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川柳

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2021年8月の記事一覧

あるひかり

その結露がわたしのバス停だった

生きていることは光を伴った

ちょっとした空洞にいる目をとじる

足裏にいつかの雲が乗っている

絵の具で染める

どの教室も人格に縛られる

九月のトラックが詩を運んでいく

青空が夕陽に染まるまで混ぜる

小さな鳥 痛みに触れるアスファルト

そしてまたいつか優しい夢をみる

明日の音の明るい暗さ

暗闇で無音に鳴った星の影

暗闇の時間 目と言葉の間

音と音 その間にいた暗闇

時間の暗闇 永遠の夜の底

くらやみにいつも見ていた星の背中

ばらばらの言葉

バランスがバラバラになり薔薇になる

目を瞑るようにカーテンをしめる空

自分では分からない自らのこと

言葉の裏側に眠る虫の声

その城の白さ

蜘蛛の糸で結ばれている壁と壁

あまりにも多くを語らない余白

なんの意味もなくて涼しかった日々

理科室の水道 メダカのうたかた

日かげでは私が白く祈っていた

幻と思う

手から一瞬で零れていく瞬き

教科書にない感情と立ち竦む

きみの空洞に夜空が降っている

夏のひかりで優しさを透かしてた

パラレル離れる話

パラダイムシフトが起きたパラダイス

その星はなくなっていく 繰り返す

お話は遠くはなれて詩になって