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漫画の感想

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昭和生まれの私が読んだ漫画の感想。古いのも多いけれども新しいものもあります。
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2022年7月の記事一覧

野中英次 (しゃぼてん)

野中英次 (しゃぼてん)

まあ、何と言いましょうか?
要するに、所謂、野中英次節全開!と言うか、いつもの野中英次の漫画と言うか・・・。

絵は、勿論池上遼一風。
上手いのやら下手なのやら、下手ウマなのやら?
ストーリーは、ばかばかしいのか、呆れてしまうのか、あ、こういう事あるかも?と言うか・・・。

たま~に読んで、フッと鼻先で笑う・・・そんな作品?

藤田和日郎 (邪眼は月輪に飛ぶ)

藤田和日郎 (邪眼は月輪に飛ぶ)

この方の漫画を初めて読んだのはこの作品なんです。
「うしおととら」とか「からくりサーカス」とか、面白いとは聞いていたのだけど、長すぎるんですよね。
全巻一気購入はお金にも置き場所にも困る。
図書館にでもあれば嬉しいのだが、いつも利用している図書館には置いてないし。。。

・・・で、この作品。
全1巻!!
いいですね~♪(笑)
即、買いましたよ。

パラパラっと見ての第一印象は・・・グロい。。。

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吉富昭仁 (ツレビト)

吉富昭仁 (ツレビト)

「魂」の物語。
「死」の物語。

「ツレビト」とは、死んだ人間の魂を
死の世界へ通じる”門”まで連れて行く者のこと。

この話は主に生と死の<間(はざま)>で起きることが主になっています。
時間と空間の概念がない、生の世界と死の世界が融合している場所。
そういう不思議な空間が吉富昭仁の繊細なタッチで見事に表現されています。
内容は初めは謎ばかりだったのが徐々に解明されてきて最後に全てが判明するとい

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ジョージ秋山 (銭ゲバ)

ジョージ秋山 (銭ゲバ)

(週刊少年サンデー 1970~1971年掲載)

これね、たぶんリアルタイムで読んでいた筈なんです。
問題作だってことで注目されてたことも知ってるんです。
・・・が、内容はほとんど覚えてなかったんです。
たぶん、当時はあんまり好きじゃなかったんでしょう。

これって、少年漫画というよりは青年漫画ですよ。
小学生ぐらいの子供がこれ読んでどこまで深く理解出来るか・・・難しいですよね。

掲載されたのは

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吾妻ひでお (海から来た機械)

吾妻ひでお (海から来た機械)

この本は10年以上前、BOOK ○ARKETで購入しました。
こういう古本屋ではどんな本でも定価以下になっていると思ってたのだけど、な・・・なんと、これは定価(880円)より高い!
1050円!!
へ~そうなんだ~!

買うか買わないか、ちょっと迷ったのだけど、この時期の吾妻ひでおは読んでいなかったので結局買ってしまいました。

初出を見ると、<OUT><JUNE><ぱふ><奇想天外>などなど。

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諸星大二郎 (あもくん)

諸星大二郎 (あもくん)

普通の日常に潜む小さな怪異っていう感じでしょうか。

実際に怪奇現象のようなものを感じることが出来る人にはこういう怪異を普通に体験したりしているのでしょうか?残念ながら私にはそういう能力がないのでわかりませんが、ないからこそ、どういうものか興味深く思えるのでしょうね。

この本には作者の子供が小さかった頃寝かしつけるときに話してやったという怖い話が載っています。
諸星大二郎が親だなんて、なんて羨ま

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木丸みさき (わたしの舞台は舞台裏 大衆演劇裏方日記)

木丸みさき (わたしの舞台は舞台裏 大衆演劇裏方日記)

数年前に生まれて初めて大衆演劇というものを観ました。
私が観た所は四国の某温泉ホテルにある大衆演劇用の劇場でした。
調べてみると四国で大衆演劇が観られる施設はたった五ヶ所!
そんなに少なかったのかとびっくりしましたが、まあそんなものなんでしょうね。

観客席は前の方が座椅子のある席。(座椅子は100円で貸し出すようでした。)その後ろが座布団のみ。そのまた後ろがパイプ椅子。
私が観た時は観客数が30

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くるねこ大和 (猪吉とたま)

くるねこ大和 (猪吉とたま)

この作者の作品はどれもほんわかとして温かい。
絵の線も優しいタッチでしかも表情豊か。

エッセイ漫画はブログで時々拝読させていただいていますが、作者のお人柄がよくわかってとてもいい感じ。

この作品も悪い人は誰もいなくていい人ばかり。
ラストも微笑ましくて言うことなし!

サラッと読めて気持ちもほっこりする、そんな本です。

徳弘正也 (黄門さま)

徳弘正也 (黄門さま)

かなり性格の悪い黄門さまです。TVドラマの時代劇の黄門さまのイメージとは全く違います。こういう捉え方もできるんだな~って感心致しました。

この作者お得意の下ネタも勿論出てきますが、江戸時代の時代考証もきちんとしています。世の中に対する憤りとでも言いましょうかそういうものもちゃんとあって、こういうのが好きです。

前作の「亭主元気で犬がいい」からファンになりまして、(「バンパイア」は読みましたが「

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萩尾望都 (イグアナの娘)

萩尾望都 (イグアナの娘)

米国の権威ある漫画賞のアイズナー賞で、萩尾望都先生が、「コミックの殿堂」を受賞したそうです。おめでとうございます。
ニュースでは、たいてい「ポーの一族」などが代表作にあげられていますが今日とりあげるのは「イグアナの娘」です。

お互いに愛したくても愛せない母親と長女の葛藤を、シュールな心象描写で浮き彫りにし、大反響を呼んだ作品でTVドラマにもなったと思う。(私は観ていませんが)
実際の姿ではない姿

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ささやななえこ (怪談百物語新耳袋 安い家)(原作:木原浩勝・中山市朗)

ささやななえこ (怪談百物語新耳袋 安い家)(原作:木原浩勝・中山市朗)

これは全部<本当におこったお話>らしい。
だから、オチもなければその怖いものが何だったかという解明もされていない。

お話だと思って読むと非常に消化不良になってしまう。
しかし、現実に起こる怖いことってそれが何かはわからないのが普通。

怖い体験をしたことがない人はこんなの嘘だろうと信じないかもしれない。
実際に怖い体験をした人なら、そういうこともあるかもしれないって思うかもしれない。

思い込み

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竹宮恵子 (私を月まで連れてって!)

竹宮恵子 (私を月まで連れてって!)

おしゃまなESP(エスパー)少女・ニナとハンサムな宇宙飛行士・ダンとのラブコメディ。

SF、ファンタジー、ラブコメ、ロリータ(?)、などなど・・・
いろんな要素がいっぱい詰まっている。

この中には様々なSF小説のタイトルなどがどんどん出てくるからSF好きにはたまらなく嬉しい作品でもあるかもしれない。
「近所迷惑」(筒井康隆)
「ゆがんだ家」(ハインライン)
「たんぽぽ娘」(ロバート・F・ヤング

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一条ゆかり (プライド)

一条ゆかり (プライド)

女同士のどろどろした戦い・・・っていうのは苦手です。

だから、これもちょっとどうかなあ?・・・って思ってたんだけど、先日図書館で全巻借りてきました。

この作者の作風が好きです。

特に明るい「有閑倶楽部」などは大好きなんですよね。

絵も少女漫画特有の派手さがあって好みなのです。

・・・で、このどろどろした<ドラマチック・ラブ&バトル>漫画はどうだったかと言いますと、

思ってたよりどろどろ

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一色まこと (ピアノの森)

一色まこと (ピアノの森)

最終回、良かった~!ため息が出るぐらい良かった~~!私はどんな作品でも最後は<大団円>っていう感じで終わるのがすきなんだけど、これはまさしく大団円!!

「花田少年史」を読んだ頃は内容はいいけど絵柄が私の好みじゃない。なんて非常に失礼なことを言ってた私ですが、あれから私も多少は大人になったのか絵柄なんて全く気にならないというか、この作品にピッタリの素晴らしい絵柄だと思うようになりました。

特に表

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