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タニグマー小説集2

12
短い! 早い! すぐ終わる! 短小(タニグマー)小説です。すみません。
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2023年12月の記事一覧

スマホとビンタ

スマホとビンタ

オフィス。コーヒーブレイク。
マリコ部長、スマホで小説を読んでいる。
みつき(以下み)「なに読んでいるんですか」
マリコ部長(以下マ)「ん? 青空文庫。岡本かの子の『越年』(1939)。年の暮れ、終業時間。男性社員からいきなり平手打ちされて憤慨するOLのお話。そのまま会社を辞めてしまった彼を探し回るの」
み「おもしろそうですね。なんでビンタされちゃうのかしら」
み「それは読んでのお楽しみ」
み「あ

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新聞大好き

新聞大好き

みつき、新聞が大好き。
東京新聞を定期購読して、時々コンビニで朝日新聞を購入している。
新聞は衰退産業だ、将来消滅するなんて週刊誌でけなされているけれど、情報、知の宝庫ですよ。

例えば12月19日(火曜日)付の朝日新聞。
こんなにたくさんの記事が気になったり、ためになったり、切り抜いたりした。

まずはニュース。
「安倍派・二階派きょう捜索」「自民支持率下落」。
当然よ。この十数年、政治に関する

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盗まれた日本語

盗まれた日本語

オフィス・コーヒーブレイク。
みつきはいま、いつものようにマリコ部長とおしゃべりしています。

マリコ部長(以下マ)「みて。家の机、整理してたら引き出しからこんなのが出てきた」
みつき(以下み)「電車の切符? 幸福行き!」
マ「そう。愛国駅から幸福駅へ。北海道のよ。『愛の国から幸福へ』。1970年代にブームになったの。小学生かな、家族で旅行に行った時に買った」
み「なんて素敵なんでしょう」

みつ

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