くやしさをバネに成長する。その機会を得るためには、結果に向き合う必要がある。試合の勝ち負けや、公募・コンテストの受賞結果に。
 僕は言い訳と諦めを混ぜ合わせて、くやしさを感じないようにしている。安全な所から池に石を投げるのだ。跳ね上がる水しぶきが僕にかかることはない。乾いた僕は涙も出ない。くや

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【小説】ブラックベリー症候群(978字)

「やっぱり、お子様ランチにしたらよかったのに」

 僕が言うと、中学一年生になったばかりの娘が、ふてくされた顔でそっぽを向いた。
 月に一回のレストランディナーで、娘は『ブラックベリーソースのポークソテー』を頼んだのだ。
 それは、妻が毎回あきもせず注文していたメニューだった。

 去年までは、毎月三人で来ていた。
 今では、娘と僕の二人だけだ。
 運の悪い事故のせいで、妻はもう僕のそばにいない。

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【小説】勝利の女神(408字)

 「女神アルデラートよ! 我に勝利を!」

 「女神ラトルデ! 勝利の栄光をわが身に与えたまえ!」

 二人の騎士が剣を抜き、女神に加護を祈る。
 ともに卓越した技量を持つ美剣士で、観客がいないのは残念ですらあった。
 だが、この一騎打ちによって国の命数が決まる。

 両者は、己の信じる勝利の女神へと祈りを込めた。

「やばい。どうしよう」

 雲上の神殿にて、美しい女が悩まし気に身をよじる。

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【小説】汗ばむ理由(483字)

 大量の汗が全身からふきだす。
 理由は夏の暑さのせいじゃない。
 梅雨のじめじめとした湿気もひどいがそれでもない。

 今まさに、上司から告白を受けたのだ。
 三歳上の美しい女性が、僕に付き合わないかと。

 告白をした本人である彼女は、涼しい顔でよゆうの微笑だ。
 対する僕は、スーツの中をまるでサウナのようにして、シャツを背中に貼りつかせている。

「別に深く考えることはないのだけれど」

 

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マシュマロとめまい

 僕は、めまい持ちである。才能はまったく持ち合わせていないのに、持病なんかは各種取り揃えている。神様の悪意を感じる。
 良性発作性頭位めまい症というやつで、目が覚めればいきなり世界が回っている。その遠心力で、常時車酔いのデバフがかかるのだ。たぶん皆が思ってる四倍ぐらいしんどい。ほんとしんどい。
 金曜日の夕方から、それが始まった。めまいの期間はまちまちで、二時間から三日間ぐらいが多い。快調になるま

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コメントで癒される(しかも無関係の)

 知性は記事にあらわれるが、性格と為人はコメントにあわられる気がする。
 人さまの記事を見てると、このおもしろい内容にはどんなコメントがつくんだろうと気になる。フォロバお礼などの社交辞令も多いが、心温まるやり取りもあったりする。
 そういう時、まったく関係のない人にスキとかしてしまう。もしかして気持ち悪い? なにこの人こわい! ってなっちゃうのかな。
 素敵なコメントしてる人や、負けないぐらい素敵

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犠牲にまみれて見えなくなっちゃう

 何かを得るためには犠牲が必要だ。
 生きている年月分、犠牲は増え続ける。
 そして得たもの…エタモノ…あれ?
 
 なんだっけ?

 山とつまれた犠牲をひっくりかえしても、何も見つからない。
 払った犠牲と等価どころか、影も形もない。
 
 そんなこと、なーい?

 小説を書こう! なんて思い立ってから二年ほどがすぎた。
 いくつかの犠牲を払ったつもりなのだが、これもまた犠牲のみを積み重ねること

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noteには、いつも誰かいる

 深夜バイトなんかしていると、昼夜逆転の生活になってしまう。夜中と明け方に徘徊する孤独なマイライフ。
 しかしnoteには、いつも誰かがいる。
 記事を書けば、夜中でもスキがつく。明け方にフォロワーを見れば、数分前に記事を書きあげた人がいる。いつも誰かいるのだ。
 いつだって、やわらかな繋がりがあり、誰かの息を感じる。
 新人さんの自己紹介に応援を送り、濃ゆい趣味人にニッチな共感を得る。楽しい。た

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羊文学と京極夏彦

 深夜のバイトを終えて、家に帰るとまずは半身浴。いったんおちつくと、動けなくなっちゃうからね。
 朝の6時に湯船につかりながら、耳から羊文学。目には京極夏彦。濃ゆい。
 とても至福な時間。もちろん寝たら地獄。京極夏彦がおぼれることになる。
 羊文学は、アニメ平家物語OP『光るとき』で即堕ち。大好きになった。
 アニメや映画などの映像が主体のものも、やっぱり音楽は大事なんだなって思う。流れる曲が気に

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【小説】あなどれない遺伝子と、君にだけ聞かせるヘビーローテーション(951字)

 ららら~♪

 鼻歌まじりに洗濯物を干す。
 無意識に歌ってしまうのは、母からの遺伝だろう。
 騒がしい母と、静かに微笑む父。
 まったく違う性格なのに、相性はバッチリだった。

 るるら~♪

 彼と同棲をはじめて一週間。
 不安や心配をよそに、ただただ楽しい毎日。

「わたしは~♪ しあわせ~♪」
 
 もちろん、こんな大声で歌いながら家事するとこなんて見せないけどね。
 二歳年上のわたしは

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キレイなカタチ

 キレイな物語を書こうとして手がとまる。
 頭の中ではピカピカした風景が浮かび上がるのに、キーボードの手はとまったままだ。
 もっともらしい理由を付けて、パソコンを閉じようとする。
 今日は気分がのらない。もうこんな時間だから。
 毎日のように、僕は夢へのドアを閉じる。

 小説家へのあこがれは、まだ心に残っている。
 何度も才能がないとあきらめて。あきらめきれなくて。あきらめて。
 
 日の当た

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雨男を患う

 雨男なのだ。僕は。困るのだ。
 僕自身は、それほど苦にならない。ボリューム大き目で鼻声歌えるし、濡れるのも平気だ。大ぶりの傘でも髪の毛が濡れるぐらい、僕は傘の扱いが下手なので慣れてしまった。
 でも、友人たちを困らすのは悲しい。バイクでのツーリング時に雨が降ると、皆が決まって僕を見る。うらめしそうな顔で。楽しい思い出だ。
 雨男バイオリズムにも周期があるらしく、四十歳から和らいだ。このまま人生を

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湯船に本を落とした時のリアクションってどれが正解?

 半身浴中に、いっしゅん寝ちゃった。
 いつもなら「やば! 寝ちゃったよー。あぶなかったー」ですむ。
 今回はドボンという音と、ソフトタッチに足に当たる本の感触でおきた。手遅れだ。
 本は古本屋さんで百円。しかも読むのは二回目。なので物的損害はちょびっと。
 あとは心の問題。自分で心のケアをしないと手遅れになってしまう。
 とりあえず本を救助するけど、すでに瀕死。横から見たら『~』こんな感じにナミ

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はんはんからのお願い ※【小説】について

 実は小説書いたりする。と言うよりそっちがメインだ。今、思い出したよ。
 小説書くときはタイトルに【小説】って入れます。なので、人の書いた小説に興味ない方はスルーしてね。
 小説投稿サイトではないので、エッセイや日記、情報記事に興味はあるけど小説には興味がわかない方イッパイいると思う。
 もしくは僕みたいに、自分の小説とそれに対する評価は気になるけど、人さまの小説はそれほど…なんていうちょっとアレ

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創作論オーバードーズ

 創作論を読むのが楽しい。読みまくってる。それだけで気がすんで寝る。まるで睡眠薬だ。
 『長編が書けない』なんてかわいらしい悩みを胸に創作論をのぞきまくるのだが、『タイトルの上手なつけ方』や『飽きられない小説の理由』なんてものに興味をもっていかれる。
 頭痛薬を探してるのに、いつの間にか咳止めも鼻炎薬も飲んでる感じ。ガバガバいっちゃってる。そして副作用で眠くなる。
 なにをしてるんだろう僕は? と

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風情を箱がコロス

 数年前、風鈴を買った。古道具屋で安いの一つ。
 風鈴が好きでもなんでもなく『風情を楽しむ大人な自分って素敵』ってやつ。いつものやつね。僕は形から入るタイプだ。
 ベランダの物干し台にぶら下げて、風がふくのを待つ。
 しばらくして。

 ちりん! ちりん! ちりん! ちりん!

 大はしゃぎだ。僕ではなく風鈴が。
 僕はなぜか「ごめんって!」と謝りながら風鈴を止める。即、撤去だ。
 脳内イメージで

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