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#書評

哲学の醍醐味が詰まった『まんが 哲学入門 -生きるって何だろう?』

哲学の醍醐味が詰まった『まんが 哲学入門 -生きるって何だろう?』

哲学者と漫画家がタッグを組んで描かれた哲学入門書。訳あって久々に本棚から引っ張り出した。
本書は、主人公「まんまるくん」が「先生」に矢継ぎ早に質問をしていく中で、時間論、存在論、「<私>概念」あたりまでの哲学のベーシックな概念を中心で狭く深く掘っていくもの。

哲学における基礎的な概念を抜群に分かりやすく学べるだけでなく、掛け合いのダイナミズムというか、対話の中で引っ張られながら思考が展開していく

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今日の知的生産のために~『知的トレーニングの技術』

花村太郎 (ちくま学芸文庫)

至高の一言。一見すると凡百のビジネス書のようなタイトルで、しかも初版は40年前。最初は食指が伸びにくいが、いざページをめくりはじめてみると、骨太で重厚で、いわゆる知識産業にプロとして携わる人たちにとってもかなり読み応えのある一冊であることがわかる。

序文より本書の素晴らしさを示すには、序文から2、3の言葉を引用すれば事足りる。

知的トレーニングの第二の原則は、

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問題解決の決定版!~読書猿『問題解決大全』

問題解決の決定版!~読書猿『問題解決大全』

ブログ/SNS界隈で人気の読書猿氏が著した、問題解決技法の辞典である。

古今東西37の問題解決技法を並べ、それらの起源を紐解き、俯瞰し、敷衍する。知の殿堂であり、知のツールキットの決定版。
特筆すべきは、本書が、ただ単に手法を紹介するのに留まらず、人類が歴史上いかにして”問題”に取り組み解決を目指してきたかについての一つの通史として成立している点であり、緻密なリサーチに支えられた知識社会学的文献

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小学生には勿体ない!?面白すぎる『砂糖の世界史』

小学生には勿体ない!?面白すぎる『砂糖の世界史』

ジュニア新書と塩歴史皆さんは、岩波ジュニア新書をご存知だろうか。

岩波文庫や岩波新書などの、あの岩波書店が中高生向けに手掛ける新書シリーズなのだけど、ちょうど昨年が創刊40周年にあたるとのことで、『ホンキのキホン』というフェアやらブックガイド(これがまた素晴らしい!)やらをやっている。

だいぶ大人になってから何気なく買った数冊がどれもすごく面白く、以降定期的にここの良書を漁っている。

さて、

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