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読書感想

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2022年7月の記事一覧

森博嗣 『幻惑の死と使徒』 【読書メモ】

森博嗣 『幻惑の死と使徒』 【読書メモ】

シトシト

犀川先生のテレビ(メディア)嫌い。
相変わらず全員タバコ好き

西之園さん、こんなに素直やっけ?

「今でも、何か不思議なことに出会うと、僕は、自分の知らない法則だと思うことにしている。ときには、世の中の誰も知らない法則かもしれない」
これを素敵な事だと言う。
そしてこの素敵なことは大人になるにつれて少なくなる。
これを見つけ出して一つずつクリアにしていく。
そうしないと新しい素敵なこ

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上遠野浩平 『ブギーポップ·アンバランス ホーリィ&ゴースト』 【読書メモ】

上遠野浩平 『ブギーポップ·アンバランス ホーリィ&ゴースト』 【読書メモ】

“君の言う、その力と意志のバランスが取れた存在というものがもしもいるとして― ではその彼らは何をすればいいと言うのかな。彼ら自身にはもう、なんの不足もないんだ。(中略)人の目的が、君の言うようにバランスをとることにあるのだとすれば― 今の君は、バランスが取れているんじゃないのか?”

自分のバランスが悪いと思ってそれを正しくしようと日々何かを行っている状態が実はバランスがいいのかもしれない。
それ

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ジャック·ケッチャム 『隣の家の少女』 【読書メモ】

ジャック·ケッチャム 『隣の家の少女』 【読書メモ】

少年の心情が素直に描写されてる。
2つの感情が整理されることなく存在しているような。

年上、年下、同年代の同性や異性に対しての感情もすんなり入ってくる。
少年時代の他者に対する、ある種の異常な興味。

冒頭からこの後何か起こるんじゃないかと思わせる雰囲気。

子供が考える「ゲーム」の残酷さとルールの理不尽さ、表面化する力関係がリアル。

「悪いこと」に惹きつけられる感情。

大人の絶対的な感じと

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フィリップ·K·ディック 『流れよ我が涙、と警官は言った』 【読書メモ】

フィリップ·K·ディック 『流れよ我が涙、と警官は言った』 【読書メモ】

久しぶりにSF読んだ。
名作と言われる理由がわかるかもしれん。

涙を流すということって浅い言葉で言うと深いよね。

京極夏彦 『狂骨の夢』 【読書メモ】

京極夏彦 『狂骨の夢』 【読書メモ】

「僕は救ってくれと頼まれれば金魚だって掬う」

京極夏彦にしか書けないってすごく思う。
圧倒的知識量と緻密な構成。
幻想的でもあるし。
終盤の畳み掛けからのエンディングもすごくて読後感がたまらん。