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SF、読書のよろこびマガジン

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大人になってからSFの楽しみを知った人の記録。本が好き、ゲーム興味ないかたはここで。
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2020年7月の記事一覧

ケーキは食べるとなくなるように、「三体Ⅱ」は読むと終わってしまう

ケーキは食べるとなくなるように、「三体Ⅱ」は読むと終わってしまう

ネタバレしないように感想がんばる。

「三体Ⅱ」を読んだ。
読み終えてしまった。

困る!
ここ2カ月ほど、世界には良くないニュースが飛びかっているのを感じていたけど、個人としては今年あった出来事は「三体おもしろかった」以上に強いことは何もない。
「三体良かった」
という事実が傘となり、体に悪いニュースを直接浴びるのを防ぐことで、弱いぼくは生きのびた。

過酷な展開もあって震えながら読んだけど、基

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【マンガ記録】和山やま「女の園の星」の話

【マンガ記録】和山やま「女の園の星」の話

前作が男子校で、生徒のほのかなBL風味が隠し味だったのに、そっちにこだわりはないんだ!?

和山やまの新作「女の園の星」は女子校と男の先生の話。

共学の学校の女子だけを描くやり方ではなく、あえて女子の学校で「女の園」と時代がかった呼び方をして、男の先生たちと恋愛関係になる気配もない。
設定だけで和山ワールドがにじみ出ている。

デビュー作「夢中さ、きみに。」は男子校の生徒たちによる短編集だった。

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【読書記録】エンタメノンフィクションの到達点「謎のアジア納豆」が文庫化!

【読書記録】エンタメノンフィクションの到達点「謎のアジア納豆」が文庫化!

世界の未知を求めて旅する作者が、ジャングルの奥地で見た納豆ごはんの幻影を追い求める。発売当時に単行本で読み、文庫版を買い足そうかと思っている大好きな本。

東南アジアの秘境で、現地の人が振る舞ってくれた食事が、絶対に日本にしかないはずの「納豆卵かけごはん」だった。
あとになって考えるとあれは何だったのか?日本に帰りたい気持ちが生んだ幻覚なのか?

ぼんやりした記憶と、ある留学生の「日本の納豆はバリ

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「三体Ⅱ」上巻を読み終わった!

「三体Ⅱ」上巻を読み終わった!

ここからの文章は「三体」の内容にちょっと触れてます。

だが、
「うまい棒の大部分は空気なんだぜ」
とばらされても、うまい棒の醍醐味は変わらないし、タコ焼き味の表面の硬さの存在感が唯一無二なことを損なうわけではないのと同じで、多少内容を知ったところで「三体」の満足感は揺らぐものではない。

だけど余計な情報を入れたくないと感じる人もいるだろうから、敏感な方は読まないでねっていうか、うまい棒って空気

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