雨男を患う

 雨男なのだ。僕は。困るのだ。
 僕自身は、それほど苦にならない。ボリューム大き目で鼻声歌えるし、濡れるのも平気だ。大ぶりの傘でも髪の毛が濡れるぐらい、僕は傘の扱いが下手なので慣れてしまった。
 でも、友人たちを困らすのは悲しい。バイクでのツーリング時に雨が降ると、皆が決まって僕を見る。うらめしそうな顔で。楽しい思い出だ。
 雨男バイオリズムにも周期があるらしく、四十歳から和らいだ。このまま人生を全うできるかと思っていたのだが、最近また波が来てる。そこそこのビッグウェーブ。
 オカン家(歩いて五分)の、行きと帰りだけ降ったりする。家にいる間は止んでるのに。呪いだ。おそろしい。
 四十歳から五十歳の十年だけ、症状(もしくは呪い)が収まったのも気になる。気になるな。逆に、こっちのほうが気になるな。
 謎が謎を呼ぶのだ。

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