犠牲にまみれて見えなくなっちゃう

 何かを得るためには犠牲が必要だ。
 生きている年月分、犠牲は増え続ける。
 そして得たもの…エタモノ…あれ?
 
 なんだっけ?

 山とつまれた犠牲をひっくりかえしても、何も見つからない。
 払った犠牲と等価どころか、影も形もない。
 
 そんなこと、なーい?

 小説を書こう! なんて思い立ってから二年ほどがすぎた。
 いくつかの犠牲を払ったつもりなのだが、これもまた犠牲のみを積み重ねることになるのか。

 数年後には小説を書こうなんて奮起した記憶も薄れ、なんで僕はこんなことをしているのだと、自問自答するのかもしれない。
 めくるアルバムには犠牲だけが大写しに飾られ、なんの卒業アルバムだったのか謎のままに本棚にしまいこむ。

 それは、まずい。
 っていうか、かなしい。

 そうならないためにも努力を惜しまず、さらに犠牲の山を築こう。
 頂上で「小説家になりましたー!」と叫びたいのだ。

※このエッセイ(これエッセイかな?)は、クロノヒョウさんの企画に参加したものです♪
 

 

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