見出し画像

Netflixで「ガザで生まれて」を見た。

2014年にも、今と同じようなイスラエルのガザ侵攻があって、その直後にガザに入り、パレスチナ人の子供たち10人の暮らしを伝えたドキュメンタリー映画だ。今、毎日テレビやネットで見ているような戦争が、10年もしない前にもあった、もっと言えばもっと前にもあったというのは少なからず驚き。(被害の規模は今よりはずっと小さい、とはいえパレスチナ側の民間人の死者数は1475人、そのうち70%が12歳以下の子供が犠牲になった。ちなみにイスラエル側の市民の被害者は7人。今回の侵攻がどれだけ酷い状況だってことが、この数字にも現れている)。

10代前半の子供たちが、「怖い思いをしないで学校に通いたい。世界中の、他の子どもたちと同じように普通に暮らしたい」と呟く様子、「友達は自殺したがっているけど、ガザの精神科の病院では治せない。お願いだから助けてください、彼を外国で治療させてあげて」とカメラに向かって訴える少年。その目は一様に暗く、ドロリとしている。本当に本当に胸が痛く、悲しくなってくる。

少年たちがビーチで遊んでいたら空爆された、という映像を見ていて、ふと気付いた。欧米人や、日本人にも人気のイスラエルの海辺の都市テル・アビブは、ガザと同じ、地中海に面した海岸線続きなんだって。地図を見てみると、たった70キロしか離れていない。それなのに、ものすごい違い。

一方では世界中から観光客がやってきて華やかにビーチリゾートを楽しんでいる。その70キロ南では、爆撃で廃墟みたいになった街並みがあって、貧しい海岸沿いでは貧しい子供や大人たちが、悲しい目をして手持ち無沙汰に座っている。失業率は70%というし、海に出て漁をしたくても、イスラエルから6マイル(たったの9,6キロ)以上沖に出ることは禁止されているからだ。

テル・アビブのビーチ。あの時は素敵な夕景、と思って撮影していたけれど、今見るとイスラエルの国旗だらけで、ちょっと怖い。2019年5月 ワタシの友達撮影

そういえば2019年の5月に、私がイスラエルとパレスチナを旅行した時、帰りの飛行機はテル・アビブ空港からだった。死海のホテルを出てテル・アビブに向かう途中、その数日前にガザにイスラエル軍による空爆があったことを知った。もちろんわたしたちが乗った車はイスラエル領内を走っているので危険はなかったのだが、かなり怖い気持ちになったことを思い出した。今のガザの人たちの恐怖といったら、いったいどれだけのものだろう。気になって、毎日そればかり考えている。

サポートいただけたら嬉しいです!いただいたサポートで、ますます美味しくて楽しくて、みなさんのお役に立てるイタリアの話を追いかけます。