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ココロ・カラダ・カイゴ

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ココロ、カラダ、カイゴ(介護)などなど。つれづれの想い、つれづれの覚え書き。
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母さんが夜なべをして

母さんが夜なべをして

母の家を片付けている。
といっても、そういうことを丸ごと請け負ってくれる専門業者に始末をお願いしているので、こちらのやることはとにかく「要るものを取り出して除けておく」、ただそれだけ。

取り出すのは、我が家でも使うもの、と、捨ててほしくないもの。そういう目で選別していくので、けっこうさっさと作業は進む。が、机の下から出てきた小箱をあけたとき、ふいに手が止まる。

かさかさと乾いた落葉、枝付きのど

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お別れの形―火葬式(1)―

お別れの形―火葬式(1)―

母の介護看護関連のあれこれを、ここに書いていこうと言いながら、いきなり葬儀の話って、それってどうなの、と思わないでもないですが。
まだ気持が落ち着かず、どこか腑抜け状態でありながら細かな雑務をこなしていると、色んなことが右から左へ抜けていってしまって、時と共に蒸発してしまいそう。なので、思いついたものから書いてしまおうかと。

で。葬儀のお話。
まだまだ元気な頃から、母は「お葬式もお墓もいらない」

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安らかなゴール

安らかなゴール

5月1日。
母が旅立った。

倒れて入院してから、ちょうど10日間。
意識はなく、でも体を少し動かしたりはしていたけれど、
苦しそうでも辛そうでもなく、ただ眠りつづけていた。

救急搬送された日に、手術はしない、という選択をし、
数年前にサインしてあった「尊厳死の宣言書」も医師に渡した。
延命のための治療、措置はしないと話し合った後、
医師は穏やかなまなざしで、静かに言った。
「安らかなゴールを目

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ママン。

ママン。

入院中の母(88歳)に電話。

「退院の時に要るから、今日、車椅子持っていくね」

「ありがとう。でもこっちに持ってきちゃうと、私が家から出る時に乗るものがなくなっちゃうわね」

……ええと。

ママン。

それは異次元での話?

それともドッペルゲンガー??

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88歳、要介護1の母は、
認知症ではないけれど、
さすがに理解力とか判断力がかなり危うく、
いっ

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