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しがなきツアーガイドの"日常"Vol.1

こんにちは。ミキキートス代表の庭野です。7月末より待望の現地ツアーを再開し、8月末まで販売していたすべてのツアーが無事に終了しました。夏休み特需ということもあり、一人で受け持つツアーが多く、週末はガイド自身が旅行をしているような感じになっていました。そんな、しがなきツアーガイドの"日常"を皆さんにご紹介できたらと思います。
※文中で使用する写真は、それぞれ別の日に撮ったものを混ぜて使用しているものがあります。

週末は豊洲市場と成田空港のダブルヘッダー

ツアーの需要が多いのは夏休みといえどもやはり土日です。一般の参加者を募って、見ず知らずの人同士が一緒に参加する募集型のツアーの場合、土日だけで全体の9割近い売上となります。そうなると、土日はサボっていられません。体をフル回転させて、なるべく多くのツアーを催行しようという発想になります。ミキキートスでは、コロナ禍でガイドさんが総入れ替えとなり、私以外のガイドさんがまだ十分育っていないこともあり、庭野がフル回転で対応することになりました。豊洲市場は原則水曜と日曜がお休みのため、週末は土曜日のみという制約があります。日曜日も豊洲が開いていたら…と思うとゾッとするような1泊2日のご案内行脚です。

土曜日の朝は早い…辛い…

市場で働く人たちに比べたらまだまだ甘っちょろいですが、土曜日は午前1:45に起床するところからスタートします。もちろん、前日までに準備は済ませておいて、身支度を整えたらすぐに出発できるようにしておいて、この時間の起床です。

というのも、早朝5:30集合の豊洲市場でマグロのセリを見学するツアーを作ってしまったからです。自業自得と言えばそれまでなのですが、コロナ禍の怪我の功名と言いますか、自身の感染予防策で、カーシェアの車を使用して移動するようになったことで、このようなツアーができるようになりました。以前は電車で通ってた為、どんだけ急いでも市場に着くのは6:00頃になってしまう為、セリの案内は諦めていたのです。しかし、車が使えるのなら話は別です。深夜で道が空いていることもあり、なんなら電車より早く豊洲市場に着くことができます。

相棒になることが多いN-BOX

忘れ物がないかの最終確認を行い、近所のタイムズカーのステーションにいつもの車を取りに行きます。予約時間は2:15。荷物が多くて重いので、家の前に車を持ってきて、残りの荷物を積み込み出発です。電車通勤だった頃は持って行くことができる荷物に限界がありましたが、車ならそこもあっさり解決。なんなら、小休憩のプライベートスペースも確保できて、いいことづくめだったりします。

早朝…いや、深夜の道はスイスイ

2時半頃、自宅を車で出発します。本当は首都高を使えばあっという間なのですが、早朝で道が空いていることもあり、節約モードで一般道を小一時間走ります。途中で朝ご飯の軽食とコーヒーを買って、市場到着後の車内で頂きます。豊洲駅付近の公園の公衆トイレに寄ってから、豊洲市場の駐車場へ。駐車場にもトイレはあるのですが、7:30からしか使えず、市場の見学者通路が開く5時までトイレにいけないのです。

豊洲市場最寄りの駐車場に到着

駐車場に着くのは大体3:30頃です。ツアー開始まではまだ2時間ほどありますが、万が一事故や車の故障があったとしても、なんとかたどり着けるように早くでるようにしています。

大抵寝不足なので、到着後は早めの朝ご飯を頂き、そのまま車内で小一時間仮眠をとります。4:45頃には起きて、身支度を整えて4:55には車を降ります。Twitterで豊洲市場のマグロの様子を伝える定時ツイートをしていますので、5時に見学者通路が開くと同時にマグロの卸売場へ向かい、"今朝の豊洲市場"の写真を撮影します。警備員さんとも少しずつですが顔見知りになってきました。

一番乗りで確認するマグロの卸売場の様子

ルーティンとなってるツイートを発信し、座ることなくガイドのセッティングを行います。具体的には、イヤホンガイド®︎の送信機の電源を入れ、モニタリング用の受信機に正しく音声が流れるか確認を行います。そのままご案内がすぐにでもスタートできるよう、電源を入れた状態でマイクをミュートにしておきます。

大切な商売道具「イヤホンガイド®︎」

トイレを済ませ、集合場所に5:15頃に着きます。配布物の準備が終わるか終わらないかくらいのタイミングで、大体1組目のお客様がやってきます。準備が整い次第、予約台帳を確認して受付を行います。ツアーにもよるとおもいますが、基本的に早く始められた方がお客さまにとっても、私たちガイドにとってもよいことなので、早めにご集合頂けることを祈ります。特にここ8月はまぐろが少なめの日が多く、セリが早く終わってしまう可能性が高い為、1分1秒が大事になってきます。

まぐろセリのツアーはゆりかもめ「市場前駅」が集合場所

1本目、マグロのセリ見学ツアーSTART!!

1本目のツアー 豊洲市場見学ツアー 楽しいマグロのセリ見学コース0530♪ がスタートします。

ご参加者の皆様が全員お揃いになったところで、ご挨拶と最低限の説明を行い、「マグロが待ってますので…」と、そそくさとご案内を開始します。このツアーでは、まずマグロのセリを解説付きで20分ほど見て頂き、その後各々じっくりマグロのセリをご覧頂くという段取りになってるのですが、セリがあまりに早く終わってしまう為、解説が終わるか終わらないかというタイミングでセリが終わってしまいます。。。

マグロのせりの様子

なんにせよ、一番の目玉であるマグロのセリをご見学頂き、満足してもらったところで、残りのご案内に移ります。6:30からには10分間のお手洗い休憩。お客様はマグロのオブジェで記念写真を撮影します。コロナ前でしたら積極的にシャッターを押してたのですが、感染リスクの考え方はお客様それぞれなので、声をかけられたらシャッターを押す運用に切り替えています。

水産仲卸売場をご案内中

飲食店のご案内で連続飯テロを行い、ターレの見学をしてから解散場所のプロショップ魚がし横丁®︎へ。早朝でお疲れというのもありますし、お腹すいたから早く食事に行きたいということもあってか、お買い物をして行く方は半分いないくらいでしょうか。「楽しかったです!」と声をかけて頂けたりすると、早起きした疲れもふっと軽くなります。イヤホンガイド®︎を回収し、お客様の質問対応が終わったら束の間の自由の身に。

そそくさと成田空港へ移動

本当は市場で朝ご飯を食べてから移動したいところですが、12:55からの成田空港見学ツアーが待っていますので、ご案内で出たアドレナリンが残っているうちに成田空港へ移動します。

7時35分にツアーが終わり、8時前には豊洲を出ます

ここだけは高速道路を使います。早朝の豊洲市場ではまずあり得ないと言ってもいいですが、成田空港の駐車場が満車になる可能性も少なからずあります。そうなると大変なので、高速で一気に移動していきます。

有明インターから首都高へ

8時頃に豊洲市場を出て、途中東関東自動車道の酒々井パーキングエリアに寄るのがいつものパターンです。空港に着いてからはまた車で仮眠を取る為、酒々井パーキングエリアで昼食(主に松屋の牛めし並盛りつゆぬき)を購入し、またすぐ成田空港へ向かって走ります。

松屋酒々井PA下り店

東関道の四街道⇄成田JCT間は最高時速110キロ区間なので、空いていればビューンと一気に移動できます。成田空港の駐車場に着くのが大体9時頃。駐車券を取って、なるべく移動に便利な場所の立体駐車場のスペースに車を停めます。

豊洲を出てから1時間ちょっとで成田空港の駐車場へ入庫

元気がある時や用事がある時はターミナルに行くこともありますが、基本的には寝不足気味なので、再び車の中で仮眠を取ります。

結局あまり寝られない仮眠

土曜日といえども、ツアー予約のメールが飛んできたりしますので、その時はパソコンを広げて予約処理を行います。

車内でパソコン作業や食事が捗るテーブル

お昼ご飯を松屋のお弁当で済ませ、12時くらいになったら、ツアーで必要な装備一式を持ってターミナル内に移動します。

どこにどんな飛行機が停まっているかも要チェック

ターミナル内の様子をなんとなく確認し、ツアーで見てもらうフライングホヌの飛行機NH183番の到着時刻を確認します。オンタイムなら問題ないのですが、大幅に早着や遅延があるとお客さまへのご案内も変わりますので、地味に重要な作業です。

2本目、親子でまなぶ 成田空港見学ツアーSTART!!

専用の受付台などないので…

12:30頃集合場所に赴き準備を始めます。大体整ったタイミングでお客様が現れはじめます。ホヌが早着する場合などは、マグロのセリツアー同様1分でも早く開始したくなります。全員お揃いになったところで、ご挨拶と注意事項の説明。ホヌの早着問題はあるものの、マグロのセリと違い、急がないと見られないということはないので、行程をうまく組み替えることで対応していきます。

私はよく言えばじっくりとご案内するタイプで、悪く言えばくどいガイドだと思います。そんなこともあり、時間が押してしまうこともしばしば。だんだんとホヌの到着が近づき、時計と睨めっこしながら、ご案内をコントロールしながら進行します。

たまに大幅に遅延して、15:30到着のような場合もあるホヌですが、早いと14:15過ぎに着いてしまうこともあります。遅れること前提で行程を組んでしまうと、早着する時に見られなくなってしまいますので、難しいところです。無事にウミガメの飛行機の到着を皆さんで見届けることができた場合には、明らかに雰囲気が変わります。ホヌのA380様様のツアーだったりします。展望デッキでイヤホンガイド®︎を回収し、解散。ご質問対応が終われば1日目のお仕事は終了となります。

ツアー終了後の解放感がたまらないお仕事です

バーガーキングで夕飯&事務作業

しかし、このまま家に帰るわけではありません。ガソリン代の無駄であることと、下道で往復4時間ほどかかることを考えると、空港周辺に泊まってしまうのが楽チン。とはいえ、あまり高いホテルに泊まってしまうと意味がないので、空の湯という入浴施設に併設されているカプセルホテルにお世話になります。

しかし、すぐに宿入りするわけではありません。使い終わったイヤホンガイドをまた明日使えるように、清掃やセッティングをしなければなりません。大抵は車の中で、パソコン用のハンドルに取り付けるテーブルのようなものの上で作業を行います。明日のツアーの準備が整ったら、一旦早めの夕食を兼ねて、イオンモール成田のバーガーキングに立ち寄ります。

はまってるバーガーキング

ハンバーガーでお腹を満たしながら、返信の必要かメールに対応します。そのまま直行なら19時頃には宿入りですが、さくらの山公園やひこうきの丘に立ち寄ると20時半頃の宿入りになります。

仕事とプライベートのあいまいな境

飛行機を望む展望露天風呂がある”空の湯”に宿泊

成田空港からは車で10分ほど、日本一短い普通鉄道芝山鉄道の芝山千代田駅至近の空の湯にチェックインします。空港からのシャトルバスも出ているので、車じゃない方もご利用可能。早朝も5:30に空港に到着できるシャトルバスが運行されているので、朝早い便を利用する方も重宝するお宿です。

この施設の一番の売りは、飛行機の離着陸を眺めながら入浴を楽しめる展望露天風呂があることです。もちろん、日帰り入浴もできますので(むしろそっちがメインですが…)、飛行機が好きな方は是非ふらっと訪れてみて下さい。

露天風呂に15分から30分ほど浸かって1日の疲れを取り、カプセルに入ります。そして、金曜日の夜に見られなかったNICE FLIGHT!という航空系のドラマをTverで見て、眠くなったら休みます。

2日目は6時頃起床

成田空港の駐車場は6時間以上の駐車を前提に、午前8時までに入庫すると1日最大2,100円のところ半額の1,050円になります(※除外日あり)。大きな節約ポイントのため、6時頃にはカプセルホテルをチェックアウトし、すき家で朝食を取ってからコーヒーを買って成田空港の駐車場に7時頃入ります。

安価でありがたいすき家の朝食

午前中に 成田空港見学ツアー やさしい空港入門♪ がある日は8:50にスタンバイとなりますのでのんびりしてられませんが、お昼からのツアーだと少し時間があります。元気がある時は空港内をフィールドワーク。最新の情報を得たり、TwitterTiktok のネタになりそうな動画やSNS用の写真を撮って発信したりします。

@mikikiitos

人混みで進めなくなってアタフタしたり、子供に追いかけ回されて仕事の邪魔されたり…憎めないセコムロボットX2😂本当cocoboが見たか…なんでもないです。#成田空港 #警備 #ロボット #ロボ #空港 #飛行機飛行機ドツアー #ミキキートス

♬ オリジナル楽曲 - EventOfficeミキキートス公式 - EventOfficeミキキートス公式

3本目、親子でまなぶ 成田空港見学ツアー Part.2

そして、12:55から週末最後のツアー 親子でまなぶ 成田空港見学ツアー はじめての空港入門♪ のご案内がスタートします。土曜日と同じツアーのご案内ではありますが、前述の通りフライングホヌの到着時刻も日によってまちまちですし、参加するお客様の雰囲気も違うので、ご案内しているガイドの感覚としてはまったく別のツアーをご案内していると言ってもいいくらい別物です。よく言えば毎回新鮮な気持ちでご案内できますが、毎回異なる条件下でお約束通りのガイドツアーを提供しなければいけないということの裏返しでもあります。

フライングホヌが無事に見られることが何よりも重要

無事にツアーが終了し、ご案内で張りつめていた緊張の糸が切れたことで、安堵感とほどよい疲労に体が包まれます。車に戻り、急ぎで返す必要のあるメールの対応をし、少しだけ体をクールダウンしたら帰途に就きます。本当は高速を使って一気に帰りたいところですが、帰りは時間の制約が無い為、高速代を節約するために下道を使ってえっちらおっちら帰ります。その代わり…2日間の労をねぎらう為、夕飯を食べて帰ります。

ご褒美の夕飯(主にラーメン)

SNSで気になった「天ぷらめし天之助」に立ち寄る

この日は天ぷらでしたが、主にラーメンを食べて帰ることが多いです。2日間のカロリー消費を帳消しするかのような、こってり系のやつです。コロナ禍で重くなった体がなかなか元に戻らないのは、おそらくこれが原因だと思います。。。

いきつけのラーメン屋さんのつけ麺

なんだかんだで帰宅するのは日曜日の21時頃になります。前日の午前2時頃に家を出てから、およそ43時間が経過しています。近所のステーションにN BOXを返却し、事故を起こさず無事に帰宅できたことにまずは一安心。ホッとする瞬間です。

帰宅してツアーの後片付け…と言いたいところですが、疲労がたまっていて、お風呂に入るのが精一杯です。私はなかなか寝つきが良くないのですが、日曜日の夜だけはすーーーっと眠りに就くことが出来ます。そして、ぐっすり眠って目覚めた翌朝、昨晩放置した後片付けに絶望しながら、また新しい1週間がスタートするのです。。。

しがなきツアーガイドの"日常"いかがでしたでしょうか?
また機会があったらつまらないレポートを書いてみようと思います。
最後までお読み頂きありがとうございました!

今回記事の中に登場したツアー

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