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超熱狂的ミスチルファンがあえてこの夏『HANABI』を聴いてみてほしいと全力でパワープレイしてみる

#スキな3曲を熱く語る
#夏に聴きたい曲


Mr.Childrenファンなんですよ~だと人に言った時。

相手の反応は8割予想がついている。


あーあの「HANABI」の人でしょ?
あーあの「しるし」の人でしょ?
あーあの「Sign」の人でしょ?


この超王道な三パターン以外に遭遇したことがマジでない。本当にない。筋金入りのミスチルファンなら無限にパターンはあるんだが、ミスチル知識ゼロの人とミスチルのことを話す時は、正直反応がわかりきっているのであまり面白くない。ついでに言えば、知り合いとカラオケに行けばまずHANABIを勝手に選曲されて俺が歌わされていた。いや、別に歌うけどね。いいけどね。でも俺のことはいいけどさ。ミスチルまでHANABIの人で覚えられちゃ困るのよ。

あと、ファンの間でもなんとなく、「メジャー曲好きな人はなんだかねぇ」「HANABI挙げる人は真のミスチルファンじゃないよね」的な空気感が醸成されているような気がする。大ヒット曲なのに肩身狭いよ。


私は声を大にして言いたい。

HANABIって信じられないほど名曲なんですよ。

筋金入りのファンだからこそ、HANABIをおすすめしたい。



【桜井和寿は大の動物好き】

もはや説明すら不要だが、「HANABI」は2008年9月にリリースされたMr.Childrenの33枚目のシングルである。2008年からスタートしたフジテレビ系ドラマ「コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」の主題歌に起用。計3回(2021年時点)の地上波ドラマシリーズと、2017年公開の劇場版でも主題歌となり、「コード・ブルー」=「HANABI」と言っても過言ではないほど、作品と切っては切り離せない楽曲となっている。


2015年、「Mr.Children TOUR 2015 REFLECTION」でこの曲が演奏された際、桜井さんはMCでHANABIの誕生秘話を明かしている。この話が、まあすごい。桜井さんのリリックの天才ぶりが現れている。

多くの種類のペットを飼っている桜井は、休日になるとその時間のほとんどをペットの世話に当てているという。ペットの一つである金魚は、水槽に入れて飼っていると水が段々と濁っていく。桜井は、あらかじめ水をためて、そこに塩素を除去する薬を入れ、水を替えていった。
2回、3回……と水を替える度に衰弱していく金魚。その光景を見て焦った桜井は、ペットショップに電話をかける。そこで、教えられたのは、水は絶えず動いて新鮮な空気を取り込まないと腐り、死んでしまうということ。その話を聞いた桜井は、人の心も水と似て、楽しんだり、悲しんだり、常に揺れ動くことで、澄んだ心になると思った。そのエピソードが当てられたのが、「HANABI」のDメロの歌詞にある<滞らないように/揺れて流れて/透き通っていく水のような/心であれたら>だという。

(引用:Real Sound「Mr.Children「HANABI」で歌われているテーマとは? 『REFLECTION』ツアーで語られた思い」https://realsound.jp/2017/07/post-92120.html


金魚の世話して出来た曲が、人の価値を歌った曲になって、やがて人の命救うドラマの主題歌になって、それが収録されたアルバムが100万枚が売れる(HANABIが収録された2009年発売のアルバム「SUPERMARKET FANTASY」は、2021年現在最後にMr.Childrenが100万枚セールスを記録したオリジナルアルバムです)って。控えめに言って天才。

この話を聞く前と聞いた後では、完全に曲の聞こえ方も変わると思いますよ。サビで「もう一回 もう一回」とリフレインするだけの曲ではない。生命の値打ち、出会い、慕情、様々な要素が濃縮された、とてつもなく密度の濃い味なのだ。例えるなら、酸っぱさ、苦さ、甘さが混じったレモネードのような曲。それが、HANABI。



【シングルCDの中で完成された夏】

「HANABI」のシングルCDには、HANABIと合わせてカップリング曲が2曲収録されている。「タダダキアッテ」「夏が終わる~夏の日のオマージュ~」の2曲だ。このカップリングの方も、なかなかに秀逸なのだ。

「タダダキアッテ」は、平和をテーマにした壮大なナンバー「タガタメ」のデモテープに近いバージョンの楽曲であり、カントリー調で非常に牧歌的である。「夏が終わる~」は、ピアノとドラムスを基調にした、夏の終わりの切なさや未練を切なく歌うバラードである。どちらもミスチルらしい味付けがふんだんに施された素晴らしい曲なのだが、いかんせん表題曲の存在感が強力すぎてなかなかフォーカスされない。

「HANABI」は確かに、それ単体でも完成された抜群の名曲なのだが、この3曲を合わせて聴くことによって、さらに夏の美しさを倍増して感じることができるのである。ぜひ配信サイトなどで曲を聴くときは、この三曲をパッケージしてまとめて聴いていただきたい。


【HANABIをコロナ禍に聴く意味】

コード・ブルーというドラマの影響か、HANABIも医療従事者やエッセンシャルワーカーへの想いを馳せるために、聴く人が多かったりする。実際にミュージックビデオやライブ映像のコメント欄にも、コロナ禍での感謝の声が寄せられていたり、あるいは医療従事者自らがこの曲に励まされているという声が数多くみられる。HANABIが、必死で戦う人の不安な心の拠り所となっていることが感じられる光景である。

コロナは私たちに、「明日無事に生きていられるかわからない」という逃れようのない恐怖を植え付けた。今日はコロナ陰性でも、明日は陽性になるかもしれない。瞬く間に肺が侵され、呼吸器無しでは生きられなくなるかもしれない。鼻や舌が麻痺したままになるかもしれない。しかし、そんな恐怖さえも上手くやりすごしながら、この難しい時代を生きていかなければいけないのだ。


二度と帰らない「今」という閃光の美しさ。

それをHANABIは教えてくれる。


今年もきっと全国各地で花火大会が中止になったり、開催されても来場自粛のためにシークレット開催といった措置が執られることだろう。ぜひ、こんな世知辛くて閉塞感に満ちた夏に「HANABI」を聴いて、いつか来るはずの眩しくて楽しい夏に思いを馳せてもらいたい。そう思いながら、私は今日もライブバージョンの映像を流し聞きして記事を書いています。


[HANABIはライブバージョンもいい。⇩]



おしまい。



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