見出し画像

スモールM&Aの方が難しい理由|M&Aアドバイザーのつぶやき(ぼやき?)

こんにちは。かきもとみさです。私は世の中に少ない女性M&Aアドバイザーとして仕事をしています。

本日は「M&Aアドバイザーのつぶやき」です。もしかしたら今日の内容は、「つぶやき」よりも「ぼやき」が近いかもしれません。。

スモールM&Aの面白さは、財務や法務などの専門知識を駆使する必要があるだけではなく、結局は人の気持ちが大事な部分が大きいので「人の気持ちに寄り添える力」やコーチング的な関わり方も必要になる部分も大きく、ビジネスの「総合格闘技」と言えるところだと私は思っています。

ただ、その分、苦労する部分も多い‥‥。

特に最近「スモールだからこそ」の苦労を感じる場面がちょくちょくあるので、「スモールM&Aだからこそ」難しい理由を書いてみたいと思います。

ではいきます。

①社長が財務会計をわかっていない

譲渡対価で数百万~1千万円程度のスモール案件ですと、売主も買主も会計への理解が乏しいことが結構あります。

売主の場合、例えば財務諸表についてヒアリングをしても「そこは会計事務所に任せてあるからわかりませんね~」としか答えられなかったり。

社長が財務会計を理解していないと、事前に案件概要書を作成し買手へ説明する際の疑問質問をなかなか解消できないのでアドバイザーとしても辛い部分があります。

「ここ、絶対買手につっこまれるよな・・・」
「ここは回答できないと不信感を抱かれるよな・・・」とか。

初動では会計事務所へもM&Aについて開示していないケースも多いので、買手に案件を紹介するのに必要最低限の内容も収集できないと非常に困ったりします。

また、基本合意を締結した後になって「決算書に計上されていない保険資産がこれだけありました~」と言われたりすると、「じゃあ簿外負債もあるのでは・・?」と連想せざるを得ません。

正直に言ってしまうと、社長は財務会計くらいは抑えておいてほしいなぁと思います。


買手企業の社長が財務会計をわかっていないのも非常に辛いです。

まず、譲渡対価のロジックをあまりよく理解してもらえないので、その後の価格交渉などの売主⇔買主双方が腑に落ちる「落としどころ」を、ロジックを持って提示しずらい。

「会計士に話して」とアドバイザーの私が言われるケースもありますが、会計士や税理士でM&Aに前向きというケースって結構珍しく、リスク回避型で保守的な人たちなので、「買わない方が良い」という態度をとられることが多いものです。

本来はそれを社長がロジックをもって会計士や税理士へ説明し、「あらゆることを考慮した上でもメリットが大きいから買収したい」と意向を明確に説明するべきなのですが、財務会計を全く理解していないと全く説明ができない。

専門家の「リスクがありそうだから反対」にロジックを持って反論できないわけです。

でも、リスクゼロのM&Aなんて、世の中ありませんから・・・・・!

そんな社長だと「一体どこから説明すればいいの?」となってしまいます。

もちろん、財務会計知識が不足していれば、その内容を丁寧にわかりやすく説明することはアドバイザーの仕事でもあるので、そこは全く嫌だとは思わないし寄り添いたいと思っています。

ただ、それを「知ったか」されると「どこまで理解していて、どこから理解できていないのか」がわからないので、変なプライドで意地を張ったり、専門家任せにせず、自分で理解しようという努力が必要なのではないかなと思っています。

これはスモール案件であるほど顕著です。

肌感覚ですが、譲渡対価で5000万円以上の価値がつくような事業者の経営者であれば、ある程度の財務会計知識が養われているように思います。

経営者には「財務会計知識は愚直に養いましょう」と伝えたいですね。

②感情で決めすぎる

これはスモール案件の面白さと表裏一体ですが、「気持ち」で決めすぎるのも困ったものです。

これはとくに売主側で問題になることが多いイメージがあります。

そこそこの案件ですと、社外にも株主がいたり、事前に主要な顧客先やキーマンとなる従業員には事業承継についてディスクローズ(情報開示)しているケースもありますが、スモール案件であればあるほど、「売主社長一人で株式を100%持っていて、すべて自分次第」のケースが多くあります。

それはそれでやりやすいケースもあるのですが、「他者とのコミット」がないと、「やっぱり売りたくないっ!!!!」と言ってM&A中止にしやすい状況になるのも事実です。

実際、基本合意後に金額要件も詰め、譲渡後の戦略もある程度描けたのにも関わらず「やっぱり売りたくない」と意向が変わってしまった案件を経験したことがあります。

理由を聞くと「だったら最初から売却に動いたのが間違いだったじゃーん」というような内容なこともしばしば。

初動から、きっちりとその意向を固めるプロセスから関わるのもアドバイザーの仕事なので「グリップが甘い」と言えば「甘い」ので、自分への戒めでもありますが、売主社長の気持ちがコロッと変わるという話は結構聞くので、「M&Aに挑戦してみて、うまく進んだら、本当に売却で良いのか?やっぱり売りたくないという気持ちに逆戻りしたりしないのか?」というのはきちんと腑に落ちるまでアドバイザーなり信頼できる人なり家族なりと会話をしてほしいなと思います。

③社長が忙しすぎる

スモール案件であればあるほど、組織の中で「社長が営業やってる」というような会社が結構ありますよね。

社長がほとんどの部門の部長として動いているケースがあるので、めちゃくちゃ多忙。

M&Aでは、契約書をつめたり数字についてきちんと精査して考えたり、細かい作業もそこそこ発生します。

多忙を極める社長だと、このあたりのレスポンスが遅れまくって、「本当に買う気あるのか?」と思うくらいのこともあります。

基本合意を締結したのにもかからわず、1カ月くらい音信不通になり独占交渉期間を解除するために内容証明書を送る寸前だったケースもあります。

売主も、アドバイザーも、関わる専門家も、忙しいのはみんな一緒です。

ホントにその独占交渉期間で話をまとめる努力をできるのか、きちんと意向と覚悟を決めて臨んでほしいというのがアドバイザーとしての本音です。

「買いたい」と言うからアドバイザーとして尽力しているのに、音信不通だと「なぜこちらがしつこく追いかけなきゃいけないんだ・・」と思ってしまいます。

これがそこそこの規模の案件であれば、きちんとプロジェクトメンバーを構成して役割分担ができるので、非常にやりやすいケースが多いです。

とはいえ、スモール案件、歓迎ですよ!

・・・と、ここまで「ぼやき」に近い内容を書きましたが、私としてはスモールM&A案件をたくさんやるのが自分の使命だと思っていますので、ご相談は歓迎ですよ!(誤解しないでください!)

良い仕事を気持ちよく全力でやりたいので「最低限、やるからには当事者意識を高く持ってほしい」とは切に願いますが、「財務がわからないから丁寧に教えてもらいながら進めたい」「時間がないからなるべくMtgは短時間で、話をどんどん進めておいてほしい」など、経営者の事情に合わせて「一緒に仕事をしてくれて、なんて楽なんだ!!!」と思ってもらえるようなアドバイザーを目指したいと思っています。

本気になって、一緒にM&Aにチャレンジしましょう!!!

お問合せ歓迎です!!

👉M&Aアドバイザーの基礎知識を知りたい方は、よろしければこちらからフォローをお願いします!
👉会社の売却・買収を検討している方は弊社サイトからご連絡お待ちしております。お気軽にご相談ください♪

ではまた♪Adiós❤

🏋️‍♀️「女性M&Aアドバイザーが増えてほしい!」ということでごく最近発信活動を始めました。M&A以外でも、私がこれまでチャレンジしてきたことや、人生に対するマインドなんかもたくさん発信していきます♪
よかったら応援よろしくお願いします!
日経xwomanアンバサダーやってます♪
Twitterやっています♪
Standfmやってます♪ 飲みながら🥂聞いてください❤


















この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?