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猫 あの日歌ってた男と聴いてた女の子たちへ

すこし前に流行った「君は猫になって去った」みたいな歌を、霜月後半とある夜とある駅前広場で若い男がギターを弾きながら歌っていた。

イラッとした。
 
でもあの歌のなんかなんちゅうか雰囲気なんだろうか。
いや、寒さの中のあのメロディーあの歌詞、
しかも無名の若者が一生懸命に歌っているという状況ゆえか。
状況とエモさが重なり誰かの気持ちと共鳴するん?
べたっと座り込んだ何人かの女子が一生懸命に聴いていた。
 
彼女らが猫が好きなのか今歌っている目の前の歌い手の顔が好きなのかは知らない。
エモさにあたためられているのか双方共に酔っているのかもわからない。
でもそんなところに座ってたら寒いし風邪ひくよ、早く家帰りや、帰りね、皆、どちらも。
と、いうわたしの気持ちも大きなお世話でしかない。
 
「では最後の曲です」
 
ウルフルズの『笑えれば』だった。

なんでやねん。

思わず口から出た。

「しょうもな(笑)」
 
その後同じ駅で一度もみかけない探してるんやけど。



◆◆
【略歴や自己紹介など】

構成作家/ライター/エッセイスト、
Momoこと中村桃子(桃花舞台)と申します。

旅芝居(大衆演劇)や、
今はストリップ🦋♥とストリップ劇場に魅了される物書きです。

普段はラジオ番組構成や資料やCM書き、
各種文章やキャッチコピーなど、やっています。

劇場が好き。人間に興味が尽きません。

舞台鑑賞(歌舞伎、ミュージカル、新感線、小劇場、演芸、プロレス)と、
学生時代の劇団活動(作・演出/制作/役者)、
本を読むことと書くことで生きてきました。

某劇団の音楽監督、
亡き関西の喜劇作家、
大阪を愛するエッセイストに師事し、
大阪の制作会社兼広告代理店勤務を経て、フリー。
lifeworkたる原稿企画(書籍化)2本を進め中。
その顔見世と筋トレを兼ねての1日1色々note「桃花舞台」を更新中。
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