ピエモンテのしあわせマダミン

イタリア🇮🇹在住20うん年のライター。イタリアの暮らしや人々、食をめぐるいろいろ、動物、…

ピエモンテのしあわせマダミン

イタリア🇮🇹在住20うん年のライター。イタリアの暮らしや人々、食をめぐるいろいろ、動物、旅行などを中心に書いています。個人ブログhttps://www.madamin2.me/ ニューズウィーク日本版のブログ「Wordl Voice」もよろしくお願いします。

マガジン

  • 私のイタリア暮らし・今日のおいしかった!

    イタリア、トリノで26年も暮らしています。トリノはワインやらトリュフやらチョコレートが有名だけど、実はそれだけじゃなく、実は人々はとても食いしん坊だとか、イタリアの有名食企業の多くがトリノ生まれだったり、現代のイタリア料理に影響を与えたものがたくさんあったりという土地柄。そんなトリノの、今日のおいしかったをレポートします。不定期更新ごめんなさい。

  • コロナな日々、イタリアで。

    イタリアで感染が爆発した3月、イタリアでのコロナウイルスとの暮らしを記録し始めた「ピエモンテのしあわせマダミン」。www.madamin2.meの記事を、このマガジンでまとめていきます。

  • イタリアのおいしいもの

  • トリノよいとこ一度はおいで

最近の記事

小澤征爾さんのニューイヤーズ・コンサート

イタリアのトリノに27年前から暮らしている私は、だいたいの年はトリノの自宅でお正月を迎える。東京の実家へ里帰りして日本らしいお正月を味わう年もあるって、それはもちろん嬉しいのだけど、イタリアの家で、ウィーン・フィルのニューイヤーズ・コンサートを観る、というのが恒例のお正月はぜんぜん悪くないな、と思っている。いつか本物に行ってみたいなあ、その時はやっぱり着物を着て行くのかなあ、などと妄想しながら、テレビ中継をうっとりと眺めるのだ。イタリアではオンタイムに生中継されるから、前夜、

    • Netflixで「ガザで生まれて」を見た。

      2014年にも、今と同じようなイスラエルのガザ侵攻があって、その直後にガザに入り、パレスチナ人の子供たち10人の暮らしを伝えたドキュメンタリー映画だ。今、毎日テレビやネットで見ているような戦争が、10年もしない前にもあった、もっと言えばもっと前にもあったというのは少なからず驚き。(被害の規模は今よりはずっと小さい、とはいえパレスチナ側の民間人の死者数は1475人、そのうち70%が12歳以下の子供が犠牲になった。ちなみにイスラエル側の市民の被害者は7人。今回の侵攻がどれだけ酷い

      • バンクシーのホテルで見た、世界が知らないパレスチナ太郎の暮らし 

        「君たちを砂漠の真ん中に放り出しはしない。バスが来るまで一緒に待ってあげるから、安心して」。 太郎、と私たちが便宜上呼んでいた、名前を聞いても発音が難しくて覚えられないけどフレンドリーなパレスチナ人タクシードライバーの彼、本名はAshraf Abu Alsheikh、が言った。ベツレヘムでバンクシーのホテルに泊まり、難民キャンプや分離壁を見学した後で、死海へ移動して遊ぶ予定にしていた私たちを乗せて走りながらのことだ。 分離壁って何?って話は前回書いたので、そっちも読んでい

        • あのバンクシーも、パレスチナに対するイスラエルの非道な行いにずっと前から物申していたってことなど。パレスチナについて思うこと・その1

          Make hummus,not walls 「壁なんて作ってんじゃねえよ、フムス作れ」 日本でも大人気のバンクシーが、パレスチナの壁に描いたメッセージの一つだ。壁、と簡単に言っているけど、それはイスラエルがパレスチナの領土との境に造った「分離壁」のことで、今、大変なことになっているガザ地区もずっと前からこの分離壁で囲まれ、人々は自由に出入りできず閉じ込められている。今に始まったことじゃないのだ。だから「天井のない牢獄」だなんて言われてもいるわけで、イスラエルはこの分離壁

        小澤征爾さんのニューイヤーズ・コンサート

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        • 私のイタリア暮らし・今日のおいしかった!
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        • サステナしよう
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          19本
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        • トリノよいとこ一度はおいで
          7本

        記事

          3年ぶりに日本に帰国してみて、驚いたことを書いたらプチバズり。

          暑中お見舞い申し上げます。 こんにちは、こんばんは、おはようございます。いや、ほんと暑いですね。 ちょっと事情があって、かなり長いこと更新、サボってしまっていました。気がつくと、もう8月。私の住んでいる、イタリアのトリノも、日中は35度など猛暑が続いています。首都のローマでは43度を記録したとか。 さて、7月16日の日曜日、東洋経済ONLINEに掲載された私の最新記事 〜3年ぶりに帰国した日本人が驚いた「ヤバい日本」〜が、とてもたくさんの方に読んでいただき、たくさんの

          3年ぶりに日本に帰国してみて、驚いたことを書いたらプチバズり。

          カフェ・シェケラートとグラニータ入りビール

          イタリアの夏は、いきなりやってくる 昨日まで寒くてセーターやらダウンやら着て冬みたいだったのに、太陽が顔を出したかと思うと、いきなり真夏のような暑さで半袖短パンになりたくなる。イタリアの春から夏は、そんなふうに移行していく。日本のように三寒四温とか、梅が咲いて、桃が咲いて、そして桜が、みたいに徐々に春を感じていくような、そういう情緒はなくて、一気に暖かく(暑く)なるから花たちも一気にドバーッと咲く。情緒はないけれどにぎやかで華やかで元気がいい。 旱魃が続いた去年の春と夏

          カフェ・シェケラートとグラニータ入りビール

          美味しくておしゃれでびっくり! の海藻スイーツ登場

          日本人だけどシドニー育ち、オーストラリアのアンダー30の料理コンテストで優勝したとか、世界最高峰のレストラン「NOMA」出身のシェフが東京にオープンした「INUA」でスーシェフを務めていたとか、そのINUAでたった1年でミシュラン二つ星を獲得したとか、キムタクがフレンチのすごいシェフを演じて話題になったドラマ「グランメゾン東京」のかっこよくて美しい料理を舞台裏で作っていた人だとか。 石坂秀威シェフを形容する言葉はいっぱいあるんだけど、私が今一番言いたいのは シュウイさんの

          美味しくておしゃれでびっくり! の海藻スイーツ登場

          待ちきれない黒豆

          ついボーっとしていたら、あっという間に1月が半分過ぎた。それでも私は、上手に煮えた黒豆を毎日大事に食べては、嬉しくなっている。 黒豆が大好きで、お正月のお重の一角にほんのちょびっと盛り付けてあるのをお箸で一粒、ふた粒、じゃなくてスプーンでごそっとすくって食べたい、口いっぱいに黒豆を感じたい。そう思って生きてきた、なんて言うのは大袈裟だけど。 それで好きが高じて、いかにおいしく黒豆を煮るか、をかなり頑張って研究した。そして、かなりおいしい黒豆が作れるようになった。真っ黒でツ

          温暖化のせいで、白トリュフはますます高嶺の花になっている

          数日前から急に気温が下がり、今朝のグレース散歩では手袋したいなあ、 と思うような寒さがやってきた。 私が暮らす北イタリアのトリノでは、例年、というか温暖化現象が目立つようになる以前は、大きなアパート(日本で言うマンション的な集合住宅)であれば、10月15日から4月15日の期間はセントラルヒーティングが一斉に入る、というのが決まりだった(一軒家などは各自が勝手に判断する)。 ところが今年は、ガス、電気代金の異様な高騰と、いつまでも寒くならない秋が続いたから、10月後半になっ

          温暖化のせいで、白トリュフはますます高嶺の花になっている

          イタリアで起きている異常旱魃、そして「テーラ・マードレ2022」

          「世界で排出されるCO2の34%は食の生産から生まれ、そうして作られる食糧の33%が廃棄されているんだ。その33%を生産するのに、一体どれだけの水を使ったと思う?」 今、ものすごい深刻な旱魃に見舞われている北イタリアの状況を踏まえて、スローフード協会設立者のカルロ・ペトリーニ氏が放った言葉だ。数年前、一般人として世界で初めてヴァチカンに招聘され、教皇に環境問題についてのアドバイスを求められたという人の言葉は、さすがに説得力がある。 テーラマードレの発表会で 先日の6月2

          イタリアで起きている異常旱魃、そして「テーラ・マードレ2022」

          クマニラバターとアンチョビのブルスケッタ

          私が住んでいるのはイタリアの「クマニラの里」。 イタリアで4番目に大きな都市トリノの、中心街から車でほんの20分ほどの森の中。街から遠くないのに、猪が出たり、牛が放牧されていたりという長閑なところが気に入って、10年前に引っ越しました。住んでから知ったのが、この辺りは「クマニラの里」だということ。 3月後半から5月初旬頃にかけて、クマニラが一面、わーっと生えて緑色に埋まる。木漏れ日の間にびっしりと生える緑は目にとても爽やか、でも鼻をクンクンさせると辺り一面、そこはかとなく

          クマニラバターとアンチョビのブルスケッタ

          そして私もコロナになった

          3度目の春がやってきて感染者もどんどん減り始め、欧州ではイギリスやオランダがまず、完全にコロナ規制を解除し始めた。一方イタリアはかなり慎重派で、4月いっぱいは室内でのマスク使用義務やグリーンパス(ワクチン証明)の携帯義務などが続いていた。そんな状況と並行してウクライナで戦争が始まった。イタリアの人たちも、私自身も、頭は地続きのすぐそこにある戦争のことでいっぱいになり、コロナは頭の隅っこに押しやられた。そして5月1日からは、ほとんどの場所では室内でもマスク着用義務が緩和されたイ

          そして私もコロナになった

          ゼレンスキー大統領とイタリア

          うまい。 こんな言葉が今適切かどうかわからない。でも、ウクライナのゼレンスキー大統領が、ここのところ欧米各国の議会に向けてビデオメッセージを送っている、その内容が、言葉の組み立てが、それぞれの国の事情、文化、歴史、国民性にピタリと照準が合っていて、本当にうまいと高い評価を得ている。 例えばアメリカ議会に向けてパールハーバーを思い出してください、と言ったのは、日本人には不愉快だったかもしれないけれど、アメリカの人々の心に戦争は辛い!という気持ちを掻き立てる大きな効果があった

          ゼレンスキー大統領とイタリア

          コロナな日々に希望が見え始めた冬の終わり、戦争が始まった。

          ロシアがウクライナの侵攻を始めてから頭はそれでいっぱいで、他のことがうまく考えられない。毎日テレビとスマホに釘付けになって、ウクライナのことばかり考えてしまう。 そういえば今からちょうど2年前、イタリアは欧米で最初にロックダウンが始まり、毎日毎日1000人近くもの人がバタバタ亡くなっていた。一日中ニュースを見て、読んで、頭はそれでいっぱいになっていた。目は霞んで画面が読めなくなったりしていたっけ。 2年も続いたそんな日々が、ようやく終わりそうな気配を見せ始めた冬の終わりに

          コロナな日々に希望が見え始めた冬の終わり、戦争が始まった。

          みかちゃんのパッシート。 そして脳みそトロけるチョコレートとの マリアージュ。

          浅草でワインバー「ヴィネリア・ピンコ・パッリーノ」をやっている浅井ミカちゃんは、とにかくすごい女だ。 「すごい」にはいろんな意味があるし、私が知っている彼女は、彼女の一部分でしかないんだと思うけど、私が彼女を「すごい」と思うのは、好き!やりたい、欲しい、と思ったモノ・コトにはぜんぜん躊躇しないでまっしぐら、どんな苦労も障害も、他人からの非難轟轟もなんのそので突っ走る。そんなパワーを持っているからだ。 イタリア語もたいしてできないまま突然イタリアに飛び、ソムリエになることを

          みかちゃんのパッシート。 そして脳みそトロけるチョコレートとの マリアージュ。

          ついにワクチン義務化のイタリア

          イタリアで、50歳以上の国民すべてにワクチン接種が義務化された。 一日の感染者数が20万人を超えてしまったけど、重症化する人、亡くなる人は、ワクチンがなかった頃よりもずっと少ない。20万人も感染者がいるのに死者は300人前後。 たとえば今日、1月12 日の感染者は196,224人、(検査数1,190,567)、死者は313 人。去年の同じ日 2021年1月12日は新規感染者14,242人、死者数616人だった。 感染して犠牲になる人は、以前に比べて少ないけれど、そのほと

          ついにワクチン義務化のイタリア