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コロナな日々、イタリアで。

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イタリアで感染が爆発した3月、イタリアでのコロナウイルスとの暮らしを記録し始めた「ピエモンテのしあわせマダミン」。www.madamin2.meの記事を、このマガジンでまとめてい… もっと読む
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記事一覧

そして私もコロナになった

そして私もコロナになった

3度目の春がやってきて感染者もどんどん減り始め、欧州ではイギリスやオランダがまず、完全にコロナ規制を解除し始めた。一方イタリアはかなり慎重派で、4月いっぱいは室内でのマスク使用義務やグリーンパス(ワクチン証明)の携帯義務などが続いていた。そんな状況と並行してウクライナで戦争が始まった。イタリアの人たちも、私自身も、頭は地続きのすぐそこにある戦争のことでいっぱいになり、コロナは頭の隅っこに押しやられ

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ついにワクチン義務化のイタリア

ついにワクチン義務化のイタリア

イタリアで、50歳以上の国民すべてにワクチン接種が義務化された。

一日の感染者数が20万人を超えてしまったけど、重症化する人、亡くなる人は、ワクチンがなかった頃よりもずっと少ない。20万人も感染者がいるのに死者は300人前後。

たとえば今日、1月12 日の感染者は196,224人、(検査数1,190,567)、死者は313 人。去年の同じ日 2021年1月12日は新規感染者14,242人、死者

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そして1回目、接種しました。

そして1回目、接種しました。

ワクチン接種1回目を済ませてきたので、その様子を少し詳しく「東洋経済オンライン」に書きました。アストラゼネカの詳しい情報なども書いたので、ワクチンの種類について気になる方は、ちょっと読んでみていただけると嬉しいです。

東洋経済オンラインでは、感染も減ったイタリアで1回目のワクチンをして明るい気持ち! 的なノリで書いたけど、実は原稿を提出した直後に、またまたデルタ株が増大中という怖いニュースがイギ

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明日、接種に行きます。

明日、接種に行きます。

イタリアでは今、ワクチン接種がどんどん進んでいる。

12月末に「ついに長いトンネルの先の光です!」と華々しく始まったイタリアのワクチン政策は当初、全然機能しなくて、3ヶ月以上たっても接種人口は全然増えていかなかった。4月16日の時点で2度接種を終えたのは全国民のたった7%というお粗末さ。イスラエルやイギリスに大きく遅れを取っていた。

契約通りワクチンが納入されない、接種スタッフが足りない、予約

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人に優しくすると、自分もハッピーになれる。コロナ禍で発揮されたイタリア人の人助けパワー

人に優しくすると、自分もハッピーになれる。コロナ禍で発揮されたイタリア人の人助けパワー

イタリア人は、とひとくくりにするのはなるべくよそう、といつも気をつけているのだけれど、困った人を助けたり、助けられたり、という気持ちが
イタリア人は特に強いんじゃないかな、そう思うことがとても多い。

それがコロナ禍になって、よけいに目立つようになった気がする。

そんな話を、ニューズウィーク日本版のブログページ
「World Voice」に書きました。

つらい時こそ、他者のために何かする。する

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イタリア・コロナワクチンで大混乱中

イタリア・コロナワクチンで大混乱中

「70歳代の接種予約リストに入れてもらったんだけどね。死んだりするのは、ごく稀なケースってわかるけど、その稀が俺じゃないっていう保証はないもんね。研究データの材料になるのは嫌だよ」

毎朝のグレース(愛犬ラブラドール8歳女子)散歩で会う、ハスキー犬ハリーのオーナー、ブルーノが言った。

まさに今のイタリアの、いやきっと、世界中の大半の人が思っていること、そのままを表している気がした。「No Vax

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ロック・ダウンな復活祭と、復活祭のご馳走たち

ロック・ダウンな復活祭と、復活祭のご馳走たち

イエス・キリストが十字架に架けられて亡くなり、その3日後に復活したのを祝うキリスト教のイベント「復活祭」。英語でイースター。イタリア語ではパスクワ。

一年でいろいろあるイベントのうちでも、キリスト教的には一番大事なイベントなんだそうだ。キリストの誕生日であるクリスマスの方が世界中でメジャーだから大事なんだと思っていたら、そうじゃないらしい。

今年は4月4日の日曜日がその復活祭だった。

今年は

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そして1年がたった。

そして1年がたった。

2021年2月23日(火曜日)ちょうど一年前の今日、私たち家族は、ピエモンテ州のトリノから隣の州のアオスタへ、3泊4日のスキーバカンスへ出発した。新型コロナウィルスというものが中国・武漢で発生していることはもちろん、日本でダイアモンドプリンセス号が大変なことになっているのはニュースで知っていたし、イタリアでもロンバルディア州やヴェネチアのあるヴェネト州で症例が出てきていることは知っていた。でもそれ

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いい政治をしたのに辞任になったイタリア前首相ジュゼッペ・コンテという人。

いい政治をしたのに辞任になったイタリア前首相ジュゼッペ・コンテという人。

イタリアを襲った新型コロナウイルスの第2波は、11月にピークを迎えた後も、そして年を越してからも、思ったように減っていかない。今もまだ毎日1万人前後の新規感染者と、何百人という死者が続いている。例えばこれを書いていた昨夜、2月10日には

新規感染者数12,956人
死者数336人
検査数310,000件

3月からずっと続いている、毎日夕方6時ごろに発表されるデータには、最近はワクチン接種者数も

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ロックダウンなクリスマス、そしてワクチンがやって来た!

ロックダウンなクリスマス、そしてワクチンがやって来た!

イタリアでのコロナウイルス第2波は、結果的には第1波よりもずっと激しい波だった。「た」、と過去形にして書いているのは、まだ終わったわけではないけど、ワクチンも到着して、トンネルの先に小さく光が見えたような、一息ついたような、そんな気分だから。

第2波の最高値を記録した11月13日には、たった1日で40,902人もの新規感染者を出し、12月3日には993人という恐ろしい死者数になった。(第1波の時

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ロックダウンへようこそ

ロックダウンへようこそ

パリやウィーンでテロがあったり、ミラノでは銀行強盗が発生したり。先日はトリノの郊外で夫が妻と2歳の双子、飼い犬を射殺したという事件。物騒なニュースが増えているように感じるのは気のせいだろうか?コロナで疲弊した心と経済が大変なことになってないか。(トップ写真はクリスマスのイルミネーションがついたトリノの街並み。著者撮影)

11月3日(火曜日)夕方、同じトリノに住む日本人のMちゃんからメッセージ。

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3月の悪夢、そしてロックダウン再び?

3月の悪夢、そしてロックダウン再び?

9月から書かせてもらっている
ニューズウィーク日本版のWorld Voiceというコーナーで、
漫画家のヤマザキマリさんが「イタリア人は鼻をかんだハンカチを
他人と使い回すからコロナ感染が拡大した」という自説を
あちこちで書いたり出版までしている件について書いた。

https://www.newsweekjapan.jp/worldvoice/miyamoto/2020/10/post-3_2.

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6ヶ月の休校、そして再開

6ヶ月の休校、そして再開

9月14日。

あと数時間で、6ヶ月間も休校が続いたイタリアの学校が、ついに再開されるという今、この原稿を書いている。

9月14日というのは政府が決めた一応の再開予定日で、最終的な決定権は各州政府にあるから、暑い南イタリアではもともと夏休みが長くて9月後半に新学期スタートだし、私立はすでに再開しているところもある。

私の住むピエモンテ州は、一応今日から再開することになっているものの、
学年で分

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3月のイタリア、続コロナウイルス2

3月の終わり、コロナ第一波がイタリアを吹き荒れていた時、私はこんなことを書いていた。「ミラノで、ヴェネツィアで、ローマで、まるで映画の撮影のために、人を退けて撮影したかのような映像をあちこちで見る。もちろん私の暮らすトリノも。この美しい国を、神様は一体どうしようとしているんだろう。日頃宗教心のかけらもない私が、柄にもなく思う」。誰も歩いていない、静まり返った街をラブラドールのグレースと散歩している

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