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望月三起也 (俺の新選組)

これは「ダンダラ新選組」より新しい作品。
土方さんは、より格好よくなってるし、沖田総司は可愛いし、原田がとっても魅力的に描かれている。(因みに5巻の表紙は「原田」)
他の隊員たちも皆いい。

「ワイルド7」の後、少年キングで連載されたもので、
作者が自分なりのキャラクターを作りあげ、いわば、”望月新選組”として書き進めたようだ。
しかし、残念ながら
”ライフワークなる作品にと、つい熱がこもり、あれも書きたい、こういうキャラクターも出したい・・・と構想が広がり、一年半かかっても、ストーリーは未完のまま”
・・・に、なってしまっているんですよね。
作者はこの続編を書きたいとあとがきに書いているけど、あるのかなー??
続編があるのなら、是非とも読んでみたい。

**この文章↑は実は2005年に書いたものです。2016年に77歳で亡くなられました。望月先生は「俺の新選組」の続編に取り組むことに決めていただけに残念です。ご冥福を心よりお祈りいたします。

・・・で、この作品、
第一話。近藤さんを助けるためにふんどし姿で駈けて行く土方が実に格好いい!!(別にふんどしが気に入ってるわけではないんですけどね)(笑)
チャンバラシーンも「ド迫力!!」
一方、芹沢鴨と沖田総司のやりとりも実にいいし・・・
これはかなり練りに練ったんだろうなーと思える話になっている。

3巻の呉服問屋でのチャンバラシーンは圧巻!!
原田や沖田たち5人が立てこもる呉服問屋。
暗闇の中、お互いを切らないようにと華麗な反物を上からぶらさげる。
正面から十五名・・・敵がどんどん近づいてくる・・・。
まるで、「西部劇」さながらのシーンである。
読者はわくわく、どきどきしながら戦闘シーンを期待する。

「百聞は一見にしかず」という言葉もあるが、
この戦闘シーンの素晴らしさは、読んで頂くしかないですね。

とにかく望月三起也の力強い線。ド迫力の構図。がいい。
近頃はシャープなタッチが流行っているようだが、こういうシャープとは言えないかもしれないがぐいぐいと迫ってくるようなタッチも味があってとってもいい。
反物などの柄も全て手書きで描かれているし、よく見ると刀の鍔など実に凝っている。
ある意味、こういうのを「職人芸」とでも言うのだろうか?

作者が、好きで好きでたまらなくて愛情をいっぱい注いで描いた作品というものは、
読者が読んでいても実に気持ちがいいものですね。

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