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漫画の感想

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昭和生まれの私が読んだ漫画の感想。古いのも多いけれども新しいものもあります。
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2022年6月の記事一覧

桑田次郎(二郎) (インテリ五エ門)

桑田次郎(二郎) (インテリ五エ門)

(週刊少年マガジン1969年44号~52号)

子供の頃どこかでこのマンガの一部分だけ読んでいて、何か非常にインパクトのあるものだったので頭の片隅に残っていました。
そして何年か後にサンコミックスで単行本になって、きちんと読むことが出来たのだけど、
・・・今読み直すと、内容が(ある意味)凄い!

これ、ギャグ漫画かな?
天才の五エ門が五歳の時に作ったロケットで、父親は両足をふっとばされるが自分の息

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桑田次郎 (囚人船)

桑田次郎 (囚人船)

小学生ぐらいの時読んだ漫画で、男の人が、他の人達を救う為に大ヤケドをしながらも、必死で大きなハンドルのようなものをまわしている
・・・というシーンが何故か頭の隅に残ってて、何の漫画だったのかなあ?と何となく気になっている作品があったのですが、それがコレ。
初めて読んだ時から、たぶん10年以上経っていたと思うけど、すぐに「ああ!これだ!」と気がつきました。
小さい子供にとって、かなり印象深いものがあ

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藤子・F・不二雄(ミノタウロスの皿)

藤子・F・不二雄(ミノタウロスの皿)

SFというかブラックユーモアというか社会風刺というか人間風刺というか・・・まあ、そんなものがぎっしり詰った短編集です。
「ドラえもん」の明るい世界とは真逆の世界。
大人になって読むと、ギクッとしてしまう話ばかり。

「劇画・オバQ」

15年ぶりに再会した正ちゃんとオバQ。
オバQは昔のまま変わってないんだけど、正ちゃんはすっかり大人になって奥さんのいるサラリーマン。

ラスト・・・オバQがつぶや

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ゆうきまさみ (白暮のクロニクル)

ゆうきまさみ (白暮のクロニクル)

全11巻
漫画は11巻ぐらいがちょうど読みやすい長さだと思いますので、このくらいがいいのですが、ファンとしてはもっと読みたいですね。続編はないのかなあ?

さて、この本ですが装丁が実に綺麗。
デザインもいいし、どの巻も落ち着いた実に綺麗な色だし、カバーを外した表紙もまたいい感じ。
装丁のいい本はそれだけでとっても好きなんだけどね、これは内容も私好みのストーリーで良かったですね。

<現代を生きる吸

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あすなひろし (哀しい人々)

あすなひろし (哀しい人々)

(昭和52年~昭和55年発行)

これを初めて読んだのは20代前半だった。
いい作品だな~。と思った。
それから数年に一回程度フト手にとって読んでみる。
自分が歳をとれば取るほど、この作品の「哀しさ」が身にしみてわかってくるように思える。

1巻、表紙カバー折り返し部分の説明文より
ビルの谷間に、ひしめく群衆の中に、哀しみを背負った男と女の影が流れる!
流れる雲に放浪を知り、くりかえす波に倦怠を感

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楳図かずお (赤んぼう少女)

楳図かずお (赤んぼう少女)

(1967年 週刊少女フレンド)
これはリアルタイムで読んでいました。(歳がバレルので計算しないように・・・!)

怖い!実に怖い!!めちゃくちゃ怖い~~~!!!

・・・という印象のみが残っています。
”タマミ”という名前を聞いただけで恐怖を感じていました。(全国の”タマミ”さん、ごめんなさい!)

・・・で、何十年ぶりかに読んだこの作品、怖いより<哀しい>という印象の方が強いですね。
この文庫

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坂田靖子 (闇月王)

坂田靖子 (闇月王)

<文庫版裏表紙の説明文より一部引用>
舞台は20世紀初頭のイングランド。
“闇月王をたのむ・・・”
臨終に謎の言葉を残した祖父の館で、ケネスは屋敷に出没する不思議な男に出会う。
特定の人にしか見えないこの男こそ、館に棲みついた精霊の“闇月王だった・・・。

とぼけた感じのイタズラ好きの精霊が棲みついてるイングランドの館。
そういう所に住んでみたい!
TV観たり、TVゲームしたりするよりどんなに面白

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望月三起也 (俺の新選組)

望月三起也 (俺の新選組)

これは「ダンダラ新選組」より新しい作品。
土方さんは、より格好よくなってるし、沖田総司は可愛いし、原田がとっても魅力的に描かれている。(因みに5巻の表紙は「原田」)
他の隊員たちも皆いい。

「ワイルド7」の後、少年キングで連載されたもので、
作者が自分なりのキャラクターを作りあげ、いわば、”望月新選組”として書き進めたようだ。
しかし、残念ながら
”ライフワークなる作品にと、つい熱がこもり、あれ

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望月峯太郎 (ドラゴンヘッド)

望月峯太郎 (ドラゴンヘッド)

これはいい。とってもいい。
読後感がいい。心地好い読後感に暫し身を浸す快感。

まず、本の装丁がいい。表紙のデザイン、内表紙のデザイン、目次のデザイン、どれも素敵だ。

絵は、ちょっと好き嫌いが分かれるかもしれないが、妙に「力」とか「重量感」「存在感」のある、いい絵だと思う。

1巻の冒頭部分。
黒ベタのみが1・2ページ。3ページ目に黒ベタに左側、白い文字…パラッ パラ パラ 。ページをめくると一

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ちばてつや (魚屋チャンピオン)

ちばてつや (魚屋チャンピオン)

ボクシング漫画。1962年作品。
「あしたのジョー」が1968年から始まっているのでそれより6年前の作品。

正直言って、今読むと絵もストーリーも古い。
しかし、実に丁寧に作っている。
絵はランニングシーンで1ページに1コマ使っているシーンがあるが、俯瞰の構図。
建物や人物の影などで説明文なしで読者に早朝だと分からせるようにしている細やかさ。
道路はまだ舗装されていなくて、家の前のゴミ箱もあの時代

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水木しげる (子供の国)

水木しげる (子供の国)

「異界への旅4」にこの作品が載っている。
この本は呉智英が<水木しげる作品集>として作品を選んだもの。

時は戦国時代。
孤児になった子どもたちが、
自分たちの幸福は自分たちで作らなければならないと考えて自ら「こどもの国」を作り生活を始める。
しかし、自分のことしか考えない大統領<ニキビ>
平民の<三太>はクーデターを起こし政権をとる。
その後、こしまきデザイナー<カルダン>(この役はねずみ男)が

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手塚治虫 (鉄腕アトム:海蛇島の巻)

手塚治虫 (鉄腕アトム:海蛇島の巻)

(昭和28年8月号「少年」付録)(原題:アトム赤道をゆくの巻)

いくら私でもこの作品が掲載された時にはまだ生まれていない。
しかし、この作品は小学生の頃読んだ記憶がある。
たぶん、近所の散髪屋さんで読んだのではないかと思う。

話はそれるが、その近所の散髪屋の名前は「乙女館」。
今ではもう残っていないが、当時でさえ「古いな~」と思っていたぐらいだから、かなり古い建物だったのではないかと思う。(絶

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Osamu Tezuka (Black Jack   Volume 1)

Osamu Tezuka (Black Jack   Volume 1)

もう十年以上前になりますが、次女と三女がアメリカ旅行に行ってました。
・・・で彼女達が「お母さん、おみやげ何がいい?」
って聞くので、私は「英語版の日本の漫画が欲しい!」
と言ったのです。
親が子どもに漫画のお土産をねだるなんて・・・変かしら?

彼女達はニューヨークで「ブックオフ」を見つけましてそこで買ってきてくれたのですが、
ニューヨークにも「ブックオフ」ってあるんですね~!
知りませんでした

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モンキー・パンチ (幕末ヤンキー)

モンキー・パンチ (幕末ヤンキー)

「新撰組」がテーマになっている作品。

「ある文化の中に、異文化の人間をポツンと入れてしまうと、どうなるかなあ・・・と自分で楽しんで描いた」と作者が言ってるが、そんな感じだよなー・・・と思う。

土方さんじゃなくて、沖田をメインに描いてるのよね。
それでもいいけど、歳さんファンの私としては、もう少し歳さんを格好よく描いて欲しかった・・・。

「やはり、漫画はね、自分が楽しみ、ノってこないといい作品

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