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李家に生まれて

18
「三木才代」という人間がどんなルーツを持ち、どんなことを想い、どう生きるかを決めたか、を記憶を掘り起こして書いています。 自分の過去を大事にお伝えすることで、同じような経験や感覚…
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#留学

李家に生まれて #15

李家に生まれて #15

台湾大学日本人学生会

字面で見ると、仰々しいが、
ただの学生の集まりである。

調べたら今でも脈々と?会は続いているようだ。

当時は日本人で台湾に留学し、なおかつ正式な学部生として
在籍している学生の数はかなり少なかった。
日本の大学の提携で語学留学や短期留学に来ていた学生のほうが多かった。

つまり、会の幹事になる順番はいつかは回ってくる。。。

入学した当初に参加した食事会で、私は悟った。

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李家に生まれて#14

李家に生まれて#14

めまぐるしい台湾生活を過ごすにつれ、

自分は本当に自分の父母から生まれたのだな

とふとしみじみ思うことがあった。

私が留学をしたい、親元から離れなくてはと思い行動した結果は
父が自分の家や国を離れ日本で生活をすると決めたことと
とても良く似ていた。

もともと性格自体も、私はカッとなりやすく感情の起伏が激しい。
私が幼いころの父もそういう一面を私に見せていたから、
つくづくこの親にしてこの子

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李家に生まれて #11

李家に生まれて #11

まさに断崖絶壁。後戻りはできない。
18の私はまさにそんな気持ちで台湾へ留学することを決めた。
実際は祖母の家に居候することや、多くの親戚がいるため、
後ろ盾がとても十分にあるはずの環境だったのだが、
なぜか私は一人でいろんなことを背負いがちだった。
それはきっと、父が当初一人で日本に留学に来たり、
母が家族四人の家計を支えていたり、
これまでの生きた環境や状況を考慮しての意気込みだったと思う。

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李家に生まれて #10

李家に生まれて #10

切っても切れない、離れたくても離れられない
それが血縁だし、出自だと深く知ったとき、自分を呪うようになった。

なんで生まれてきたんだろう?
こんな複雑な思いを抱えて生きていきたくない
これから私はどう生きればいいのだろう?

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