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友達なんて、実在しない伝説上の生き物だと思ってた

相変わらず何もない。

週3で作業所に通って、作業所がない日は昼まで寝て怠惰に過ごすだけ。作業所で私は空気みたいな感じだし、他の人たちと会話とかない。

ほんと私っていつも誰からも興味持たれないなあと思ってしまう。淡々と作業だけして帰ってくる。自分から行かないと変わらないのは分かるが、関わり方がマジで分からない。

職員の人はたまに話しかけてくれる。私は愛想笑いをして、普通の受け答えができる人間を演じる。疲れると思うこともあるが、嬉しいと思う時もある。たとえそれが作られた私だとしても、自分が受け入れてもらえたと思った時は少しそう思う。

帰り際に利用者の人に挨拶したが、素っ気ない態度だった。彼らはあまり人と関わりたくないんだろうか。休憩時間とかも、一部のお喋りな人たちだけが会話しているような気がする。

特にやりがいとか労働後の爽やかな気持ちとかはなく、少し心細い物足りない気持ちで帰途につく。

帰る頃には日が傾きかけていて、この頃は冬の気配が急に濃くなった。着る服に困る。夏や春着るような服を重ね着してなんとかしのいでいるので、またなんか買わないといけない。

ちょっと前まで社会と接点がろくになかったので、人前で着る用の服を少ししか持っていなかったのだ。作業所に通い出してから工賃以上に出費がかさむ。

しばらく寄り道して、日暮れ時になるとよく路上ミュージシャンの歌声が聴こえてくる。正直あまり上手いとは言えないが、たまに少し立ち止まって耳を傾ける。

私はたまに、ああいう人と話してみたいと思うことがある。

私には夢もないし、あんな度胸もないし、どんな人なんだろうって。ある時、路上ミュージシャンと楽しそうに話し込んでいる人を見かけた。少し羨ましかった。私は知らない人に話しかける度胸がない。よく知らない人が基本的に怖い。

こんなだからリアルきっかけで友達ができたことは全くない。長い間友達なんて、ユニコーンとかフェニックスみたいな伝説上の生き物だとさえ思っていたんだよ。

そんで昔はそういう悲しい歌を、DSiウェアの音楽ソフトのサルに合成音声で歌わせたりしてた。

♪友達なんて〜伝説の生き物でしょう〜

昔は暗い詩とか、暴力的な詩とか、逆にロマンチックなのとか、書いては誰にも見せずにPCに保存してた。何百もある。

福祉施設の人に見せたら、「私にはよく分からない」的なことを言われてしまった。母に見せたら、なんか笑われてしまった。何が面白かったのかよく分からない。

街を歩くとみんな友達とか、恋人とかと仲良さそうに歩いてるように見えて、

ムキイィ!! おのれコンニャロ!! 羨ま死!!

……という気持ちには別にならないが、なんとなく、冬の風が頬に染みるなあって。

寒いとさ、すごくすっごく寒い時。真っ暗な道を歩いていると、冷たい醤油に浸かってるみたいな気分になるの。多分私だけだろうね。

寒いと胸の真ん中に空いた穴が大きくなる。誰かのこと好きでいた時はそれが埋まったような気がしてた。

どんなに体が寒くても、胸のとこに温かいものがあったから平気だと思ってた。今はない。普通に寒い。ふわふわの着る毛布とか欲しい。湯たんぽないと寝られない。ついでにお姉さんによしよしされたい。

最近は絵を描くためにipadが欲しくて、作業中と寝てる時以外は一日中ipadのことばかり調べていた。

でも本当にそれが必要なのか分からない。私は自分の気持ちに鈍感なのか、何かを欲しいと思っても後からやっぱり違ったとなることがある。疲れたとかお腹空いたとかそういう気持ちにも鈍感で、気付くのに時間がかかる。

そのくせ、瞬間的に「これ欲しい!」となると、普段はすごく優柔不断なのに衝動的に行動力を発揮して買ってしまうことがある。だから買ったのに結局使ってないものが結構ある。

物欲で心の穴を埋めようとしてるんだろうか? お金ないのに。

心に穴が空いた人はいろんな方法で埋めようとする。もの買ったり、お酒飲んだり、仕事したり、人と遊んだり、えっちなことしたり。私はネットと文章出力依存だ。

依存性じゃない人なんて誰もいない気がする。社会的に病的とされるものだけが依存性として扱われて、仕事とか、社会的に見て病的でないものはそう扱われない。

心の病気とかも、社会に適応してないものは病気で、適応できてれば病気じゃないなら、社会そのものが変わったら病気が増えたり減ったり基準が変わったりするのかな。それくらいいい加減なものだな。

最近ネックレスを買ったんだ。まだ使っていないけど、キラキラした人工の石がついていて、昔から想像の中にいる優しい子の瞳に似た色をしている。なんとなく運気が良くなりそうな気がしたので買った。半額だったし。勝手にキラキラしたものには魔力とか宿ると思ってる。私は社会から魔女狩りされる魔女だし。

でも私には私以外の人たちの方が魔法使いに見えるな。社会と繋がる魔法。人と繋がる魔法。人と意思疎通できる魔法。

私には翻訳魔法が必要だ。お互い日本語を喋っているというのに。人に自分を伝えることが苦手だ。

違和感のない表情を作る魔法。人が怖くなくなる魔法。過去の嫌な記憶消去魔法。まっすぐ歩ける魔法。チクチクするタグに耐えられる魔法。自分が定期的にバラバラにならない魔法。生きたいと思える魔法。

欲しいなあ。

私はなかなか人のことを友達って思うことができない。正確に言うと、そういう風に思えるまでにすっごく時間がかかる。

私のよく分からん話を聞いてくれて、興味を持ってくれて、人間に対して拒絶的・回避的な部分のある私が心を開くまで辛抱強く待ってくれるような人なんて、そうそうおらんのだ。

おってくれよ(泣)

結構愛着障害みたいなのがこじれてるので、人を突き放してしまうことがある。そうして離れられる。でも内心では

誰か私のそばにいてくれよ!!

と思っている。非常にめんどくさいのだ。

まあ……どうにもならんなあと思っている。

寝て起きたらまた作業所だ。

早寝早起き苦手だなあ…最近寝不足だし起きられないや。


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