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ブラックラグーン(著:広江礼威)【この街はマンガ感想を語るクズであふれてる。別天地さ。ここは。ひとりくらい増えたって誰も気づきやしない】

タランティーノマフィア風味のギャング映画を日本のマンガで描いた作品。
最初はそう思っていたんだけど、
タランティーノ家とは違う感じだと、後になって気づいた。

タランティーノファミリーの映画って、
基本的にはシュールコメディでもあるんですよ。
基本アホみたいな展開が入っている。
ブラックな笑いなんです。
それに対して、ブラクラ(略称)は話が進むごとに、
逆に古典的なギャング映画の、あの無駄に雰囲気をそれっぽくする世界に近づいている。

日本のマンガ作品ですから、
戦うメイドさんとか、
戦うロリショタとか、
そういうのが出てくるんですけど。なんていうか。
笑う要素皆無のノワールな展開になります。

正統派ギャング映画とでもいうかな。
エピソードの一部である日本編には、正統派ヤクザまで登場。
任侠映画のノリが、作品内に取り込まれますが、
おんなじBGMという感じがします。違和感がありません。

要するに裏社会のかっこよさを、邪悪さ込みで書いている、
ノワールフィルムもといコミックです。ピカレスクです。

これが痛快なんですね。

まず敵も味方も悪であり、悪VS悪の戦いなので、
戦いに正義とか言い訳とか不要です。
暴力をエンタメとして、後ろめたさを感じることなく楽しむことが出来る。
やはり人間は暴力エンタメが好きです。
(ほんものはともかく)

これは意外なスマッシュヒットでしたね。

ただ作者の先生がうつ病にかかって長期休載気味なのが残念。
まあ、おかげで今でも新作が続いているのですが。

*****
物語の作り方として、
この人のあらすじの立て方は、
何気に私の理想だったりします。

外連味たっぷりのアクションにつなげるため、
いかにして使い捨てにキャラに肉付けして、
そして消耗させるか。

ネオナチの軍隊とか話と話のつなぎくらいの感じで殲滅されるし、
キューバの特殊コマンド部隊が、
ものすごい場面回収で使い捨てにされるし、
ちょっとキャラ多いなって思ってたんですが、
あ。この伏線をやるための使い捨て要員だったんだねとか。

RPGづくりの本を参考にして物語を作り始めた人間にとっては。
こういうの猫に猫じゃらしなんですよね。
悪VS悪のお話には、意外と可能性があるんです。

舞台はどうも90年代の話なので、ガンアクションとはいえ、
今どきの武器は出てこないですけど。

最新作ではついにフランス勢力も上陸してきました。

世界の犯罪首都ロアナプラ。(タイにあるらしい)
そんな街が現実には存在しないのかもしれませんが、
もうちょっと続きが楽しめそうです。

あとアニメ化されましたが、あれは気に入りませんでした。
なーんか音楽が少ない。雰囲気が出ない。
私は原作の方をオススメしますよ。

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